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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第33話 暴露された腐敗の真相!村の危機もマッチポンプ!?美少女眷属の甘い蜜月と、闇深き『奴隷商』への急襲!!

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 アキート商会へ戻ると、玄関で今か今かと待ち構えていたアキートさんが、ホッとした表情で駆け寄ってきた。


「お帰りなさいませ、ヒロト様! 査定や買い出しでお疲れでしょう。約束通り、今夜はとびきり極上の夕食をご馳走させてください!」


 実はアキートさん、あのガル村でゴブリンの大群を退治した際、「拠点に戻ったらご馳走します」と言っておきながら、結局村長のご馳走になってしまったことをずっと気に病んでいたらしい。俺としてはどちらのご馳走でも大歓迎なのだが、彼の誠実な申し出をありがたくお受けすることにした。


 街へ繰り出すにあたり、ハクとレイが「私たちも人化して一緒に行きたい!」と強く希望したため、二人を人間の姿へと変化させて同行させることにした。


 店を出た瞬間、マリンブルーの美しい髪を揺らしたハクが、俺の右腕をぎゅっと抱きかかえるように絡めてきた。


「もう……ヒロトったら! 昼間はヒナちゃんとばかりデートしてずるいわ! 私ともイチャイチャしてくれないと許さないんだから♪」


 豊満な胸の感触が右腕にダイレクトに伝わり、思わずドキリとする。


 すると今度は、左側からエメラルドグリーンの瞳を輝かせたレイが、両手で俺の左腕にぴったりとくっついてきた。


「ん……私も、ヒロトとデート……したい。離さない」


「はいはい、分かったから二人とも離れすぎないでね」


 右にハク、左にレイ、前を嬉しそうに歩くヒナ。まさに両手に花どころか全方位ハーレム状態だ。


 アキートさんに案内され、商会のすぐ近くにある高級レストランの豪華な個室へと入る。料理が運ばれてくるまでの間、テーブルについたアキートさんがふと険しい表情を浮かべて切り出してきた。


「……ヒロト様。実は、捕縛した盗賊を引き渡しに向かったレイクとアリアが、まだ戻って来ないのです」


 俺は首をかしげた。

「盗賊を引き渡して、報償金と奴隷売買の代金を受け取るだけだよね? そんなに時間がかかるような作業なのかな」


「ええ……書類の手続きや確認を含めても、ここまで遅くなることは通常考えられません。何かトラブルに巻き込まれていなければ良いのですが……」


 俺は左手首に巻き付いている小蜘蛛のスパに意識を向け、密かに念話で指示を出した。


(スパ、衛兵詰所の様子を探ってきてくれ)

『承知いたしました、ヒロト様。ただちに現地の小蜘蛛たちを派遣し、状況を確認させます』


 まるで左腕に嵌めたスパイ映画のブレスレット型高性能無線で指示を出している気分だ。密かに男心がくすぐられてちょっと格好いい。


「アキートさん、俺の眷属に詰所の様子を探らせていますから、少し待ちましょう」


「おや、なんと手回しの早い……! ありがとうございます!」


 すると、対面に座っていたヒナが思い出したように身を乗り出してきた。


「ねえねえアキートさん! 私、異世界名物の『奴隷商』に行ってみたいんだけど、どこか良い伝ってありますか?」


「ああ、このガリアの町には奴隷商が1件だけございます。経営者とも顔なじみですので、ご紹介がてらご案内できますよ」


「本当!? やったぁ! 夕食を食べ終わったらすぐに行ってみたいわ!」


 俺は少し眉をひそめた。

「ヒナ、アリア達のことが心配じゃないのか?」


 アキートさんが「まあまあ」となだめるように手を振る。

「衛兵詰所での手続き遅延ですので、すぐに命の危険があるとは考えにくいです。奴隷商への訪問もそう時間はかかりませんので、大丈夫かと」


「うーん……あまり乗り気はしないけど、ヒナがそう言うなら行ってみるか」


「うん、行こう! なんだか今を逃すと、二度と行けない気がするのよね!」


 その時、左手首のスパから緊迫した念話が入った。


『ヒロト様、衛兵詰所の前に、冒険者ギルド側の動きについて重大な報告がございます』


 すぐさま俺は隣のスラオに指示を出した。

(スラオ、風魔法でこの個室の周りに『防音の壁』を張ってくれ)

『はい、ヒロト様!』


 目に見えない風の膜が部屋全体を包み込み、外界からの音を遮断する。


「アキートさん、防音の風魔法を張りました。一緒に情報を共有しましょう」


「は、はい! お願いいたします」


「よし、スパ。報告を聞かせてくれ」


『はい。明日実施される予定だった「深淵の樹海におけるゴブリン大討伐」ですが……急遽、延期が決定いたしました』


「え? 明日の予定だったんだ」


 アキートさんが目を見開く。

「はい、明日早朝に出発する手はずになっておりました。一体何があったのでしょうか……?」


『理由は簡単です。討伐隊の隊長を務めるはずだった元Sランクの副ギルド長グレッグ、およびギルドの主要戦力であったCランクパーティ「深紅の剣」の全員が、突如として行方不明になったためです』


「……あ」


 思わず声が漏れた。もろに俺たちが裏路地で片付けたのが原因じゃないか。


「アキートさん……実は、冒険者ギルドを出た後、路地裏でダノワたち『深紅の剣』に絡まれて返り討ちにしてさ。その後、追ってきた副ギルド長のグレッグも襲いかかってきたから、まとめて処分したんだ」


