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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第432話 【覚醒の乱戦!】圧倒的威光の蚩尤に挑む至高の精鋭!圧倒的な神威のぶつかり合いと反撃の旋律!

 眼前に現れた蚩尤(しゆう)の神速の領域に対し、思考の追いつかない一瞬が生まれた。


 次の瞬間、蚩尤(しゆう)の握る巨兵・(げき)の石突きが、空間を断ち切るほどの猛烈な打撃となって俺の腹部を打ち払っていた。


 ドカァアンッ!!


「ぐぬッ……!?」


 全身を纏う漆黒の鎧——亜神バアルゼブルのスラオが咄嗟に魔力の多重防壁を展開して衝撃を殺しにかかるが、神の放つ力はあまりにも絶大だった。防御の上から打撃が貫通し、俺の身体は弾丸のような勢いで空中で弾き飛ばされた。


 視界が激しく旋回する中、俺の身体が一直線に叩きつけられそうになったのは、神獣『竜生九子りゅうせいきゅうし』の一体である黄色い頭の牛頭龍・囚牛(しゅうぎゅう)と壮絶な死闘を繰り広げていた堕天使サリエルのデステル伯爵の頭上だった。


「ッ……陛下!?」


 デステル伯爵は即座に察知すると、背中の漆黒の翼を広げ、暗黒の魔力を周囲に爆発的に展開させた。空間に生み出された多重の闇のクッションが、猛烈な勢いで落ちてくる俺の身体をやさしく受け止める。


「陛下、ご無事ですか!?」


 デステル伯爵が冷や汗を浮かべながら問いかけてくる。俺は即座に体勢を整えて立ち上がり、背中を叩いた。


「助かった、デステル。ありがとう、大丈夫だ!」


 目の前では、巨大な竜神囚牛(しゅうぎゅう)が不気味な琴と笛を奏で、怪しい音色を戦場に響かせていた。どうやらその音楽の権能によって、後方で響く鳳凰ハピの『七色の詩』の支援効果を相殺しようと試みているようだった。


 しかし、その目論みは全く上手くいっていない!


 デステル伯爵が放つ濃密な暗黒の幕が囚牛(しゅうぎゅう)の周囲を取り囲んで音波を完全に遮断し、消音していたからだ。ハピの強化旋律は、一切阻害されることなく俺たちの身体を満たし続けている。


 その時、俺を吹き飛ばした蚩尤(しゆう)が、追撃を加えて息の根を止めんと音もなく急接近してきた。


「逃がさんぞ、人間!」


 その必殺の一撃が俺に届く直前、後方から溢れんばかりの極大魔力を纏った影が割り込んだ。


「陛下の御身に触れさせはせん!」


 大悪魔アスタロトだ! アスタロトは蚩尤(しゆう)が振り下ろした長大な神兵・(ぼう)の刃を、あろうことか左手で力任せに直に掴んで強引に止めると、そのまま至近距離から強烈な魔力回し蹴りを蚩尤(しゆう)の脇腹へ叩き込んだ。


 ズドォンッ!!


「ぬぅッ! 小賢しい悪魔め!」


 蚩尤(しゆう)は素早くもう一本の腕に握られた()を掲げ、アスタロトの蹴りを間一髪で防御する。衝撃波が重層的に周囲を穿つ。


 そこへ、聖なる光を纏った麒麟のコボミが死角から神速で跳躍した。


「ハァッ!!」


 コボミはしなやかな肉体をひねり、神聖なる爪で蚩尤(しゆう)の胸元を鋭く抉ろうと一閃を放つ。


 だが、蚩尤(しゆう)の戦闘勘は常軌を逸していた。さらに別の腕に携えた長大なる酋矛(しゅうぼう)でコボミの爪をギギギと不気味な金属音を立てて受け止めると、瞬時に六本目の腕に握られた夷矛(いぼう)を掲げ、コボミの頭上から容赦なく振り下ろした!


「しまっ——!?」


 回避の利かない空中での絶体絶命の危機。そこへ、絶対の盾が滑り込んだ。


「させません!」


 霊亀のリザだ! リザは巨大な絶対防御の盾を掲げ、コボミと蚩尤(しゆう)の急局の隙間へ強引に割り込んだ。


 ガンッッ!!


 神兵夷矛(いぼう)とリザの大盾が激突し、火花が激しく散り散りになる。リザは持ち前の技巧で衝撃を受け流そうと試みたが、蚩尤(しゆう)の放つ神威と腕力は凄まじく、完全には受け流しきれない。


 衝撃の余波で盾ごと弾き飛ばされたリザは、そのまま後方で暴れていた竜生九子りゅうせいきゅうしの一体、豺狼の姿をした凶暴な殺戮龍・睚眦(がいさい)の巨躯へと激しくぶつかった。


