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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第417話 【いざ過酷なる南進!】魑魅魍魎の百鬼夜行を極秘突破!豪華すぎる精衛パーティと最新情報で挑む電撃進撃戦!

 俺たちはスラオの転移権能によって、南の小国群中央部に位置する前線拠点へと一瞬で移動した。


 涼やかな風が吹き抜ける広場には、すでに出撃の準備を整えた精鋭たちが待ち受けていた。


 紫電の魔気を心地よさそうに身に纏うのは、精霊代表にして雷神トールへと至ったライゾウ。その背後には、神聖なる白い翼を優雅に羽ばたかせるヴァルキリーのスクルドと、ヒルド、スコグル、フリストをはじめとする戦乙女たちがずらりと居並んでいる。


 さらにそこへ、小国群西部から駆けつけてきた勇者ハーミアと勇者タクミの二人が合流した。


「ヒロト様、遅くなりました! 準備は万全です!」


「へへっ、どんな化け物が出てこようと、僕たちの新しい力を見せてやりますよ!」


 気迫を漲らせる二人に対し、俺は満足そうに頷いた。


 今回の目的は明確だ。南の王国の最南端、狂乱のエネルギーが渦巻く龍脈の核が存在すると思われる絶対不可侵領域への強行突破。


 そこには、かつて幾多の悲劇を引き起こした蚩尤をはじめ、夸父、雷公、電母、風伯といった古代の怪物どもが潜んでいるはずだ。


 俺は腰の剣の柄に手を置き、集まった猛者たちを見渡して力強く声を張り上げた。


「さあ、決着をつけに行くぞ!」


「「「おーっ!!」」」


 地鳴りのような歓声が上がり、俺たちは南の小国群中央部から、暗雲垂れこめる南の王国領域へと足を踏み入れた。


 南の王国の北部一帯にかけては、事前に悪魔バエル・スパの配下である無数の小蜘蛛たちが忍び込んでおり、広域にわたる詳細な地形と敵の配置情報は完璧に把握できている。


 俺たちはスパから送られてくるリアルタイムの索敵マップを頼りに、できる限り敵の濃密な集団と衝突しない「最短かつ安全なルート」を選択して進軍を開始した。


 なにしろ、足元から地表へ無数に溢れ出している魑魅魍魎の群れと真面目に一頭ずつ戦っていては、どれだけ時間とスタミナがあっても足りない。進軍のスピードが著しく鈍ってしまうからだ。


 だが、本当の勝負どころは、スパの小蜘蛛たちの監視網すら届かない南の王国の中央部からさらに南の未開域だ。


 薄暗い森の中を疾走していると、頭の中にスパからの緊張した念話が直接飛び込んできた。


『陛下、スパでございます。この先、前方にかなりの規模の魑魅魍魎の群れが蠢いております。速やかに右方へ進路を逸れることを推奨いたします』


『了解だ、感謝する!』


 俺は即座に手を挙げ、後ろに続く一行へ鋭い指示を出した。


「全員、右へ逸れるぞ! 気配を極限まで消せ!」


 俺たちは素早く右手の鬱蒼とした木陰へと身を躍らせ、息を殺して潜んだ。


 静まり返った木々の隙間からそっと左側の街道を覗き見ると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。角を生やした巨大な鬼、異形の怪鳥、百足のような多足の化け物どもが、まるで地獄の「百鬼夜行」さながらにゾロゾロと気味の悪い唸り声を上げながら行進していたのだ。


 ぞっとするような邪悪なプレッシャーが通り過ぎるのをじっと待ち、一行は再び慎重に進軍を再開した。


 それからしばらく森を駆け抜け、廃墟と化した一筋の町へと辿り着いた。人っ子一人いない静寂が漂う中、再びスパからの念話が脳裏に響く。


『陛下、その町の中には現在のところ敵の反応はございません。安全な休息拠点として利用可能です』


「ふぅ……よし、今日はここで一泊するとしよう」


 俺がそう提案すると、隣を歩いていたエルダーリッチの勇者ユイが、不思議そうに首をかしげて尋ねてきた。


「ねえヒロト、どうして一度樹海帝国城に転移で帰らないの? あっちの方がふかふかのベッドもあるし、快適じゃない?」


「うーん、一度転移で城に帰ってしまうと、明日またここへ転移で戻ってきた時に、タイミング悪く敵の巨大な群れと鉢合わせしてしまうリスクがあるからな。拠点を確保したまま夜を明かした方が安全なんだよ」


