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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第32話 副ギルド長の襲来!理不尽な圧力を圧倒的抜刀術で一刃両断し、腐敗したギルドとの全面戦争へ!!

4/30 18:52 誤字修正しました。


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 路地の角から一人の男が姿を現し、ゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる。


 体格の良い坊主頭の男だ。身長は200センチほど、謎の金属で鍛え上げられた頑丈そうな鎧を身に纏っている。一切の隙がない足取りと、周囲を払うような圧迫感。ただ者ではない雰囲気がひしひしと伝わってきた。


 俺とヒナは何も知らない素振りでその男の横を通り過ぎようとしながら、然りげ無く右手を腰の『妖刀ムラマサ』の柄へ近づける。


「待て! 小僧!」

 すれ違いざま、男が背後から俺の後ろ襟を右手で掴もうと太い腕を伸ばしてきた。


 刹那──時計回りに鋭く身を翻し、振り向きざまに一撃の抜刀!


 ムラマサの刃が漆黒の魔力を帯び、男の右手を下から上へと閃光のように斬り飛ばした。


「うっ……!?」


 男は苦悶の声を漏らし、手首の先が綺麗に失われた右腕を、左手で慌てて強く押さえた。痛みを必死にこらえながら、血走った目で俺を強く睨みつけて問い詰めてくる。


「お前……何者だ……っ! 冒険者5人がここに来たはずだが、どうした!?」


「俺はただの旅人の少年です。冒険者なんて知りませんね」

 俺は刀の血を払う仕草をしながら、淡々と答えた。


「……俺と同じように斬ったのか!?」


「一般の人に理由もなく暴力を振るう人たちを、冒険者と言うのですか? あなたと同じように」


 カチャンと刀をサヤに納めながら、逆に質問を投げ返してやる。


「暴力だと……!?」


「急に奥襟を掴むのは暴力ですよ。そこから投げることも叩くことも……殺すことだって自由にできる。あなたは俺を力ずくで制圧しようとしましたよね? それを暴力と言わずして何と言うんですか?」


「……っ!」


 男は言葉に詰まり、無言のまま右手を押さえて俺を死んだような目で見つめる。


「俺はね、いわれのない暴力とは断固として戦うんですよ」


「…………」


 完全にロジックで論破され、男はぐうの音も出なくなっていた。俺は溜息をひとつ吐き出し、追撃の言葉を投げる。


「ところで、あなたは冒険者ギルドの方ですよね?」


「……そうだ。副ギルド長のグレッグだ」


 グレッグはゴツゴツとした左手で自身の右腕を握り締め、体内の魔力を急速に右手に注ぎ込んだ。瞬く間に傷口の流血がピタリと止まる。


「へえ、副ギルド長様ですか。一般人が冒険者に不当に絡まれているのを黙認するのが、冒険者ギルドの流儀なんですか?」


「冒険者ギルドに恨みでもあるのか、小僧……!」


「恨みも何もありませんよ。ただ聞いているんです。黙認するのが冒険者ギルドの方針なんですか、と」

 俺は冷ややかな眼差しで再度聞き直した。


「黙認したわけではない! そのために俺が直接来たんだ!」


「遅い! 遅すぎますよ。絡まれた瞬間に現場で対処しないと意味がないでしょう。俺たちみたいな一般人なら、今頃殺されて、大事な装備や服まで全部奪われていますよ」


「……やっぱり斬ったのか!? 5人をどうした!?」


「さあ? 知りませんね」


 グレッグは顔を激しく歪ませ、低く唸った。

「そんなはずはない! 奴らがお前らを追ってここに入るのを、俺はこの目で見ているんだ!」


「それは黙認したのと同じですよ。俺たちを追っていたのを知っていて、走れば間に合うのに、わざと間に合わないように歩いて来たんですよね?」


 俺は右手を静かに刀の柄へ添え直した。


「緊急事態なんだよ! ゴブリンの群れが深淵の樹海に大量発生した! 今は1人でも多くの戦力が必要なのだ! お前ら、冒険者ギルドに加入してダノワたちの代わりに討伐を手伝え!」


