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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第408話 【魔狼アモンの漆黒軍勢と公爵ムルムル光臨!】空を埋める黒き羽ばたきと数十万の死霊大軍勢が魑魅魍魎を呑み込む!

 コボ4の真横に着地したコボ1の姿もまた、かつてのコボルトの領域を遥かに超越していた。


 ヒロトによって与えられた絶大な魔力と幾多の死線を越えた経験により、コボ1は悪魔アモンへと超進化を遂げていたのだ。


 悪魔アモン。

 鋭い牙を覗かせる漆黒の狼の面容を持つコボルトの躯に、背からは一対二枚の巨大な黒翼が堂々と広がり、そしてその腰からは意思を持つ凶暴な巨大な蛇の尻尾が不気味に蠢いていた。


「先ずは……圧倒的な数の差を埋めるとしよう」


 コボ1が黒翼を力強く羽ばたかせ、天高く掲げた爪から極大の召喚魔法陣を天空と地表に幾重にも展開した。


「出よ、我らが誇り高き同胞たちよッ!」


 召喚されたのは、コボルト国の国民の中でも並外れた戦闘力を誇る精鋭戦士のすべてであった。


 その全身には、ヒロトから与えられた漆黒のアダマンタイト製フルプレートアーマーが隙間なく装着されている。


 彼らはヒロトが異世界に降り立って初期の頃に眷属とし、共に幾多の戦場を駆け抜けてきた最古参の猛者たちだ。主の期待に応えるため、彼らは『狩りの迷宮』にて血の滲むような地道な鍛錬とレベルアップを苛酷なまでに重ねてきたのだ。


 その血と汗の結実として、召喚されたコボルト達のほとんどが凄まじい威圧感を放つコボルトジェネラル、そして一軍を率いるコボルトキングへと覚醒進化を果たしていた。


「ウオォォォォォッ!! ヒロト陛下に勝利をッ!!」


 重装甲の凄腕コボルト戦士たちが我先にと大地へ雪崩れ込み、地表を埋め尽くしていた魑魅魍魎たちを怒涛の勢いで蹂躙し始めていく。


 圧倒的な個の武力と統率された連携の前に、妖怪どもの群れが次々と砕け散っていく。


 その壮観なる光景を見上げながら、コボ4は黒翼をはためかせて驚愕の声を上げた。


「兄貴ッ! こんなにたくさんの精鋭を参戦させちまって、国の方の防衛は大丈夫なのかい!?」


 コボ1は不敵にニヤリと鋭い牙を覗かせ、胸を張って豪快に笑った。


「はははっ! 今戦わないでいつ戦うというのだッ! 国の仲間たちも、ずっと地道にレベルを上げてこの時のために腕を磨いてきたんだ。ここで陛下の役に立ち、最高の成果を見せてやらねば男がすたるというものよ!」


 叫ぶや否や、コボ1は空中から猛スピードで滑空を開始すると、群がる魑魅魍魎の渦へ向けて大きく口を開いた。


「ハァァァァァッ!!」


 ゴオォォォォォォッ!!


 コボ1の口から解き放たれたのは、真紅と漆黒が混ざり合う悪魔の極炎ブレスであった!


 竜の放つブレスすら遥かに凌駕する超高温の悪魔の炎は、触れた瞬間に数百匹の魑魅魍魎を一瞬で灰すら残さず焼き尽くし、地表に灼熱の焦土を生み出していった。


 ◇


 大自然の西部領域——


 そこでは、グリフォン族の長であるリグルが率いるグリフォンとヒッポグリフの空戦軍団が進軍していた。


 彼らは上空からの圧倒的な高度アドバンテージを生かし、地表の魑魅魍魎たちへ向けて鋭い爪と嵐の刃を雨あられと浴びせていた。


 敵の中には空を飛ぶ飛行型の魑魅も少数交ざっていたが、空の王者たるリグルが先陣を切って真っ先に狩り尽くし、制空権を完璧に支配していた。


 空からの地上掃討は味方のリスクが極めて少なく、非常に優勢に戦いを進められる戦略だ。


 だが——問題はその撃破効率を遥かに上回る、龍脈からの異常な湧出スピードであった。倒しても倒しても、地底から湧き出る魑魅魍魎の数は膨らみ続ける一方だったのだ。


「チッ……こりゃダメだ! 倒すスピードを劇的に上げなきゃ、空から見ている間に地上を埋め尽くされちまうぞ!」


 自らの無力さに苛立ったリグルは、爪を固く握りしめ、全身の限界を突破して覚醒の叫びを上げた。


 ドガァァァンッ!!


