第42話 電撃各個撃破と最凶キングの超再生力!スラオとの連携奥義でガリア樹海の支配者を完全討伐せよ!!
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進軍の手を一切緩めることなく、俺は膝元にいるアサシンスパイダーのスパへと問いかけた。
「スパ、Gー17に向かっている敵2,000の動きはどうなっている?」
「伏兵としての役割を担っているため、敵の進軍速度は遅いです。まだまだGー17への到着には時間がかかりますね」
「よし、なら途中で奇襲をかける! 今どの辺りを進軍しているか、全員の脳内地図に念話で位置情報を共有してくれ!」
直後、スパから全軍へ精細な敵の位置データが送信された。俺はすかさず全軍へ攻撃命令を飛ばす。
(全軍へ命令! 今表示したポイントに敵の伏兵部隊がいる! Gー17に入る前に奇襲を仕掛けるぞ! 足の速いコボルトや機動力のある飛行部隊は敵の横腹から一気に突っ込め! 指揮はコボ1! その他正面からの本隊突撃はリガント、頼んだぞ! 進撃開始──ッ!!)
間髪入れず、後方で控えるヒナが莫大なDPを行使する。
(ヒロト、敵軍の現在地一帯のダンジョン化、完了したよーっ!)
「「「オオオオオオオッ!!」」」
足の速いコボルト部隊、上空から急降下するステュムパリデス部隊、風魔法を撒き散らすハーピー部隊、巨大な鎌を突き立てるキラーマンティス部隊、そして『キラービーナイト』へと全員進化を遂げた最狂のキラービー部隊が、敵の側面から怒涛の勢いで襲いかかった!
「グギャッ!?」「アギャーッ!?」
予期せぬ横腹からの大奇襲を受け、ゴブリン2,000の部隊は指揮系統が崩壊して一瞬で総崩れに陥る!
そこへ、正面からリガント率いる蛇王の湿原部隊、オーク、スライム、リザード、ダークエルフ、蜘蛛、その他の混成部隊が津波のように雪崩れ込んだ!
無双の暴力が容赦なく敵を磨り潰していく。
(敵の死体は片っ端からダンジョンに吸収させろ! この勢いのまま、西のGー12へ向かっている敵2,000にも突撃するぞ!!)
生き残ったわずかなゴブリンどもは、這う描くの体で逃げ出したが、我が軍の追撃から逃れられるはずもない。脳内では凄まじい勢いでレベルアップのファンファーレが鳴り響き始めた。
その勢いを維持したまま、俺たちは西のGー12へ向かうもう一方の敵2,000の部隊にもまったく同じ手順で怒涛の奇襲を仕掛けた。
東西の伏兵はどちらも反撃の機会すら与えられずに完全壊滅。レベルアップのシステムメッセージが瀑布のように流れ続け、溜まっていくDPの数字も桁違いの爆発を起こしていた。
(よし! 敗走した敵の残党が本隊と合流して情報を渡す前に、このまま敵本隊の3,000へなだれ込むぞ! ハク、コボミ、捕らわれた人々の救出を頼んだぞ!)
(任せてヒロト!)(任せてくださいませ、ヒロト様!)
俺たちは休むことなく、ゴブリンキングが鎮座する北の本拠地集落へと到達した。
伏兵が一切いないことを確認すると、ヒナが即座に集落全体をダンジョン化領域へと書き換える。
「全軍、攻撃開始ッ!!」
上空からはライゾウやリザ、ハーピーや精霊たちが激しい魔法攻撃を叩き込み、地上からはダークエルフやヴォジャノーイたちの遠距離魔法が降り注ぐ!
突然の大奇襲に、敵ゴブリン本隊からも散発的な魔法の反撃が上がるが、魔法を使える個体が少ない上に空からの奇襲で完全に混乱しており、まったく統率が取れていない。
「突撃ぃぃぃッ!!」
リガントの雄叫びとともに、1万2千の大軍勢が集落へと雪崩れ込んでいった!
同時に、ハクとコボミ率いる救出特別部隊が隠密で集落の地下監禁場所へ侵入。小蜘蛛からの事前情報で位置は完全に把握していたため、捕らわれていた女性や魔物たちを1人の犠牲もなくスムーズに救出して『救護部屋』へ転送していった。
一方、俺たちは小蜘蛛からの情報でゴブリンキングの居場所を特定していた。
「あそこか……!」
俺たちは空から急降下し、建物の前で威圧感を放つゴブリンキングの背後へと舞い降りた。
敵の親玉へ向け、同行していた仲間たちが一斉に先制の最大火力攻撃を叩き込む!
リザの灼熱のドラゴンブレス!
ライゾウの極大雷撃!
シルフの鋭利なウインドカッター!
サラマンダーの熾烈なフレイムランス!
ドゴォォォォンッ!!
激しい爆発と煙が巻き起こる。だが──煙が晴れると、ゴブリンキングは微動だにせず静かに振り返った。
全身の肌には焦げた痕や切創があるものの、決定的なダメージには至っていない。凄まじいタフネスだ。
巨躯を誇るゴブリンキングが、不気味な重低音で口を開く。
「……貴様が、我の精鋭軍団に損害を与えた小汚い虫ケラどもの親玉か」
俺は無言で黒刀『ムラマサ』の柄に手をかけ、鋭い視線で対峙した。
「身の程を知れッ!」
ゴブリンキングが身の丈を超える巨大な大剣を振りかざし、凄まじい踏み込みとともに上段から叩き下ろしてきた!
