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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第332話 【消された刺客と漆黒の浸透!】大迷宮『千尋の洞窟』潜入! 完璧なる隠蔽と牙を研ぐ最強の眷属たち!

「『紅蓮の刃』のメンバーなら、なおさら今この場で解放するわけにはいかなくなったな」


 俺の冷ややかな一言に、地面に這いつくばったままのグンダダがぎょっと目を剥いた。


「な……なにぃ!? テメェ、俺を誰だと思ってやがる!」


「だってそうだろ? 今ここで生かしたまま逃がしたら、息を荒げて仲間に言いつけ、ぞろぞろと大勢で報復しに来るに決まっている。そんな二度手間、面倒くさくてやってられないよ」


 俺が呆れたようにため息をつくと、グンダダは必死で体勢を入れ替えようと蠢きながら、唾を飛ばして喚き散らした。


「当ったり前だろクソガキがぁ! 絶対に生かしちゃおきゃねぇ! テメェの四肢を叩き折って肉塊にしてやる! 連れの女たちも全員俺たちの玩具にして、泣いて許しを乞うまで徹底的に痛め抜いてやるからな!!」


(……絶望的に救いようのない愚か者だな)


 俺は心の底から呆れ果てつつ、影に潜む堕天使サリエル……デステル伯爵へ念話を飛ばした。


(デステル、今から俺たちに牙を剥いた下劣な男を一人そっちへ送る。牢獄にぶち込んでおいてくれ)


 脳内に、冷徹で気品に満ちたデステルの声が即座に響き渡る。


(御意にございます、主様。して、その哀れな罪人にはいかなる処置を?)


(俺たちに対して何を画策していたのか、裏の目的やクランの情報を残らず吐き出させてくれ。二度と余計な口を叩けないようにな)


(くく……承知いたしました。私の絶対的な恐怖の尋問により、魂の底の秘密まで残らず洗いざらい白状させましょう。どうぞお任せを)


(頼んだよ)


 念話を終えた瞬間、俺は神眼の権能を発動させた。

 グンダダの身体の周囲の空間がぐにゃりと歪み、漆黒の空間の割れ目が現れる。


「ひっ……!? な、なんだこの黒い穴は……う、うわあああああああっ!?」


 断末魔のような叫び声を残し、グンダダの巨体は一瞬にして空間の隙間へと呑み込まれ、姿を消した。残されたのは、彼が巻き散らかしていた泥と不快な臭気だけだ。


 何事もなかったかのように衣服を整え、俺は仲間に振り返った。


「よし、ゴミ掃除も終わったことだし、早速『千尋の洞窟』に入ってみようか」


 元勇者のユイが「いいねー! ワクワクしてきたよ!」と目を輝かせたが、すぐに首をかしげた。


「でもヒロト、どうやって入るの? さっきの検問、領主の騎士とギルドの職員が厳重に見張ってたでしょ?」


 冒険者ライセンスも提示せず、領主の特例許可証も断った俺たちが正規の門を通過するのは不可能だ。


「なぁに、簡単なことさ。俺が高度な隠蔽魔法で完全に姿と気配を消して単身で検問を潜り抜け、洞窟内部の安全な場所からみんなを召喚すればいい。もし空間遮断の結界でも貼られていたら、一度転移魔法で自陣に戻ってから、洞窟内部へ直接空間転移でみんなを連れてくる。まあ、どちらかの方法で確実に潜入できるはずだよ」


「なるほど! さすがヒロトだね!」


 俺は即座に高位の『隠蔽魔法』を発動させた。

 光の屈折、音、魔力波形、そして匂いに至るまで、俺の存在に関わるすべての情報を完璧に遮断する。


 誰の目にも留まることなく、俺は検問所に立つ見張りたちのすぐ脇を滑るように通り抜け、薄暗い『千尋の洞窟』の内部へと足を踏み入れた。


 洞窟内部へ十数メートルほど進み、岩陰の開けた場所に身を隠す。


(スラオ、周囲の魔力探知をお願いできるか? 冒険者や魔物が近づいていないかチェックしてくれ)


 脳内で、大悪魔ベルゼブブことスラオの重厚な声が応える。


(了解いたしました、主様。即座に広域探知を開始……現在、半径百メートル以内に生体反応および冒険者の気配はありません。安全です)


「よし、まずはアンナを呼ぶか」


 俺は影に意識を向け、彼女の名を呼んだ。


「アンナ!」


 シュタッ! という鋭い風切り音とともに、空間を切り裂いて黒装束のサイバー忍者姿のアンナが現れた。


「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」


「……大魔王かいっ!」


 思わず間髪入れずに突っ込みを入れ、アンナの頭をポコンと軽く叩く。


 アンナは頭を撫でながら、ニシシと悪戯っぽく微笑んだ。


「あは、ヒロト様、お気に召しましたか?」


「うむ……って、この往年の昭和アニメのセリフ、一体誰から教わったんだ?」


 間違いなく前世の知識を持つ転移者メンバー……ヒナかサクラかユイの誰かが教え込んだのだろう。しかし、こんな旧作アニメのネタを知っているとなると、転移前は俺よりもかなり年上だったはずだ。女性に年齢の話題を持ち出すのは文字通り命に関わる。


(……恐ろしいから、誰が教えたのか追求するのはやめておこう)


 気を取り直し、俺はアンナに指示を出した。


「アンナ、配下の眷属を放って、この地下1階の全域の状況を見張ってくれ」


「畏まりました、主様!」


 アンナが指を鳴らすと、彼女の影から密密用の眷属である漆黒の羽蟻キラーアントたちがブワッと大量に湧き出し、壁の隙間や天井の暗がりへと一斉に飛び立っていった。


(これまではスパの小蜘蛛に頼っていたが、アンナの羽蟻は飛行できる分、広範囲の索敵スピードが圧倒的だな)


 安全が確保されたところで、残りの仲間たちを一気に呼び寄せる。


「皆、おいで! 召喚!」


 光の陣とともに、エルダーリッチであるユイ、その肩に止まる小鳥姿の鳳凰フェン、龍脈の魔女ウィーラ、ダークハイエルフの女王グレイア、そしてヒナの使い魔である九尾の狐キュウが姿を現した。


 洞窟内はアンナの羽蟻たちが網羅しつつあるが、ダンジョンの特性上、空間から突如として魔物がリスポーンする可能性もある。


「キュウ、先頭に立って優れた嗅覚と聴覚で周囲の警戒を頼む。スラオの魔力探知も継続してくれ」


 キュウは「くうん!」と可愛らしく鳴き、しなやかな動作で前衛へと向かった。


「アンナの眷属がこの階層のマップ全域を完全に把握するまで、まずはゆっくり進むとしよう。他の冒険者グループと鉢合わせしないよう、念のため全員『隠蔽』を展開してくれ」


「承知いたしました、陛下」


 グレイアを筆頭に、全員が即座に高位の隠蔽魔法を発動させる。


 彼らは全員が神レベルや大悪魔クラスの高位種族だ。発動した隠蔽魔法は、姿を消すだけでなく、体温、足音、魔力残滓、果ては存在そのものの概念すら世界から覆い隠す規格外の代物である。


 だが恐ろしいことに、パーティーを組んでいる味方同士だけにはお互いの姿がはっきりと見え、会話も普通に行える。


(……改めて思うが、なんて都合が良すぎる魔法なんだ。まさに完璧なご都合主義だな)


 俺たちは極上の隠蔽に身を包みながら、大迷宮の深淵へと静かに侵攻を開始したのだった。

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