「な……なんと恐ろしいことをさらりとおっしゃる……っ!?」

 アキートさんが目玉をひん剥いてガタガタと震え出した。


 ヒナが呆れたように鼻で笑う。

「あの強盗グループ、自分で『深紅の剣』とかイタい名前を名乗ってたわね。あんな雑魚集団が主要戦力だなんて、ギルドのレベルが低すぎて笑うしかないわ」


「ヒナ、言い過ぎじゃないか?」


 ハクがふふんと胸を張って言い放つ。

「いいのよヒロト! あの下劣な男たちは、私やヒナちゃんを暴力で奪おうとしたんだから! 万死に値するわ!」


「まあ……それもそうか」


 スパの報告はさらに続いた。


『追補いたします。深紅の剣の横暴や強盗行為は前々から目に余るものがありましたが、ギルド側は討伐の戦力として利用するため、明日の討伐完了までは不問にし、自由に悪事を働かせていたようです』


「やっぱり冒険者ギルドぐるみで黙認・利用していたんだね」


『はい。さらに計画では、強盗を働かせた直後に副ギルド長グレッグが現場を押さえ、犯罪の弱みを握ることで、明日の討伐戦で彼らを捨てる駒として死地に追いやる予定だった模様です』


 ヒナが「うげぇ」と眉をひそめた。

「最悪! あの角刈りゴリラも、副ギルド長のオッサンも目つきがキモかったのはそういう裏があったからね!」


 ハクも深く頷く。

「本当に反吐が出るわね……!」


「うーん、これはこの町に長居しない方が良さそうだね」


 俺が呟くと、スパの口からさらに衝撃の事実が明かされた。


『……さらに、ヒロト様。先日のガル村への「ゴブリン大襲撃」ですが……あれも全て冒険者ギルドが裏で仕組んだ企みであったことが判明いたしました』


「「「な……なんだってぇぇぇっ!?」」」


 部屋の中に衝撃が走る。


『主様が以前撃破されたCランクパーティ「漆黒の翼」……彼らが裏で特殊な撒き餌を使い、樹海のゴブリンの群れを誘導してガル村を壊滅させる手はずだったのです。村を全滅させた上で、それを理由に「領主の騎士団」を動かし、ゴブリン討伐の協力を無理やり取り付ける計画でした』


「うわぁ……酷すぎる……! 自分たちの利権や手柄のために、村人の命をなんだと思っているんだ!!」

 俺は激しい怒りで拳を強く握りしめた。


 横を見ると、アキートさんが完全に顔面を蒼白にして絶句している。


「あ……冒険者ギルドの企みのせいで……私はあの村で死ぬところだったのですね……っ!」


「そういうことになりますね……アキートさんが助かって本当に良かった」


 それにしても、スパの諜報能力は凄まじいな。影から街中に蜘蛛を走らせるだけで、ここまでの機密情報を一瞬で暴いてしまうとは。やっぱりスパイ活動と情報収集は冒険の要だ。


『最後に、この一連の凶行を影で指揮していた黒幕についてです。すべての計画は、現・冒険者ギルド長であり、元Sランクの最高峰エルフ【災厄のゼータ】が立案したものでした。時期は未定ですが、仕切り直される次のゴブリン討伐では、ゼータ自らが討伐隊長として前線に立つとのことです。報告は以上です』


 アキートさんがガタガタと唇を震わせながら補足してくれた。


「ざ……『災厄のゼータ』……! かつて単身で軍隊を崩壊させたという、超絶的な古代精霊魔法の使い手です……! 彼女の放つ魔法はまさに天災そのもの……それゆえに『災厄』の二つ名で恐れられているのです……!」


「報告ありがとうスパ。ふむ……本当に名前通りの『災厄』なエルフだな。引き続きギルドの監視をお願いするよ」


『承知いたしました、ヒロト様』


 アキートさんがハンカチで額の冷や汗を拭いながら、切迫した声で言った。


「ヒロト様、これは想像以上に不味い事態です……! もしギルド側が『深紅の剣と副ギルド長がヒロト様たちを追って行方不明になった』という事実を察知している場合、今頃街中に潜伏しているヒロト様たちの捜索を始めているはずです!」


「そうだね。この町に長居するのは危険すぎる。……それとアキートさん。俺たちがアキートさんと一緒に町へ入ったことがバレたら、アキートさんの身にも危険が及びますか?」


「……極めて危険です! ガリアの領主と冒険者ギルドは裏で深く繋がっております。関所の入閣記録から、私とヒロト様の関係などすぐに割り出されてしまうでしょう……!」


「なるほど。なら、領主の館にも密偵を派遣しておきましょう。スパ、頼めるか?」


『御意。ただちに領主の館へ刺客兼密偵の小蜘蛛を忍ばせます』


「よし。アキートさん、夕食は早々に切り上げて、大急ぎで奴隷商へ向かいましょう! アリア達の件も含めて、一刻も早く動く必要があります!」


「は、はいっ! すぐに出発いたしましょう!」


 俺たちは運ばれてきた極上料理を素早く腹に流し込み、険しい表情のまま、夜の闇が包み込むガリアの街へと飛び出したのだった──!

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