「フッ……!」
俺は最小限の身のこなしで右へ回避! 同時に一閃──居合いの極意で『ムラマサ』を抜刀し、ゴブリンキングの手首を下から斜めに切り上げた!
ズバッ!という手応えとともに、ゴブリンキングの右手首が切れ、大剣が地面へ落下する。
だが次の瞬間──!
「ヌオォォッ!」
ゴブリンキングは怯むことなく、丸太のような右足を繰り出し、俺の腹を力任せに蹴り上げた!
ガギィィンッ!
「ぐおっ!?」
革の鎧の胸当てが激しくへこみ、俺の身体は弾丸のように後方へ吹っ飛ばされて地面を転がった。
だが、俺はすぐさま跳ね起きた。
「ふぅ……間一髪だな」
鎧の下で俺の全身を覆って守ってくれているスラオのスキル【物理耐性】と【衝撃吸収】のおかげで、ダメージは大幅に軽減されていた。痛みもそれほど感じない。
前方に目をやると、ゴブリンキングが落ちた大剣を再び拾い上げていた。
……なんと、切り飛ばしかけた手首の骨と肉が、異常な超再生能力によって一瞬で元通りに繋がっていたのだ!
(なるほど……頑丈な骨までは完全に切断できなかったか。擦り傷程度なら瞬時に塞がる超再生持ちか。なら、部位欠損の再生スピードはどうだ?)
ゴブリンキングが大剣を八双に構え、再び踏み込んで横一文字に豪快に払ってきた!
俺はバックステップで間合いを外す。そして大剣を振り抜いた瞬間の僅かな隙を逃さず、肉薄して握り拳の指を数本まとめてス斬り落とした!
「グアッ!?」
握力を失い、再び大剣が地面に転がる。指の断面から肉が盛り上がり、再生しようとしているのが見える。
(スラオ、身体の一部を細長く伸ばして『ムラマサ』の刃に沿わせてくれ。奴の目に刀を突き刺すから、頭の中で『フレイムボム』を爆発させてくれ!)
(了解だよ、ヒロト様!)
俺は中段に構え、ゴブリンキングと真っ向から対峙した。
指を急速再生させたゴブリンキングが、大剣を諦めて丸太のような右腕をぶん回して殴りかかってくる!
「そこだッ!」
俺はタイミングを完全に合わせ、突き出された右拳をかいくぐると、目にも留まらぬ踏み込みで『ムラマサ』をゴブリンキングの左目へ深々と突き刺した!
グスッ……!!
刃が脳深くまで達した瞬間、ムラマサの刀身を伝って侵入したスラオの一部が、頭蓋の内部で極小の火球を生成する。
(スラオ、やれッ!)
『フレイムボム!!』
ドゴォォォォンッ!!
ゴブリンキングの頭部内部で凄まじい爆発音が炸裂!
耳、目、そして口から猛烈な黒煙と炎が吹き出し、ゴブリンキングは白目を剥いてドスンと地面に崩れ落ちた。
駆け寄ってきたリザが尋ねる。
「ヒロト様……倒したのですか?」
「いや……頭の中で爆破されて脳が破壊されたから動けないだけだ。まだレベルアップのメッセージが流れてこないから生きている。多分、この超再生力だとこのまま放置すれば脳が治復元して動き出すぞ」
俺は地面のゴブリンキングを見下ろし、冷徹に命じた。
「スラオ、口から体内に侵入して、奥にある『魔石』と『心臓』を直接千切り摂ってきてくれ」
「任せて!」
スラオが液状化してゴブリンキングの口から体内へと潜り込んでいった。
数十秒後──。
【告:ガリア樹海の支配者『ゴブリンキング』の討伐を確認】
【莫大な経験値を獲得しました】
【眷属たちのレベルアップおよび進化が開始されます】
脳内で瀑布のようなアナウンスが流れ出した。
無事仕事を終えたスラオが口からスルリと出てくると、ゴブリンキングの巨体を自身の【影収納】の中へと保管した。
そこへ、全身を黒のフルプレートアーマーで包んだゴブ1が焦った様子で走り寄ってきた。
「主様! ゴブリンキングが死んだことで、生き残っている敵ゴブリンたちの眷属化・洗脳状態が解除されました! それで……」
俺は微笑んで頷いた。
「分かっているよゴブ1。生き残ったゴブリンたちは、全員ゴブ1の眷属にしてやってくれ」
「っ……! 有難うございます、主様!!」
ゴブ1は歓喜し、生き残って怯えているゴブリンたちのもとへ駆け寄ると、次々と自身の【眷属化】を施し始めた。
俺は全軍へ向けて勝利の念話を飛ばす。
(みんな、よくやってくれた! 戦いはこれで終わりだ! 生き残ったゴブリンはゴブ1の眷属とする。もし抵抗する者がいたら殺さずに拘束だけしてくれ!)
ふと、ゴブ1のステータスを【鑑定】してみる。
【個体名:ゴブ1】
【種族:ゴブリンキング(変異種)】
(よし、ゴブ1がめでたく新たな『ゴブリンキング』へ進化しているな。これなら配下の統率もまったく問題ないはずだ)
周囲を見渡せば、今回の決戦を乗り越えたリガント、レイ、ハク、リザ、ライゾウ、スパ、そして各部隊長たちが、次々と神々しい進化の光に包まれていた。
「さて……みんながどんな姿に進化するのか、今から楽しみだな!」
俺は黒刀『ムラマサ』を鞘へと納め、大勝利に湧き上がる戦場を見渡して満足げに微笑むのだった。
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