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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第54話 【蹂躙】空を埋め尽くす絨毯爆撃と蛇王の圧倒的暴力! 露わになる帝王と檻の中の守護者カーバンクル!!

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「全軍──突撃ぃぃぃッッ!!」


 ガラード王国軍と3万のオーク主力が正面衝突したその瞬間、俺たちは手薄になったオーク軍の本隊(旧エルフ集落)へ向け、容赦のない電撃強襲を開始した。


 開戦の火蓋を切ったのは、空を埋め尽くす我が国の【航空部隊】だ。


 ドラゴンを先頭に、キラービーナイト、スライム、魔眼イビルアイ、コカトリスが美しい『方陣』を組み、3列の完璧な空対地殺戮陣形を描いて進軍する。


 対空手段も飛行戦力も皆無なオーク軍にとって、この上空からの強襲は抗いようのない天災そのものだった。


「グオオオオオオッ!!」


 巨竜たちが吐き出す灼熱と極寒のブレスが地表を焼き払い、凍てつかせる!


 キラービーナイトに乗った無数のスライムたちが、上空から【ニードルバレット】や広域攻撃魔法を雨あられと撃ち下ろす!


 空を舞うイビルアイたちの魔眼が一斉に輝き、オークたちの魔力を根こそぎ吸引して脱力させ、コカトリス群が吐き出す石化ブレスが、地上を灰色の石像の群れへと変えていく!


「ひ、ひぃぃぃっ!? 空から攻撃が降ってくるぞぉっ!」

「助けてくれぇっ! 身体が石に……ぐやぁぁぁっ!?」


 隙間すら存在しない完全なる『絨毯爆撃』。

 数分前まで威風堂々と留まっていた敵本陣2万のオークたちは、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図へと叩き落とされた。


 地上でその光景を見上げていた蛇王リザルトが、退屈そうに首を鳴らした。


「ふむ……空の連中ばかりにイイ格好をさせておくわけにはいかんの。リガントよ、儂たちも往くとしようか」


 蛇王は巨大なコカトリスの背に跨り、並走するリガント将軍へ声をかける。


 リガント将軍は力強く頷いた。

「ハッ! 行きましょうぞ! 全軍、三角陣形『鋒矢の陣』準備ッ!」


 リガント将軍が採用した戦術は、蛇王からの強い要望を受けた『鋒矢の陣による超高速中央突破』だ。


 要するに、ヒロト様がオークエンペラーの首を狩ってしまう前に敵本陣へと到達し、一言二言暴れ回ってエンペラーと剣を交えたいという、戦い好きの蛇王の我が儘である。ついでに、王国軍を追い回している別動隊3万が戻ってくる前に決着をつけたいという打算もあった。


「……では、行くぞッ!!」


 蛇王はコカトリスの背からしなやかに飛び降りると、滞空中にその巨躯を本来の姿──【バジリスク形態】へと変貌させた!


 体長3メートルを超える深緑色の鱗に覆われた龍の肉体。


 前足には蝙蝠のような巨大なドラゴンの翼。太く長い蛇の尻尾。鷲の如き鋭い鉤爪を持つ4本の脚。そして鋭い嘴を持つ鳥類の顔には、ぎらぎらと眩い黄金の眼光が宿り、首の周りには炎の如き深紅のたてがみが燃え上がっている。


 ただそこに存在するだけで、周囲の空間を圧迫する『真の王』の威厳が溢れ出していた。


「「「グオオオオオオオオオアアアアッッ!!!」」」


 蛇王バジリスクが吠えた! 凄まじい覇王の威圧プレッシャーに、地上に残ったオークたちが一瞬で精神を崩壊させ、激しい混乱に陥る。


「進撃だぁぁぁッ!!」


 蛇王を三角の頂点とし、空からの絨毯爆撃で半死半生となった敵陣の真っ只中を、魚鱗の陣を組んだ地上部隊が一挙に突き進む!


 そこへ、敵の防衛線を死守せんと『オークジェネラル』5匹が立ち塞がった。


「ぬうっ! ここから先は通さ──」


「鬱陶しい。どけえッ!」


 蛇王が鋭い眼光で一瞥にらみした瞬間、オークジェネラルの周囲にいた数百のオーク兵が一斉にカチカチと石化!


 直撃を免れたオークジェネラル5匹も、凄まじい威圧感の前に金縛りに遭ったかのように身動きが取れなくなる。


 ドガッ! パキァッ!!


 蛇王の鷲の鉤爪がオークジェネラルの頭殻を握り潰し、鋭い嘴が胸を穿って魔石と心臓を喰らい尽くす!


 立ち塞がった巨漢たちが、一瞬にしてただの肉塊へと変えられた。


「うむ! まだまだ物足りんぞ!」


 そのまま怒涛の勢いで押し破る蛇王。

 コカトリスに騎乗してその背中を追うリガント将軍と、その息子リガール。


「ひえぇ……恐ろしい。蛇王様、強すぎて引きまくりっすよ……」


「無駄口を叩くなリガール! 戦いはこれからだぞ!」


 次に向かってきたのは、高位種である『オークキング』5匹だった。

「ぬうう……ここより前へは行かせんぞぉっ!」


 無言のリガント将軍が右端のオークキングへ、リガールが左端のオークキングへ同時に躍りかかり、残る中央の3匹を蛇王が一気になぎ倒す!


