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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第384話 【覚醒勇者の蹂躙と聖光の暴走!】全消滅の聖剣エクスカリバー!アンデッド大群崩壊と元聖騎士シレオマの参戦!

 キィィィンッ!


 甲高い金属音が戦場に響き渡り、スクルドが渾身の力で繰り出した長槍の突撃は、ハーミアの振るう聖剣によって軽々と横合いへ打ち払われた。その腕力と反応速度は、以前の彼女とは比べものにならないほど跳ね上がっている。


「……随分と腕を上げたようだな、ハーミア」


 スクルドは槍を握り直し、警戒感を露わにしながら低く呟いた。


 ハーミアは冷徹な眼光をスクルドに向け、聖剣を中段に構えたまま静かに言い放つ。


「当然だ。力の無い正義など、ただの無力な絵空事に過ぎない。悪を滅ぼすためには、絶対的な力が必要なのだ」


「ならば、この一撃を受けてみよ! ——『雷槍』ッ!」


 スクルドは全身から青白い雷撃を溢れさせ、その全てを長槍の刃先へと収束させた。そして、極大の雷光を纏った一撃を、ハーミアの胸元目掛けて一直線に突き刺す!


 もしハーミアがこの攻撃を回避すれば、その背後にいる敵将オダーンへ直撃する必殺の位置取りだ。


 だが、ハーミアは微動だにしなかった。回避する素振りを一切見せず、光り輝く聖剣の腹で正面からその雷槍を受け止めたのだ!


 バヂヂヂヂッ!!


 凄まじい雷光と衝撃波が周囲を吹き飛ばす。ハーミアは聖剣に宿る神聖な力で激しい雷撃を力任せに弾き返すと、そのまま豪快に剣を天へと振り上げた。


「唸れ、聖剣エクスカリバー! ——『絶対切断』ッ!!」


 凛とした叫びと共に、光り輝く刀身が垂直に振り下ろされる!


 一瞬の胸騒ぎを覚えたスクルドが咄嗟に真横へ跳躍して回避すると、彼女が直前までいた空間の延長線上に位置していた樹海帝国軍のアンデッドたちが、突如として左右真二つに切断された。肉体も、鎧も、持っていた武器すらも、まるで紙切れのようにあっさりと断ち切られたのだ。


「スクルド! よく目を開けて見ろ。グール、ゾンビ、マミー……このような醜悪なアンデッドの群れが、正義であるはずがないだろうッ!」


「……っ!」


 反論の隙を与えず、ハーミアは間髪入れずに聖剣を真横へと薙ぎ払った。


 スクルドは咄嗟に大空へ跳躍して攻撃を回避する。だが、その足元に群がっていた無数のアンデッドたちが、今度は上半身と下半身に真二つに切断され、血飛沫を上げる暇もなく地表へ崩れ落ちていった。


 そこへ、首無しの魔馬に跨がった重装騎士デュラハンが、凄まじい風切り音を立ててハーミアの背後から迫る。巨大な大剣が彼女の首元を刈り取ろうと振り下ろされた。


 しかし、ハーミアの聖剣が眩い光を放つ。


 彼女は振り返ることもなく、間合いの外から逆袈裟斬り一閃!


 間合を無視した光の刃が空間を走り、巨躯を誇るデュラハンとその跨がっていた首無し馬の双方が、斜めに深く斬り裂かれて一瞬で灰へと変わった。


「ハーッ!!」


 ハーミアは大地を強く蹴り上げ、空高くと跳躍した。上空で円を描いて旋回する聖剣に、膨大な聖光のエネルギーが収束していく。


「消し飛びなさい! ——『ホーリーアルテマボム』っ!!!」


 上空から迫り来ようとしていたアンデッドの軍勢の真っ只中へ向け、ハーミアは閃光と化した聖剣を地表へ深く突き刺した!


 ドゴォォォォォォンッ!!!!!


 ドーム状に膨れ上がった幾重もの神聖な光の波が、爆発的に破裂する。


 天地を揺るがす凄まじい轟音と共に、光の球体が収束していく。その中心には、大地に聖剣を突き刺して立つハーミア一人が存在していた。周囲のアンデッド軍団は、一頭の残らず跡形もなく吹き飛んでいたのだ。


 そこには深く巨大なクレーターが穿たれており、その中心でハーミアは白銀の鎧を煌めかせ、勝ち誇ったように胸を張った。


「見たか……これが、正義の力だッ!」


 その圧倒的な破壊力を見下ろしながら、俺は思わず苦笑いを浮かべた。


(いやいや……自分の味方であるオダーン軍の兵士たちも盛大に巻き込んで消し飛ばしているんだが、本人は全く気づいてないのかね?)


 空中で体勢を整えたスクルドも、呆れと怒りが混ざり合ったような声を上げる。


「ハーミア! 正義を口にする貴様、自分の後ろにいたオダーン軍の兵士たちまで消し飛ばしたぞ!?」


「……大事の前の小事だ」


「何だと……!? 勇者がそのような無慈悲な真似をしていいはずがないだろう!」


「いいのだ! 恐ろしい魔王を倒すためならば、どんな犠牲もやむを得ないのだからッ!」


 ハーミアは冷たく吐き捨てると、背中から神聖な光の羽を生やし、滑らかに大空へと浮遊・飛翔した。


「な……と、飛べるというのか!?」


 驚愕するスクルドに対し、ハーミアは不敵な笑みを浮かべて見下ろす。


「勿論だ。覚醒した勇者に死角など存在しない!」


 勇者ハーミアという規格外の存在が現れたことで、一時は完全に壊滅寸前だったオダーン軍本陣の周辺戦場は、一気に押し返されてしまった。


 スクルドの突撃を支援するためにオダーン軍を後退させ、じわじわと包囲網を詰めていたアンデッド軍勢だったが、ハーミア一人の圧倒的な聖光の暴力によって完全に粉砕されてしまったのだ。


 すると、俺の脳内に死霊軍団の大将であるクログルから焦燥の混じった念話が飛び込んできた。


(ヒロト陛下! 駄目です、覚醒した勇者の聖なる力には、アンデッドでは相性が悪すぎます! このままではアンデッドが何万人いようと一方的に消滅させられるだけです!)


(クログル、ハーミアはやはり『覚醒』しているのか?)


(間違いなく覚醒しております! 奴の解き放つ聖光は死霊にとって致命的です……! アンデッド部隊は一度撤退させてもよろしいでしょうか? オダーン軍本体自体は既に虫の息ですので、戦況に問題はないかと!)


(了解した、撤退を許可する。ご苦労だったな、クログル)


 アンデッドを引かせた俺は、次なる手を打つべく能力を発動させた。


 召喚したのは、元シルミル教国の元聖騎士であり、現在は樹海帝国のシルミル地域を納める領主シレオマだ。


 空間から現れたシレオマに対し、俺は空中を優雅に飛翔するハーミアを指差しながら語りかけた。


「シレオマ、敵陣に覚醒した勇者が出現した。あそこにいる女だ。念話の映像で見えるか?」


 シレオマは鋭い眼光を空中のハーミアへと向け、静かに自身の聖気で相手の波長を探ると、重々しく頷いた。


「……見えます、ヒロト陛下。間違いありません、あの放つ圧倒的な波動……確かに覚醒しておりますね」

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