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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第412話 【驚愕のダンジョン×龍脈無制限物流術!】世界樹の絶大魔力と神級ネットワークで難民救済の超戦略が始動!

 樹海帝国城の洗練されたリビングに、重々しい沈黙と深い思索の空気が漂っていた。


 南の王国から押し寄せる膨大な難民の波。故郷を奪われ、命からがら逃げてくる罪の無い民たちを無情に拒絶するのは忍びないし、追い散らすように攻撃するなど言語同断、論外である。


 かといって、底なしに膨れ上がる難民の群れを、なんの計画もなく無制限に受け入れられるほど世界は甘くはない。食料、住居、衛生環境、防犯……どれ一つをとっても一歩間違えれば、帝国全体を巻き込む壊滅的な大混乱を引き起こしかねないのだ。


 だが、そこへ一筋の光明をもたらしたのが、アマゾネス国の女王ヒポリュテが実践した「ダンジョンを活用した難民受け入れ策」であった。


 難民に居住空間と食料を与えつつ、彼らが滞在することで生じる感情や魔力をダンジョンポイント——DPへと還元し、そのDPで更なる物資を生成する。実に理にかなった、極めて画期的な解決策だ。


 ただし……これとて、これから爆発的に増え続けるであろう難民に対して、一体いつまで持ちこたえられるかは未知数と言わざるを得ない。


「今後の受け入れ体制を本気で構築せねばな……」


 俺は腕を組み、集まった信頼できる面々を見渡した。


 この場に集っているのは、我が樹海帝国が誇る天才ダンジョンマスターたちだ。


 まずは異世界転移者であり、吸血鬼真祖のダンジョンマスターとして絶大な力量を持つ、俺の妻の一人であるヒナ。


 同じく異世界転移者であり、圧倒的な魔導の知識を誇る深淵の魔女のダンジョンマスター、妻のサクラ。


 そして、南の王国の地下深くに眠っていた迷宮『千尋の洞窟』で眷属となり、いまや帝国の重要な物流・ダンジョン管理を担うダンジョンマスター・魔神パズズのバズである。


 妻たちは概ねこのリビングに勢揃いしているため、新たに呼び寄せたのはバズ一人だけであった。


 俺はまず、現場の最前線を管理しているバズへ問いかけた。


「バズ、ヒポリュテが進めている難民受け入れの現在の稼働状況はどうなっている?」


 バズは威厳ある翼を静かに折りたたみ、恭しく頭を下げた。


「はっ、陛下。今のところはヒポリュテ殿の見事な指揮のもと、極めて順調に機能しております。難民たちの暴動もなく、最低限の生活ラインは完璧に維持されております」


「そうか。だが、南の王国全土から逃げてくる難民は日々増加しているようだ。今後の長期的見通しはどうだ?」


 バズは険しい表情を浮かべ、深く首を振った。


「……正直に申し上げますと、このままのペースで難民が増え続ければ、遠からずダンジョンの許容量を超えて『飽和』いたします。空間の拡張はできても、供給できる物資とDPの回収効率の限界が必ず訪れます」


「やはりそうなるか……。ダンジョン単体の機能だけに頼るのには限界があるよなぁ。やはり帝国本体としても、大掛かりなバックアップラインを敷かねば厳しいか」


 俺が呟くと、愛猫のミサキを膝に乗せたサクラが、美しい紫の髪を揺らしながら指摘を入れた。


「でもヒロト、小国群と我が帝国の中心部の間には、広大な灼熱の砂漠が横たわっているでしょう? 根本的に『物資の輸送』という大きな壁があるのよね」


 ヒナもぽっこりと膨らんだお腹を優しく撫でながら、困ったように首を傾げる。


「そうねー。普通に陸路の馬車や歩兵で食料を運ぶとなると、何週間も時間がかかっちゃうし、一度に運べる量も限られちゃうもんねー。樹海帝国の巨大な食料庫と言えば、広大な超絶農地を誇るガラード地域だけど、あそこから小国群まではあまりにも遠すぎるよー。飛竜便を使って空から輸送する手もあるけど……現状、飛竜便自体が帝国全土の物流で手一杯で、完全に不足気味だからねー」