 蛇王が足を止めたことで、戦場は一気に大混戦(乱戦)へと発展していった。


 本来なら数で勝るオーク軍が有利なはずだが、空からの先制絨毯爆撃で壊滅状態にされた後での地上突撃だ。俺たちの超連合軍が、一方的に敵を蹂躙・殲滅していく。


 後方から進軍していたダークエルフ女王グレイアが、目を丸くして感嘆の息を吐いた。


「すごいわね……我が国が束になっても敵わないと思っていたけれど、まさかこれほどの圧倒的な攻撃力だなんて。敵対しなくて本当に良かったわ」


 副官のグレンシー将軍も深く頷く。

「誠にその通りでございます、女王陛下……」


 ダークエルフ軍は最後尾を進み、打ち漏らした半死半生のオークたちを魔法で確実に仕留めていく。


「それにしても……ヒロトに『眷属』にしてもらったおかげで、魔力が全く減らないのよ! 使ったそばから溢れ出すように回復していくわ! 魔法が撃ち放題なんて、こんな夢みたいなことがあっていいのかしら!?」


 グレイアの頭上には、数匹のイビルアイが可憐に飛び回っていた。


 イビルアイたちが敵のオークから吸収した莫大な魔力が、俺の所有する自動分配スキルを通じて、眷属であるグレイアたちへリアルタイムで還元されているのだ。


 グレンシー将軍が羨ましそうにグレイアを見つめる。

「女王陛下、ズルすぎます! 戦いが終わって戻ったら、私も絶対にヒロト様に頼んで眷属にしていただきませんと……!」


 ---


 オーク軍本陣の最奥。豪奢な幕舎の中。


「うぬぬぬっ! 一体どうなっているのだ!? 我が軍誇る2万の精鋭が、なぜこうも一方的に蹂躙されておるのだぁぁっ!?」


 狼狽するオークキングが怒号を上げ、血まみれで報告に飛び込んできたオーク兵を力任せに殴り飛ばした。


「……フン、不甲斐ない奴らめ。儂自らが出よう」


 奥の重厚な扉を押し開き、堂々と姿を現した存在──それこそが、このガリア樹海を混乱に陥れた元凶『オークエンペラー』だった。


 だが、幕舎を出たオークエンペラーを迎えたのは、完璧な陣形を組んで待ち構える俺たち【遊撃精鋭隊】だった。


 俺の右手に宿る精霊王ハク、左手に宿る魔王レイ。


 身体に同化するスライムの スラオ、腰には漆黒の魔刀ムラマサ。


 左目には真実を見破るアイ。肩の上には30センチのミニライゾウがぷかぷかと浮いている。


 さらに俺の周囲を、火・氷・風・水の『4大高等精霊』が眩い光を放ちながら旋回していた。


 左後ろの上空には、妖精の羽を輝かせセイレーンのハピ。


 右後ろの上空には、マスター権限を握るダンジョンマスターのヒナ。


 少し離れた右側斜め前方には、無数の触手を蠢かせるスキュラ形態のコボミ。


 左側斜め前方には、妖艶なアラクネ形態のスパ。


 そして俺の目の前には、巨大なタワーシールドを構えた人化状態の吸血鬼・リザ。


 オークエンペラーは巨躯を停止させ、ギロリと極小の目を光らせた。


「……精霊たちに、セイレーン、吸血鬼、スキュラ、アラクネ、果てはエルダードラゴンだと……? この大陸の浅瀬にはおよそ存在し得ない高位魔物の群れ……。そして、それらを完璧に束ね上げるたかが一人の人間……。貴様、一体何者だ?」


 俺はムラマサの柄に手を置いたまま、肩をすくめた。


「ただのどこにでもいる人間ですよ。……それより、貴方の本当の目的は何ですか? 会話ができるなら、少し聞いておきたいのですが」


「知れたことよ!」

 オークエンペラーは醜い顔を歪めて嘲笑った。


「愚かな人間どもをこの地上から完全に排除し、我ら『魔族』の大王国を復活させるのだ! なぜ貴様ほどの者が我らの邪魔をする? あのゴブリンどもを滅ぼしたのも貴様らか!?」


 すると、肩の上のミニライゾウが念話でコソッと教えてくれた。


(まあ、太古の昔はこの大陸のいたるところに魔族が住んでいたのは事実だからね。王国と呼べるほどの統制はなかったし、人間に敗れて北の果てへ追いやられたのも事実だけど……今更な話さ)


 俺はオークエンペラーに言い放った。


「ゴブリンたちを倒したのは俺たちだよ。別に人間と戦うこと自体をいちいち邪魔するつもりはないさ。勝手にやってくれって感じだね。……だが、この『深淵の樹海』を勝手に荒らし、俺たちの平穏を脅かすってなら話は別だ。黙って指をくわえて見過ごすわけにはいかない」


「ハッ! 樹海の守護者気取りか、片腹痛いわ!」

 オークエンペラーは鼻で笑うと、背後の部下に怒号を飛ばした。


「おい! 例の『樹海の守護者』を檻ごとここへ持ってこい!」


「樹海の守護者……?」


 言われるがまま、数匹のオークが巨大な頑丈な檻を抱えて運んできた。


 俺がスキルで鑑識したところ、その檻には極めて特殊かつ強力な封印魔法が施された超高価な魔道具だった。


 そして──その檻の中に閉じ込められていたのは。


 真っ白な毛並みを持つ、手のひらサイズの可愛らしいリスのような小動物だった。


 だが、その額には……眩い光を放つ『真紅の宝石』が埋め込まれていたのだ!


(……カーバンクル!?)


 オークエンペラーは邪悪な笑みを浮かべ、檻の中の小動物を指差した。


「ガリア樹海の深部……トロルどもの集落を我が軍が滅ぼした際、この小賢しい『カーバンクル』を捕獲したのだよ!」

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