↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

340/433

第340話 【絶望の騎士姫と神の威圧!】見破られた隠蔽魔法! 恩を仇で返す愚者へ放たれる漆黒の殺意!

 暗闇の中で立ち尽くす少女——聖騎士ラブリルは、間違いなく隠蔽魔法で姿を消しているはずの俺の正面を、まっすぐに見つめていた。


(……なんだろう? 一体どうして俺の場所が分かったんだ? 気になるな……)


 このまま無視して立ち去ることもできた。しかし、俺たちの隠蔽魔法の欠陥を見逃したままにしておくのは今後の行動においてリスクが高すぎる。俺は意を決し、隠蔽魔法を解除して姿を現した。


「……俺がいる場所が、見えたのか?」


 俺の登場に続いて、後ろに控えていたユイ、ウィーラ、グレイア、アンナ、キュウたちも一斉に隠蔽魔法を解除し、薄暗い洞窟の中にその圧倒的な存在感を露わにした。


 迷宮都市ラビリスが誇る大迷宮『千尋の洞窟』地下8階。


 領主の娘である聖騎士ラブリルと騎士たちを、冒険者クラン『紅蓮の刃』の卑劣な騙し討ちから救った直後のことだ。


 俺たちの施している隠蔽魔法は、俺の知識と魔力によって極限までカスタマイズされた至高の逸品だ。


 姿を消す光学迷彩はもちろん、足音や呼吸音を消す完全消音、体臭や血液の匂いまで遮断する消臭、さらには全身から漏れ出る魔力や気配すら極限までゼロにする。


 絶対に感知できるはずがないのだ。

 それなのに、ラブリル姫は正確に俺の立つ位置を見据え、「待ってくれ」と声をかけてきた。


 今後の探索のためにも、この隠蔽魔法が破られた理由だけははっきりと明確にしておきたかった。


 俺たちの姿が突如として空間から滑らかに実体化した光景に、ラブリル姫は一瞬息を呑んだものの、気丈に胸を張り、眩い金髪を揺らして美しく頭を下げた。


「……私は迷宮都市ラビリスの領主ラバガルの娘、ラブリルと申します。死の淵にあった私どもを危ないところで助けていただき、誠にありがとうございます。……差し支えなければ、命の恩人であられる皆様のお名前をお聞かせいただけないでしょうか? 貴方様方は……冒険者の方々なのですか?」


「俺たちはただの旅人でね、俺の名前はヒロトだ。……礼よりも、まずは一つ教えてほしい。俺たちが姿を消してそこにいたことを、なぜ察知できたんだ?」


 俺が問い返すと、ラブリル姫は自身の青い瞳を瞬かせ、少し不思議そうに自らの胸に手を当てた。


「旅人……? 旅人の方々がなぜこのような深層ダンジョンに……? いえ、失礼いたしました。私たちが皆様の気配を察知できた理由ですが……私には生まれつき『直感』というユニークスキルが備わっているのです。そのスキルの導きにより、言葉では説明しがたいのですが……『そこに誰かがいて、自分たちを救ってくれた』という感覚が、なんとなく脳裏に浮かび上がってきたのです」


「『直感』……なるほどね。スキルによる知覚か。納得がいったよ。ちなみに俺たちがここにいる理由については、お話しすることはできないな」


 ……スキルによる補正は完全に無警戒だったな。

『直感』か。となれば『第六感』や『危機察知』のような概念的なスキルを持つ者には、隠蔽魔法が薄く察知される可能性があるということだ。魔法が完璧ではないという認識を改め、対策を講じる良い経験になった。


 俺が一人で納得していると、後ろで静観していた魔法騎士の一人が不意に乱暴な足取りで前に踏み出し、ラブリル姫と俺の間に割り込んできた。


「おい、何だその態度は! 領主の娘であられる姫様がお尋ねになっているのだぞ! 理由を答えぬとは何様だ、不躾な冒険者どもめが!」


 甲高い声を張り上げ、高圧的に指をさしてくる騎士。


(……はあ? なんだこいつ)


 命を助けてもらった直後にその口の利き方は何なんだ。俺は一瞬で苛立ちが頂点に達した。


 なぜ見知らぬ他人に、俺たちの事情をすべて一から十まで説明しなきゃならないんだ。


 あんたらこそ、命を拾っておいて一体何様のつもりなんだよ。


 俺は言葉を返す代わりに、氷のように冷ややかに目を細め、その騎士へ向けてほんのわずかな『殺気』を解き放った。


 ズシッ……!!