 何十万、何百万という胃袋を満たすための食料を、遠く離れたガラード地域から砂漠を越えて即座に届ける……。通常の方法では物理的に不可能な難題だ。


 しかし、俺の頭の中にひとつのアイデアが閃いた。


「ねぇ……ダンジョンマスター特有のスキルである『迷宮転移』を使って、空間を直接繋いで物資を運んだらどうだい?」


 その提案に、サクラは眉をひそめて指先をアゴに当て、思案の表情を浮かべた。


「うーん……細い管みたいな迷宮の通路を地下深くで長距離伸ばして、ガラード地域と小国群のダンジョンを直接繋いで『迷宮転移』で物資を滑り込ませる……理論的には有りと言えば有りだけど。問題は、その凄まじい距離と莫大な質量の物質を転移させるための『DP』が持てるかどうかね。距離が伸びて量が大きくなるほど、消費されるDPは桁違いに増跳ね上がるわ」


 すると、ヒナがどこか他人事のように「あ」と声を上げた。


「私の迷宮なら、世界中の魔力を集める『世界樹』が根を張ってるから、DPなんて実質無制限で全く問題無さそうだけどねー」


「ははは、世界樹レベルの規格外な代物が大陸中あちこちにあれば苦労はないんだけどね……ん? 待てよ……」


 俺はふと、前回の戦いで得た重要なキーワードを思い出した。


「……なぁ、サクラ、ヒナ。『龍脈』ってやつをダンジョンの中に組み込んだら、世界樹ほどとは言わなくとも、莫大なDPを自動で取得できるんじゃないか?」


 その言葉を聞いた瞬間、サクラの瞳がハッと大きく見開かれた。


「なるほど……! それは思いつかなかったわ! 龍脈は世界の大地に巡る膨大な魔力の源泉……それをダンジョンのエネルギー源として直接核に結びつければ、莫大なDPを生み出す無限の永久機関になり得るかもしれないわ! ヒナ、あなたはどう思う? ヒナの迷宮って確か、ウィーラの迷宮と、シルミル地域にある召喚の間の龍脈も領域に入っているでしょう?」


 ヒナはぽりぽりと頬を掻きながら、可愛らしく苦笑いを浮かべた。


「う〜ん、私のところは世界樹の出力が凄すぎて、どれが龍脈の分でどれが世界樹の分だか全然分かんないんだよねー」


 俺はパンと手を叩き、サクラに向かって笑いかけた。


「なら、試してみるのが一番早い! 今、サクラのダンジョンコアはどこにも縛られていなくてフリーの状態だろう? 四霊獣結界で封印したばかりの『竜王山の龍脈』に、サクラの迷宮を新たに重ねて作ってみたらどうだ? 龍脈がダンジョンに与える影響がすぐに分かるんじゃないか?」


 サクラの顔に、研究者特有の不敵で魅力的な笑みが浮かんだ。


「なるほど! それなら数分で展開できるわ。面白いじゃない、やってみましょう!」


「良し! なら、さっそく現地へ転移して試してみよう」


 俺は影の領域に潜んでいた影の主・スラオを呼び出し、大悪魔ベルゼブブたる彼の『影転移』の権能を発動させた。


 一瞬にして視界が黒い影に包まれ、次の瞬間には冷涼で神聖な気が満ちる『竜王山の龍脈』の封印前に立ち開いていた。


 そこには、封印の守護として巨躯を横たえていた竜王ドラシルが鎮座していた。


 俺たちが影から突然現れたことに驚きつつも、ドラシルは巨体を揺らして深々と頭を下げた。


「へ、陛下ッ!? お疲れ様でございます! このような場所に、一体どのようなご用件で……?」


「よう、ドラシル! 戦闘の後で悪いな。ちょっとサクラのダンジョン実験のために、この龍脈の力を借りるよ」


「ははっ! 陛下のご意志のままに! どうぞ、ご自由にお使いくださいませ!」


 ドラシルは巨躯を滑らかに滑らせ、龍脈へと続く洞門の脇へ恭しく退いた。


 封印の周囲には、四霊獣結界を現在進行形で維持している、皇后である応龍のハク、麒麟のコボミ、鳳凰のハピ、霊亀のリザのそれぞれの分身体が静かに宙に浮いていた。


 俺はハクの分身へ向けて穏やかに声をかける。


「ハク、実験のために結界の中へ入るよ」


 ハクの分身は気高く、そして愛おしそうに目を細めて頷いた。


「どうぞ、愛しき夫よ。結界の波動を一時的に弱めますわ」


 ハクの言葉とともに光の結界が柔らかく揺らぎ、通り道が開かれた。


 俺とサクラは、膨大なエネルギーが煌めく竜王山の龍脈の核心部へと、期待に胸を躍らせながら一歩を踏み出すのだった。

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