第65話 VS勇者(その1)
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旧ガラード王国(現在はガラード領)の復興は加速度を増して進んでいた。
軍事費が無くなったことによりその分を復興費用に充てる事が出来るのは効果的だった。
また、樹海王国より復興支援が有り、食料が無償で配布される。
盗んだ兵糧だけどね。
そして、各市町村はダンジョン化して建物も一瞬で構築されていく。
ガラード領の市町村には、樹海王国の亜人や人形の魔物と交流が活発化し、人と魔物が共存していく。
そんな噂も大陸中に知れ渡り、大陸中の亜人や魔物も続々集まって来ていた。
その為、国民も爆発的に増えて発展していく。
各都市や町には、狩り用ダンジョンを設置した。
仕事がない者や腕に自信がある者は、冒険者として国に貢献しながらレベ上げも行う。
その中で特に強い者は軍隊に入り、戦力も益々充実していく。
一方、人間の兵士も増えた事から、ガラード領に軍隊だけの都市が構築された。
そこには、人間の兵士は勿論、コボルト、ゴブリン、オーク、オーガ、妖精、獣人、ダークエルフ等々多くの亜人や人形の魔物も兵士として一緒に生活している。
その都市『軍都アミガル』には、ビー1を将軍とした5番目の軍隊を生活させながら、各種訓練を実施させている。
訓練も兼ねて狩り用ダンジョンでレベ上げを行いながら、ダンジョン素材を売り、経済の活性化は進む。
現在樹海王国の軍隊は、将軍副将軍の構成を変更し、副将軍を増やし以下の通りとした。
元帥リザルド(ヨルムガント)
将軍リガント(リザードマン種)
副将軍リガール(リザードマン種)
副将軍コボ4(スペクター種)
副将軍ゴブ2(ゴブリン種)
将軍オニバル(アンデットナイト種)
副将軍ライゴー(獣人種)
副将軍オク2(オーク種)
副将軍トロガス(トロル種)
将軍グレンシー(ダークエルフ種)
副将軍リリア(ゴーゴン種)
副将軍リーネット(ラミア種)
副将軍リガリア(リザードマン種)
将軍コボ2(ケルベロス)
副将軍フェアル(妖精種)
副将軍ホビラグ(小人種)
副将軍グンゴル(獣人種)
将軍ビー1(キラービー種)
副将軍アレオン(スペクター種)
副将軍オガ1(オーガ種)
副将軍アレクス(人間種)
アラント辺境伯の領地アラント領とガラード領は人間と亜人や魔物が暮らす平和な領地となった。
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勇者パーティーが樹海王国ガラード領のとある町に向かっていた。
門の前には黒いフルプレートアーマーのオーク兵が二人門番をしている。
門の前には行列が出来ている。
何人かに一人の割合で中に入れない人がいる。
悔しそうな素振りで来た道を帰っていく。
遠目に見ていた勇者の男タクミ。
タクミ「ユイ、やっぱり厳重な警備みたいだぞ。」
ユイ「そうだね。あのデカイ門番も怖そうだし。」
タクミ「帰るか?教国の人間は敵だから入れないよ。」
ユイ「隠れて入ろうよ。ラーメンとかカレーライスとか食べたいし。」
勇者達には2名の付き添うメンバーがいた。
その一人聖騎士シレオマ。
勇者に剣を教えている。
教国一番の剣の使い手。
もう一人聖女シエット。
教国一番の癒し手。
教国の中で彼女より回復魔法が使える者はいない。
シエット「確かにラーメンとかカレーがあるとは聞いています。後は『寿司』?この辺りには海がないのに新鮮な魚介料理と聞いています。」
ユイ「寿司!」
タクミ「寿司は食いたいな。」
ユイ「ご飯があるんだね。」
タクミ「教国のご飯モドキはもう飽きたよ。本物の白いご飯が食べたい。」
シエット「そして焼き肉。牛肉という肉がとっても美味しいらしいです。」
シレオマ「シエット、勇者様達を煽るような言動は慎みなさい。」
シエット「はい。申し訳ございません。」
タクミ、ユイ「「焼き肉!!」」
ユイ「隠蔽の魔法を覚えて良かったわ。」
ユイが呪文を唱えると勇者達四人は消えていく。
その様子を俺達は念話で見ていた。
いつものリビング。
いつものメンバー。
「消えちゃったよ。」
ハク「そうねー。小蜘蛛ちゃん達は追えないよね。」