 突如として降ってきた巨大な衝撃に、睚眦(がいさい)が「グオッ!?」と体勢を崩す。


 睚眦(がいさい)と単身で渡り合っていた悪魔ベリトのヴァンス伯爵が、苦笑いを浮かべながらリザへ声をかけた。


「ハハハ! 絶妙な救援をありがとう、リザ殿! だが……この程度のトカゲ相手なら、手助けは必要ないぞ!」


 ヴァンス伯爵は黒炎を足元に爆発させ、体勢を崩した睚眦(がいさい)の顎下へ強烈な昇竜蹴りを叩き込み、遥か彼方へと蹴り飛ばした。


 リザは姿勢を立て直すと、ヴァンス伯爵に向かって丁寧に頭を下げる。


「出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありません、ヴァンス様!」


 リザはすぐさま戦場全体を素早く見渡し、無事な俺の姿を視界に捉えると、大盾を構え直して俺の元へ一直線に飛んできた。


「ヒロト陛下! お側におりながら、蚩尤(しゆう)の一撃を防ぎきれず大変申し訳ございません……!」


「気にするな、リザ! 相手は古の魔神だ、一筋縄ではいかないのは分かっている。さあ、立て直して行くぞ!」


「はいっ!」


 俺とリザは、アスタロトと激しい攻防を繰り広げている蚩尤(しゆう)の戦域へと再び即座に跳躍した。


 飛翔しながら、俺は戦場全体で繰り広げられている激闘の数々へ視線を走らせる。


 後方で響き続ける鳳凰ハピの『七色の詩』によって、俺たち陣営の戦意は極限まで高まり、全ステータスが飛躍的に底上げされていた。さらに、歌に付随するHPとMPの持続的自動回復の恩恵により、たとえ浅い擦り傷や打撃を受けても瞬く間に再生し、消費の激しい極大魔法や大技も一切の制限なく放ち放題となっている。


 戦況の天秤は、確実に俺たち樹海帝国へと傾きつつあった!


 視界の先では、神々と我が高位眷属たちが凄まじい一騎打ちを展開している。


 雷光と激風を巻き散らし、風伯と壮絶な嵐の打ち合いを繰り広げる雷神トールのライゾウ。


 黒き圧縮空間を放ち、濁流を操る雨師を徐々に追い詰める悪魔ビフロンスのデルガ侯爵。


 両腕の大蛇を薙ぎ払う巨人夸父(こほ)に対し、炎の魔剣で真っ向から押し込む悪魔ボティのリザルド元帥。


 (のみ)木槌きづちから放たれる神雷を、至高の居合斬りで切り捨てて肉迫する悪魔キマリスのオニバル将軍。


 鏡の光線を屈折させ、灼熱の熱量で電母(レイジー)を圧倒する日照り神『ばつ』のハーミアと、聖剣を掲げて果敢にアシストする勇者タクミ。


 雲を操り縦横無尽に飛来する雲使い(ユン・トン)の頭上から、槍を構えて肉弾戦で叩き落とす悪魔エリゴスのグレンシー将軍。


 そして、神話の眷属たる凶悪な神獣『竜生九子りゅうせいきゅうし』たちの前線もまた、圧倒的な個の力で押しまくっていた!


 音楽を奏でる黄龍・囚牛(しゅうぎゅう)の音波を闇で完全に封殺し、大鎌で追い詰める堕天使サリエルのデステル伯爵。


 豺狼の龍・睚眦(がいさい)の凶暴な爪撃を余裕で受け流し、黒炎で焼き尽くす悪魔ベリトのヴァンス伯爵。


 高所から襲い来る鳥の龍・嘲風(ちょうふう)に対し、空中で激しい火炎戦を繰り広げるエルダーリッチの勇者ユイと不死鳥フェニックス。


 地を揺るがす太い四つ足の龍・蒲牢(ほろう)の咆哮に対し、召喚魔術の陣で圧殺する悪魔パイモンのアンナ。


 狂暴な炎を撒き散らす獅子の龍・狻猊(さんげい)を、挟撃のコンビネーションで圧倒する悪魔サブナックのライゴー副将軍と悪魔ヴィネのライカ。


 湿地を這う両生類の龍・蚣蝮(はか)の酸を、冷気と漆黒の魔力で凍らせる悪魔アモンのコボ1。


 厳めしい虎の龍・狴犴(へいかん)の猛攻を、巧みな剣技で完封してみせる悪魔ナベリウスのコボ2。


 鉄壁の甲羅を誇る巨亀の龍・贔屓(ひき)の頭上から、超重量の鉄槌を叩き込む悪魔モラクスのオガ1。


 そして、水と火を吹き散らす(しゃちほこ)の龍・螭吻(ちふん)を、四位一体の鮮やかな連携で追いつめるヴァルキリーのスクルド、ヒルド、スコグル、フリストの四姉妹。


 敵の主力たる『竜生九子りゅうせいきゅうし』も神々も、もはや俺たちの精鋭の前では時間を稼ぐのが精一杯の状態だった。


「残るは……お前だけだ、蚩尤(しゆう)!!」


 敵の全軍を切り崩した俺たちは、アスタロトとリザ、コボミとともに、戦場の中央に君臨する最大の巨悪・魔神蚩尤(しゆう)を取り囲むように一斉に着地した!

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