第36話 コボルトの集落を救出&豪快ダンジョン化!一万のゴブリン大軍勢を破るため、全種族大同盟を結成せよ!!
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深淵の樹海で順調に狩りとレベリングを行っていたその時──俺の脳内に、切迫した念話が飛び込んできた!
『ヒロト様! コボ4です! 私たちが以前住んでいた故郷の集落が、突如現れたゴブリンの群れに急襲されました! 生き残った仲間たちが命からがら逃走しています! どうか……殿として戦い、同胞たちを逃がす許可をくださいッ!』
俺は即座に返答を叩き込む。
(もちろん許可する! だがお前一人で死なせるわけがないだろ! 俺もすぐに現場に向かう! 逃げた仲間たちは【拠点】へ誘導しろ! コボルト隊全員、ただちに現場へ急行だ! ヒナ、出迎えの準備をお願いできるか!?)
『了解〜! 特製スープと回復薬を用意して待ってるわ!』
「リザ! 俺たちを乗せて飛んでくれ!」
「お任せください、ヒロト様!」
リザは一瞬で黄金の巨躯を誇る最大サイズのドラゴン形態へと姿を変えた。俺やハク、スラオを背に乗せると、爆風とともに大空へ躍り出る。追従するように、雷光を纏ったライゾウも巨大化して並走した。
超スピードで現場の上空へ到着すると、眼下ではコボ4がたった一人でゴブリンの大群と死闘を繰り広げていた。
ゴブリンの数はざっと100匹以上。悲鳴を上げながら逃げる幼いコボルトたちを追い詰めている。
コボ4は精巧な弓で遠距離から頭部を射抜き、迫り来る敵をショートソードの一閃で切り捨てていたが、さすがに数が多すぎて手が回り切っていない。
(コボ4、よく耐えた! これより戦闘に参加する!)
『ヒロト様……! 感謝いたしますッ!』
「みんな、一気に蹴散らすぞ!」
空中でリザが咆哮を上げ、超高熱の炎ブレスを全開で放射! ゴブリンの半数が一瞬で灰燼と化した。間髪入れずにライゾウが天空から極大の雷撃を落とし、地面ごと敵を焼き払う!
俺はリザの背から一直線に飛び降り、着地と同時に黒刀『ムラマサ』を抜刀。鋭い居合いの一閃で、前方のゴブリン十数匹をまとめて一刀両断にした。
「ふふっ、ハク様もお手伝いしちゃうぞ~!」
ハクは下半身を巨大な大蛇へと変化させたラミア形態になり、しなやかで圧倒的な質量のしっぽを振り回して残りの敵を力任せに叩き潰していく。さらに俺の胸元から飛び出したスラオが【氷魔法】を発動。広範囲の冷気が波状攻撃となって襲いかかり、横と後ろから迫っていたゴブリンたちを一瞬で極氷の氷像へと変えた。
「ヒロト様に仇なす愚者どもめッ!」
覚醒したコボ4も凄まじい剣技で怒涛の蹂躙を開始。やがて駆けつけたコボルト隊もなだれ込み、殲滅速度はさらに加速──ほんの数十秒で100匹のゴブリン勢力は跡形もなく消滅したのだった。
逃げ延びたコボルトの群れも、無事に拠点へと誘導されたようだ。
残砲が漂う中、コボ4が深々と頭を下げる。
「ヒロト様、本当にありがとうございました……!」
「気にするな、無事でよかったよ。……それより、襲撃されたコボルトの集落の方が心配だな。見に行ってみよう」
俺たちは襲撃されたコボルトの集落へと向かった。
そこにあったのは、家々が木端微塵に破壊され、奪い尽くされた残虐な痕跡だった。荒れ果てた惨状に、胸が痛む。
ハクがポツリとつぶやいた。
「……これが拠点やダンジョンだったら、一瞬で元通りに復旧できるのにねぇ」
その言葉に、俺の脳裏で電撃が走った。
「ハク、それ最高すぎるアイデアだよ!」
「え……? 私、何か言った?」
「ここを丸ごとダンジョンにしちゃおう!」
◇
俺たちはすぐさま【拠点】へと戻った。
逃げてきたコボルトの避難民たちは、無事に到着していた。
拠点広場ではヒナたちが手際よく特大の鍋で温かい炊き出しを用意しており、怯えてお腹を空かせたコボルトたちに出来立ての料理が次々と配給されている。
怪我を負った者には高濃度のポーションが惜しみなく配られ、みるみるうちに傷が癒えていく。
ヒナが笑顔で避難民たちに声をかけていた。
「みんな、安心してゆっくり休んでねー! お腹いっぱいになったら、自慢のポーション温泉に入ってもいいからねー!」
手厚すぎるもてなしに、コボルトたちは涙を流して感謝していた。
俺はヒナの元へと歩み寄る。
「ヒナ、拠点からこのコボルトの集落までダンジョンの通路をぐーんと伸ばして、集落全体をダンジョンに取り込んじゃいたいんだ」
ヒナは目を輝かせた。
「ふふっ、相変わらず豪快で面白いこと考えるね! 今のウチはDPが莫大に余ってるから余裕でできちゃうよ!」
すぐさまヒナのダンジョンスキルが発動。地中を通るダンジョン通路が集落まで一気に開通し、崩壊していた集落はダンジョンの領域として一瞬で新築以上の美麗な姿へと完全復旧したのだった!
