第35話 ハク姫の驚愕の正体!異種族職人たちの本格覚醒と至高のダンジョン温泉スローライフ開幕!!
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【拠点】へと転移し、アリアたちやアキート商会の人々を無事に避難させて一息ついたその時──突如として、見知らぬ美女が輝く笑みを浮かべて俺の胸へと飛び込んできた!
「ヒロト様ぁぁぁっ! お帰りなさいませっ!」
「うおっと!?」
柔らかくも引き締まった体にぎゅっと抱きしめられる。
眩い金髪に澄み渡るブルーの瞳、ツンと通った高い鼻筋に切れ長の美しい目元。身長は180センチほどあり、小顔でモデルのようなスタイル抜群の美女だ。だが、その肌の奥にはしなやかで圧倒的な筋肉の躍動を感じる。
「……リ、リザかい!? ドラゴンから進化したら、人化までできるようになったんだね! 言葉もすごく流暢になっていてびっくりしたよ!」
「はいっ! ヒロト様のおかげで進化できました! 次はどこへ行く時も、絶対に私を連れて行ってくださいね!」
「勿論だよ。大切な俺の仲間なんだからさ。ごめんね、人化できるって分かってたら、街へ連れていってあげるんだったよ」
俺が優しく頭を撫でてやると、リザはうっとりと瞳を細めて「えへへ……♡」と頬を赤らめた。
「さて……ハクさんや。そろそろ『姫』の件について、詳しく教えてもらおうか?」
俺が視線を向けると、ハクは人化した姿で「たいした話じゃないんだけどね~」といたずらっぽく微笑みながら語り始めた。
「樹海の西側に大きな湿原がある話は、前に話したでしょ? あそこは『蛇王の湿原』と呼ばれていてね、私のお父様である『蛇王』が治めているの。私はその蛇王の第5王女……つまり、本物の姫ってわけ!」
「マジで本当にお姫様だったのか……!」
「湿原の広さは樹海全体の5分の1くらいかな。樹海が異常に広すぎるから小さく思えるけど、領地としてはかなりの規模らしいわ。お父様が極度の過保護で、『外は危険だからダメ!』って全然出してもらえなかったの。でも、頑張ってレベル30まで上げて、ようやく念願の外出許可をもらったのよ。お父様の影響が届かないところで、一人の冒険者として過ごしたくてね」
ハクは俺の顔を覗き込み、愛おしそうに目を細めた。
「旅に出てすぐ、運命的にヒロトを見つけたの。か弱そうで、すごく危なっかしくて『私が助けてあげなきゃ!』って思っていたのに……あっという間に私より強くなっちゃうんだもの。驚いたわ」
「いやいや、ハクの方が断然強いでしょ。俺はみんなの力を借りてるだけだよ。……でも、そうか。本当に姫様だったんだね」
波乱に満ちた長い一日が終わり、その夜は遅かったこともあって、みんなで早めの就寝となった。
◇
そして──翌朝。
新しく加わった10人の元奴隷メンバーたちにも適性に応じた仕事を割り振り、拠点のさらなる充実と発展を目指すことにした。
ヒナに元奴隷たちの状況確認と今後の指示をお願いすると、さっそく完璧な人員配置が完了していた。
まず、幼い獣人の子供2人は、ヒナの『モフモフ要員』に即時任命された。まだ幼子なので仕事は免除。ヒナに存分に甘やかされながら、元気に遊ぶのが彼らの大切なお仕事だ。
10代と60代のドワーフ2人は、ヒナのダンジョンスキルで作ってもらった最新鋭の鍛冶施設とツールを駆使し、仲間の武器や防具の整備・調整を開始。さらに、これまで倒してきたゴブリン、盗賊、悪質な冒険者たちから奪った大量の武具や魔物素材を渡し、解体・改造・新規武具の作成を任せた。
20代のドワーフは無類の酒好きだったため、自家製の「酒造り」を熱望。ヒナが醸造設備を作り、アキートさんが材料を調達することで最高品質の酒造りがスタートした。
(ちなみに彼らドワーフは、樹海北にそびえる古龍山脈の東側鉱山集落の出身で、エルフとは犬猿の仲らしい)
小人の料理おばさん(親しみを込めて料理おばさんと呼ぶことにした)には、拠点全体の調理長を任せた。ヒナと協力して日本のメニュー開発にも挑戦。味噌や醤油などの調味料は最初こそダンジョンポイント(DP)で交換するが、ゆくゆくは自前で醸造する予定だ。アキート商会の使用人たちを手伝いにつけたが、おばさんの作る料理はまさに絶品! 『料理』スキルは伊達じゃない。
小人の裁縫おばさんは、討伐品として溜まっていた服の洗濯・修理・改造を担当。さらにスパの生み出す「土蜘蛛の糸」や「小蜘蛛の糸」を紡ぎ、絹のように頑丈で美しい最高級の生地と服を作り出している。
小人の大工のおっさんは、みんなの部屋の増築や、快適なオーダーメイド家具の作成・修繕で大忙しだ。
(小人たちは樹海北西部の集落出身で、その近くには妖精の集落もあるらしい)
セクシーなダークエルフの美女は、採取した各種素材を調合し、高濃度ポーションや魔道具の作成を開始した。彼女の出身は樹海西の集落で、精霊契約は行わず、闇魔法に特化した一族だという。
傭兵団の仲間たち、リザードマン、そして既存の戦闘眷属たちは、レベル上げと狩り、希少素材の採取、アキート商会の護衛を分担。
コボミは【闇魔法:影収納】を駆使し、狩りの最中に生け捕りにした魔物を地下2階の広大なエリアへ放逐。『魔物の全自動養殖プラント』を着々と構築中だ。
スパは新スキル【同族眷属化】を獲得したことで、樹海の蜘蛛系魔物を次々と眷属化。新加入のフォレストスパイダーたちはコボルトたちの狩りに同行して急速にレベリングを行い、同時に数千匹の小蜘蛛たちを樹海全域へ解き放って無敵の情報網を広げている。
そしてアキートさんと商会の使用人たちは、危険なガリアの街を避け、ガル村、ゴル村、グル村、さらには隣国へと伸びるルートで密かに商業活動を継続することになった。
拠点内で生産される余剰の魔石、魔物素材、極上武具、酒、料理、服、高級家具、ポーション、さらにはキラービーの特製蜂蜜まで販売するため、ガリアの街で素材が品薄になっている煽りを受け、商品は飛ぶように売れて大繁盛している。
「ふぅ……ダンジョンの獲得DPも毎日激しい黒字だし、生活環境が凄まじい勢いで向上していくな!」
人がさらに増えたら、次は広大な地下農園や牧場経営もやってみたいところだ。
そして一日の終わり──俺がヒナのスキルで作った『ダンジョン大浴場(温泉)』は、いまや全員の憩いの場となっていた。
「はぁぁぁ……最高の極楽だねぁ……」
効能抜群の湯に浸かり、日々の疲れが一気に吹き飛んでいく。
毎日温泉に入っている眷属や獣人たちは、毛並みが驚くほどツヤツヤになり、野良の魔物とは比べものにならないほどサラサラ&モフモフの極上スキンケア状態だ。
俺たちも昼間は全力で狩りとレベリング、素材採取に励み──夜は仲間たちと極上の料理と温泉を堪能する。
仲間が増え、拠点が一つの「最強の王国」として完成しつつあるのを実感しながら、俺はあたたかい湯気に包まれて満ち足りた吐息を漏らすのだった──!
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