 聖なる光と悪魔の邪気が交錯する暴風の中、リグルは悪魔ムルムルへと超進化を果たした!


 悪魔ムルムル。

 本来は座天使の階級を持つ堕天使であり、グリフォンとしての気高き頭部と翼はそのままに、全身を白銀と漆黒が交差する絢爛たる重鎧で包み、その頭上には威厳に満ちた公爵冠が燦然と輝いている。その手に握られているのは、邪気を帯びた神聖なる聖槍だ。


「ハァァァッ!!」


 悪魔ムルムルとなったリグルが空中から聖槍を豪快に振り下ろすと、半月状の邪気の刃が真空を切り裂いて地表へ着弾! 一瞬で数百の妖怪が爆殺された。


 そこへ、重厚な地鳴りとともに一人の豪傑が戦場へ躍り出た。


 黒いアダマンタイトのフルプレートアーマーを全身に纏い、激戦を経てリザードマンエンペラーへと進化したリガリアだ!


 リガリアもまた、樹海帝国の初期の戦いから父親であるリガント将軍に率いられ、数々の生死を潜り抜けてきた歴戦の猛者であった。


「助けに来たぜ、リグル殿ッ!」


 リガリアは唸りを上げる巨大な魔槍を振るい、前方に群がる魑魅魍魎たちを次々と突き倒し、薙ぎ払っていく。


 リグルは空から聖槍を構え直し、頼もしい援軍に声を張った。


「おうッ! 助かるぜリガリア! だが……これでもまだ数が圧倒的に足りねえッ!」


 リガリアの凄まじい奮闘をもってしても、地表を覆う黒い津波を押し返すには到底及ばなかった。


 まさにその時——


 二人の頭上の空間が重重しく歪み、底知れぬ凄絶な邪気を纏った悪魔ビフロンス——デルガ侯爵が悠然と姿を現した。


「ククク……待たせたな、若者たちよ」


「デ、デルガ公爵ッ!? 救援感謝いたします!」


 リガリアが膝を折って拝礼すると、デルガは戦場を覆い尽くす膨大な妖怪の群れを見下ろし、冷徹に薄笑いを浮かべた。


「ほう……ここの戦場は随分と魑魅魍魎が勢力を増しているな。ククク、実に素晴らしい『素材』の山だ。どれ、私に任せるが良い」


 デルガの両手から、空を覆い尽くすほどの禍々しい漆黒の邪気が溢れ出し、戦場全体を黒濁の霧で染め上げていく。


「解き放たれよ……我が死霊の大軍勢よッ!!」


 ズズズズズズズズズッ!!


 地表に描かれた極大の死霊魔法陣から、地鳴りのような響きと共に、全身を黒魔力で強化された数十万のスケルトン大軍勢が一斉に地上へと召喚された!


 白骨の軍勢は津波となって押し寄せ、驚愕する魑魅魍魎たちを怒涛の勢いで飲み込んでいった。


 ◇


 一方その頃——大自然の南部領域からも、熱い肉弾戦の咆哮が轟いていた。


 ミノタウロス族の長であるミロイド率いる、頑強なるミノタウロス軍団が進軍していたのだ。


 彼らもまた、ヒロトから与えられた樹海帝国特製の漆黒のフルプレートアーマーを身に纏い、圧倒的な怪力と肉体美で地表を押し潰すように進撃していた。


 その手に握られているのは、巨大な柄を持つ両刃の魔斧ラブリュス。


「ウオォォォォォッ!! 我が一族の剛力を見よッ!!」


 ミロイドが両刃斧を豪快に一閃させると、空間を切り裂く衝撃波とともに、数匹の魑魅魍魎が胴体から真っ二つに両断され、血飛沫を上げて吹き飛んでいく。


 しかし——この南部戦線においても、倒しても倒しても底なしに湧き出る妖怪の圧倒的な数の前には、純粋な武力だけでは押し返しきれず、戦況は凄惨な過熱状態へと突入していくのだった。

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