その後、コボ4が集落の守備隊長として現地へ赴くことになった。
ひと段落したところへ、逃げてきたコボルトのリーダーが意を決した面持ちで俺のもとへやってきた。
「ヒロト様……! 実は、ゴブリンどもに連れ去られてしまった幼い女の子たちがいるのです……! どうか、助け出していただけないでしょうか……!?」
「すぐに『助ける』と軽はずみな即答はできない。だが、俺だって絶対に助け出したい。まずは相手の情報を集めて、確実な作戦を立てよう」
俺は念話を開いた。
(スパ、ゴブリンの本拠地まで小蜘蛛たちの潜入は進んでいるか?)
『はい、ヒロト様。まだ本拠地の深部までは到達しておりませんが、外郭から確認できた範囲だけでも……ゴブリンの総数は優に1万匹を超えております』
「い、1万匹!?」
思わず大声で叫んでしまった。
コボルトのリーダーが顔を蒼白にする。
「……っ!?」
「……ゴブリンの本隊は、1万匹以上の大軍勢らしい」
「っ……!そんな……!」
絶望のあまり、コボルトのリーダーは言葉を失い絶絶句してしまった。
だが、俺の心に逃げる選択肢はなかった。
「──全員、集合だ!!」
俺の呼びかけに、リザ、ハク、スパ、スラオ、ヒナ、アリアたちを含めた全戦闘メンバーが広場へ集結した。
「俺たちは……囚われたコボルトの幼子たちを救い出すため、ゴブリンの群れ1万匹を相手に全面戦争を仕掛ける!」
「「「!!!!」」」
「絶対に一人残らず救出する!」
「「「おおおおおっ!!!」」」
「しかし、今の俺たちの戦力だけで無策に挑むのは危険すぎる。だからこそ──これより、全勢力を挙げた大規模な戦力増強を行う!」
俺は即座に各メンバーへ指示を出した。
「コボ1は、樹海各地のコボルトの集落を回って共闘を説得してくれ。応じてくれた集落はダンジョン化して防衛を固め、希望者は眷属化して大幅なスペックアップを図る!」
「オク1はオークの集落を回って同様に交渉を!」
「コボ2と大工のおっさんは、小人の集落へ向かって共闘を依頼してくれ。コボ5とダークエルフも同様にダークエルフの集落へ。……小人とダークエルフの戦闘力にはそこまで期待してないが、協力してくれるなら心強い」
「スパはフォレストスパイダーの眷属を限界まで増やすんだ!」
「カマ1も新スキル【同族眷属化】を覚えたから、キラーマンティスの眷属を集めてくれ。個体数は少なそうだが強力な戦力になる。ステュムパリデスのステ1〜ステ5、キラービークイーンのビーも同族眷属化で配下を爆増させてくれ!」
「そしてスラオ、リザ、アイの3人! お前たちも同族眷属化で、できる限り配下を増やしてほしい! 底辺モンスターは数が多いはずだから、ここが一番の大所帯になる予定だ!」
「俺自身も、樹海を巡ってフリーの強力な魔物を片っ端から手なずけて眷属を増やす!」
最後に、俺は隣に立つハクに向き直った。
「ハクは……湿原に行って、お父さんである『蛇王』様に戦力支援を依頼してきてほしい。ここが今回の作戦の最大の切り札だ。ぜひ力を借りたい」
ハクは一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
「いいよ〜! でもねヒロト、一緒に行ってくれないと嫌だぞ?」
「分かった、一緒に行こう!」
さあ、決戦の時は近い。
どこまで強力な大軍勢を買い揃えることができるか──目指すは、ゴブリン軍を圧倒する「1万の大軍団」だ!
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