スパ1「そうですね。小蜘蛛達に探索スキルは有りません。」
コボミ「闇魔法が使えるコボルトを派遣して探しましょうか?」
サクラ「ダンジョンスキルで位置は分かるはずよ。」
ヒナ「本当だ。屋台の近くにいるわ。」
屋台の映像が念話に表示される。
屋台の店主が顧客と話してる隙に焼き鳥が2本空中に浮かぶ。
勇者達が盗み食いしているようだ。
ヒナ「ドロボーだね。」
「うん。あれはひどい。お金ないのかね。」
スパ1「お金は持ってるはずです。」
サクラ「戦争前はアラント領と取引があったからねー。」
屋台の近くに人間の小さい女の子。
その女の子に後ろから近付くゴブリンがいた。
その時。急にファイアーランスが歩いていたゴブリンに放たれた。
ゴブリン「ギャー」
ゴブリンは火だるまになり転げ回る。
女の子は後ろを向くとビックリして泣き出した。
女の子「ゴブさんがー!」
集まってくる人達。
その中には、亜人や人形の魔物達がちらほらといる。
この町は他の町より人間以外の種族の数は少ないようだ。
ユイが姿を現し、女の子を庇うように立つ。
タクミ、シレオマ、シエットも姿を現す。
シレオマは転げ回るゴブリンに止めを差す。
シレオマ、シエットは人間以外の種族を見て露骨に嫌な顔をする。
ユイ「危ないわ!近づかないで。」
ユイは近寄ってくるゴブリンやコボルト達を警戒する。
女の子「お姉ちゃんがゴブさんを攻撃したの?」
ユイ「ゴブさん?そうよ危ないところだったわ。」
女の子は泣きながら急に走り出す。
女の子「おかあさ~ん。グスン。あのお姉ちゃんがゴブさんに魔法を放ったの。ゴブさんが、ゴブさんがー。」
タクミ「ゴブさん?どういう事だ。」
シレオマ「この町は魔物どもに支配されてるようだ。」
遠巻きに、勇者達を見ている住民の中にいたコボルト。
シレオマは素早く踏み込み切りつけた。
コボルトは咄嗟に避けられず、首を斬られた。
「キャー。」
住民達の悲鳴が上がる。
黒いフルプレートアーマーを着たオークの衛兵が走って来た。
オーク「貴様ら!住民に手を出しやがって、ただで済むと思うなよ!」
タクミ、ユイ「住民?」
ユイはファイアーランスをオークに放つ。
オークはファイアーランスをハルバートで切り裂く。
ユイの右側から、赤い目の黒い大きな犬ヘルハウンドが飛び出す。
ヘルハウンドはユイの首に噛みつく。
タクミ「え!ユイ!」
タクミはヘルハウンドに剣で攻撃するがヘルハウンドは剣を躱す。
ヘルハウンドが喋った。
「お前ら、仲間を殺しやがって。次はお前らの番だ!」
タクミ「え!犬が喋った?それよりユイ!大丈夫か!」
ユイを抱き起こすがユイは首を噛まれて死んでいた。
タクミ「ゆいーーーー!」
タクミは衛兵達、ヘルハウンドと、その回りにいる赤い目の黒い小さな犬ブラックドッグ達を睨む。
シエットが慌てて走ってくる。
回復魔法をユイにかける。
肉体の損傷は回復し首も元に戻るが、ユイが生き返る事はなかった。
シレオマはオーク兵達と戦っていた。
シレオマ「こいつら強い!」
オーク兵はオークソルジャー、オークジェネラル達だ。
身体はフルプレートアーマーに隠れているが強力な魔力は隠せない。
黒いフルプレートアーマーのオーク達は、教国一番のシレオマの斬撃をハルバートで難なく受ける。
その上、強力なハルバートで追撃してくる。
シレオマはハルバートを辛うじて受けるがバランスを崩す。
ハルバートの更なる追撃を転がりながら避ける。
シレオマが大剣を構え息を切らす。
ブラックドッグ数匹がタクミの死角に回り込み、タクミに飛びかかる。
タクミは何とか躱すが、ユイの遺体を手放す。
そこに不気味で濃厚な魔力が満ち溢れてきた。
ケルベロスのコボ2が現れた。
コボ2「おい!お前ら覚悟しな!」
タクミ、シレオマ、シエットはコボ2を見て恐怖して震えている。
シレオマ「こいつには勝てない。」
シレオマは懐から魔道具を出す。
シエットは呪文を唱える。
シレオマ「退却だ!」
地面に魔道具を叩きつける。
閃光が目を覆う。
閃光が収まると町からタクミ、シレオマ、シエットの姿が消えていた。
ユイの死体だけが倒れている。
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