 俺の懸念を聞いた悪魔パイモンのアンナが、甲冑を鳴らして誇らしき笑みを浮かべて一歩前へ出た。


「陛下、それでしたら私にお任せください! 私の率いるキラーアント部隊をこの町の周囲にびっしりと展開し、完璧な警戒網を敷いておきます。皆さんはどうぞ樹海帝国城へお戻りになり、温かいお風呂に入ってぐっすりと睡眠をお取りください。明日朝、万全の状態で再びお越しいただければ幸いです」


「おおっ、そうか! アンナのキラーアントなら夜間の潜伏警戒は十八番だもんな。じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな?」


「はい! お任せくださいませ!」


 アンナが力強く胸を叩くと、ユイがパーッと表情を輝かせて歓声を上げた。


「わーい! アンナ、ありがとー! 助かるー!」


「タクミ、ハーミア、スクルドたちも遠慮せずに一緒に城においでよ。今日の夕飯は城の豪華な食堂でみんなで食べよう」


 俺が声をかけると、勇者タクミの目が一瞬で輝き、口元からヨダレが垂れそうになった。


「やったー! 憧れの樹海帝国城食堂の夕食! ジュルッ……! あの絶品料理がまた食べられるなんて夢みたいだ!」


「はぁ……もう、タクミったら汚いですわよ。でも……本当にあの素晴らしい夕飯がいただけるのですね。感謝いたします、ヒロト様!」


 ハーミアも頬をほんのりと赤らめ、感極まったように胸の前で手を組んだ。


 ◇


 翌朝——。


 しっかりと睡眠を取り、エネルギーを十二分に充填した俺たちは、出撃準備を完璧に整えて樹海帝国城の大ホールへと集合した。


 俺はまず、現地で一晩中守りについてくれていたアンナへ念話を送る。


『アンナ、そっちの状況はどうだ? 異状はないか?』


『陛下! 全く問題ございません。敵の接近もなく、いつでもお迎えできる状態です。お待ちしております』


『よし、上出来だ! 全員、出撃するぞ!』


 俺の合図とともに転移魔法が発動し、視界が一瞬で切り替わる。


 昨日足を踏み入れた廃墟の町の広場へと降り立つと、そこには息を呑むような光景が広がっていた。広場を埋め尽くす無数のキラーアントたちが、整然と隊列を組み、俺たちに対して一斉に頭を下げて跪いていたのだ。


 その中央で佇んでいたアンナが、優雅に礼を執った。


「お待ちしておりました、ヒロト陛下」


「見事な警戒体制だったよ、ご苦労様。それじゃあ、ここからさらに南へ進もう!」


「はい!」


 アンナは即座に無数のキラーアントたちを送還させると、俊敏な動作で俺たちの隊列へと加わった。


 進軍の先頭に立つのは、鋭い五感で気配を察知するダークハイエルフの女王グレイア。

 続いて、全身から圧倒的な雷威を放つ雷神トールのライゾウ。


 その後ろに、樹海帝国皇帝である俺——ヒロト。

 俺の横には、肩に火の鳥フェンを羽ばたかせたエルダーリッチの勇者ユイが並ぶ。


 後ろを固めるのは、さらなる成長を遂げた勇者ハーミアと勇者タクミの二人。

 さらにその後方には、神聖なる輝きを纏うヴァルキリーのスクルド、ヒルド、スコグル、フリスト。


 そして最後尾を、あらゆる後方奇襲を警戒する悪魔パイモンのアンナがしっかりと固める。


「全員、気合を入れていこう! このメンバーなら、どんな化け物どもが相手だろうと絶対に負けない!」


 俺の力強い言葉に全員が熱く頷き、俺たちは極悪なる魔界へと変貌した南の王国の深部へ向かって、圧倒的な破竹の勢いで突き進んでいくのだった。

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