「ひっ……!?」


 頭上に巨大な鉄塊でも落とされたかのような重圧を受け、魔法騎士は顔面を蒼白にして数歩あとずさった。


 だが、プライドが邪魔をしたのか、震える手で腰の剣を抜き放ち、前刃を俺へ向けて睨みつけてきた。


「無礼者め……ッ!」


 その瞬間、俺の仲間たちの空気が一変した。


 アンナが腰の漆黒の短剣を無音で抜き放ち、即座に騎士の頸脈へ刃を突きつけられる間合いへと滑り込む。


 ユイとウィーラが携えた大杖の先端に、一撃でこの階層ごと消し飛ばすほどの極大破壊魔法の魔力を充填し始めた。


 グレイアの足元からはドス黒い闇が蠢き、キュウは九本の尾を優雅に広げながら、殺意に満ちた妖しき眼光で騎士を睨みつける。


「冒険者でもないただの旅人が、領主様の許可もなくこの危険なダンジョンに滞在していること自体があり得んのだ! 不法侵入の犯罪者か!? 領主の発行した通行許可証か、冒険者ギルドの身分証を提示しろ! 無ければ不法侵入の容疑で即刻捕縛するぞ!」


 騎士は引くに引けなくなったのか、剣を構えたまま大声を張り上げて威嚇してきた。


「そんな許可証なんて、持っているわけないだろ」


「ならば動くな! 貴様らを今すぐ捕縛する!」


「断る」


 俺が冷たく即答した瞬間——


 ドォムッ……!!!!


 俺の後方に控えていたダークハイエルフの女王グレイアから、狂乱するほどの過酷で禍々しい絶望の魔力が爆発的に放出された!


 空間そのものが激しく歪み、洞窟の岩壁にメリメリと亀裂が入っていく。


「くっ……!? あ、あがぁぁぁっ!?」


 あまりにも圧倒的な神域の圧力に耐えきれず、威勢の良かった騎士たちは吐血し、両膝を強く石畳につかされて平伏の姿勢を強制された。


 ラブリル姫だけは気丈に立とうと必死に歯を食いしばっているものの、その華奢な全身は恐怖と圧力によって激しくガタガタと震えている。


 グレイアは漆黒の瞳に冷酷な暗黒の光を宿し、地獄の底から響くような美しい声で吐き捨てた。


「身の程を知れ、矮小な人間どもが……! お前たちこそ何様のつもりだ? せっかく我が主上が慈悲を下し、命を救って差し上げたというのに、感謝の礼ひとつ言えずに刃を向けるか……? 言動に気をつけるがいい。今この瞬間、この場にいる者全員を跡形もなく塵へと変えても良いのだぞ?」


 一瞬で全滅の危機に直面し、血の気を引かせた騎士たちが青ざめる。


「グレイア、まあ待て。そこまでだ」


 俺は静かに手をかざし、グレイアの暴走を制した。


「は……! 畏まりました、主上」


 俺の言葉一言で、グレイアは一瞬にして過酷な魔力の放出をピタリと収めた。


 ふっと圧力が消え去り、騎士たちは激しく床に突っ伏して荒い息を吐いた。


 ラブリル姫は乱れた息を整えると、必死の様相で騎士を押し退け、俺たちと騎士たちの間に自らの身を投げ出すようにして割り込んできた。


「やめなさいっ!! せっかく九死に一生を得て救っていただいたというのに、愚かな傲慢さでここで敵対し、私たちが全滅したいというのですか!?」


「ひ、姫様……しかし……ッ!」


「黙りなさい! これ以上の無礼は私が許しません! 今すぐ剣を納めなさい!」


 ラブリル姫の凛とした一喝を受け、騎士は悔しそうに歯を噛み締めながら、渋々といった様子で剣を鞘へと納めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。