「お断りします。ギルドの戦力を維持することと、一般人を見殺しにすることに、どんな関係があるんですか? あなたの論理は無茶苦茶だ」


「ダノワたちは生きているのか!? 生きているなら引き渡せ! 俺からしっかり言い聞かせておく! それで満足しろ!」


「何を言っているのかさっぱり分かりませんが……あんた、頭大丈夫ですか? 仮にそんな奴らが生きていたとして、そんな手ぬるい処分で納得する人がいるわけないでしょう。それとも、力ずくで俺たちを屈服させようとしてるんですか?」


 横でやり取りを聞いていたヒナが、呆れたように肩をすくめた。


「ねえヒロト、なんでこの人、さっきからこんなに上から目線なのかしら?」


「右手を斬られても、まだまだ俺たちを圧倒できるっていう謎の自信があるんだろうね」


 グレッグは威圧が一切通じず、むしろ自分を観察するように冷静に会話を交わす二人を見て、不気味な不審感を抱いていた。


(どう見てもただのガキだ……隣の少女も実力はありそうだが実戦慣れしていないように見える。そんな二人に、あの荒くれ者の『深紅の剣』がどうこうできるはずがない……! 何か裏があるのか? そもそも、どうして俺の右手が斬られたのかすら見えなかった……!)


 現役時代は無敵を誇った元Sランク冒険者のグレッグだったが、長年の勘が鳴らす猛烈な警鐘を拭いきれずにいた。


 その瞬間、アイがグレッグのステータスを俺の脳内に表示させた。


【名前】:グレッグ

【種族】:人間

【性別】:♂

【職業】:剣士

【レベル】:48

【HP】:450/500

【MP】:150/150

【スキル】:剣術(LV8)、縮地(LV5)、投擲(LV5)


(レベル48か……元Sランクだけあって、なかなか強いね)


 すると、グレッグがぴくりと眉を動かした。自身の体を探られた感覚に気付いたのだ。


「鑑定したな……? そのオッドアイか……! お前、一体何者だ!?」


「ただの旅人ですよ」


「……ふん、隣の女も人間じゃないな。その気配……吸血鬼か!? お前ら、魔王の手先だなッ!!」


 会話の途切れ目、グレッグは残された左手を素早く右腰へ伸ばし、仕込みナイフを抜くやいなや、疾風のごとき速度で俺の喉元へ向けて投げ放った!


(──ナイフは無視だ)


 俺は抜刀の構えを取る。

 飛ばされたナイフはハクの瞬間的な【転移】によって虚空へと消え、次の瞬間、俺の身体はグレッグの死角である右横へと転移していた。


「しまっ──」


 冷徹な一閃。

 ムラマサの刃が暗闇を切り裂き、グレッグの首を寸分狂わず斬り落とした。


 どさりと倒れ込む副ギルド長グレッグの死体を、俺は即座にハクの『異次元収納』へと格納。石畳に飛び散ったわずかな血液すらも、スラオの【闇魔法】が影となって這い回り、綺麗さっぱり呑み込んで消し去った。


「魔王の手先じゃないよ。失礼なやつだな」


 刀をサヤに収めながら呟くと、ヒナがジト目でこちらを見てきた。


「今のくだりなによ〜? 話なんかしないで、最初から有無を言わさず斬っちゃえば早かったのに!」


「いやぁ……少しでも良い人だったら見逃そうかと思ってさ。でも、この街の冒険者ギルドは想像以上に酷いね。副ギルド長からして救いようがないや。理由はどうあれ、これでこの街の冒険者ギルドとは敵対が確定したね」


 俺は自身の影に向かって静かに呼びかけた。

「スパ、冒険者ギルドを裏から監視しておいてくれ」


 影が揺らめき、スパの声が響く。

『承知いたしました、ヒロト様。鼠一匹逃さず見張り続けます』


「よし、商会に帰ろうか」


「そうね! お腹もすいてきたし〜!」


 俺とヒナは何事もなかったかのように微笑み合い、夕暮れの街並みを歩いてアキート商会へと戻っていった。

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