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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第31話 テンプレの絡まれ発生!?愚かなCランク冒険者を返り討ちにし、謎の影を前に完璧な証拠隠滅を完遂せよ!!

4/30 18:44誤字修正しました。


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 ガリアの冒険者ギルドは、重厚な石で造られた実に巨大な建物だった。


 扉を開けた瞬間、熱気とともに怒号や高笑いなどの騒がしい喧騒が鼓膜を揺らす。


 正面には受付カウンターがずらりと並び、右手には広大な酒場が広がっていた。夕刻という時間帯もあってか、クエストの達成報告に並ぶ者や、1階の酒場ですでに酒杯を交わし始めている荒くれ者たちで溢れかえっている。


 受付には長い行列ができていた。やはり可憐で華やかな美人受付嬢の窓口には男たちが殺到して異様な長蛇の列となり、むさ苦しいオッサンの受付嬢(?)の行列は驚くほど短い。


(現金なもんだなぁ……)

 などと呑気にぼーっと眺めていた、その時だ。


「小僧! 邪魔だ退けろぉっ!」


 後ろから鼓膜を突くような荒々しい怒声が響く。振り向くのとほぼ同時、知らない男の太い右腕が俺の頭を力任せに横から薙ぎ払おうとしていた。


「すいませーん」

 俺は感情の籠もっていない棒読みのセリフを返した。


 意識するよりも早く、腰の『妖刀ムラマサ』の禍々しくも圧倒的な魔力が全身を包み込んでおり、俺の肉体は紙一重の踏み込みでその拳を軽々と回避していたのだ。


 ガツンッ!と空を切った男は、叩きつけるはずだった手応えが完全に消え失せたことで体勢を大きく崩し、派手にすっ転びそうになって踏みとどまった。


(ムラマサ、サンキュ。助かったよ)


(いえいえ、主殿! なんと失礼極まりない無礼者でござるか。今すぐここで切り捨てて刻んでやりましょうぞ!)


(まあまあ、待てって)


 体勢を立て直した男を観察する。


 使い古された謎の革鎧を身に纏い、腰には無骨なロングソード。190センチはあるであろう筋骨隆々とした大柄な体躯で、頭は角刈り。まるでゴリラをそのまま人型にしたような獰猛な面構えだ。後ろには同じように柄の悪い仲間が4人、ニヤニヤと意地悪く控えている。


 すかさずアイが鑑定を発動し、脳内にステータスを浮かび上がらせた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:ダノワ

 種族:人間

 性別:♂

 職業:剣士

 レベル:35

 HP:248/350

 MP:55/60

 スキル:

  剣術(LV6)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


(レベル35か……一般の冒険者にしてみれば、まあまあの強さだな)


 ダノワと呼ばれた男は激しく舌打ちをすると、血走った目で俺を恐ろしく睨みつけ、威圧するように凄んできた。


「てめぇ……! 俺を誰だか分かってんのかあぁ!?」


「いいえ、まったく知りません」

 俺は至って平然と、首を横に振って答えた。


「俺はCランク冒険者パーティ『深紅の剣』のリーダー、ダノワ様だ!! 俺を舐めた口叩いてタダで済むと思うなよ!?」


 出ました、定番のCランク!


 俺は思わず苦笑いを漏らしながら、再びあっさりと返した。

「いやあ、存じ上げませんね」


「チッ、見かけねえ小僧だな……冒険者登録の希望者か?」


 ダノワの不快な視線が、俺の右手にあるハクの『白蛇の手甲』、腰に差した『妖刀ムラマサ』、そして隣に立つ美少女のヒナへと向けられ、舌をなめずりしながら下品に嗤った。


「いいえ、冒険者になる気はありませんよ。ただの見学です」


 チラリとギルドの受付カウンターへ視線を送ってみる。


 だが、受付嬢も職員も、一般の少年が荒くれ者に絡まれている惨状を完全に無視し、黙って冷ややかに眺めているだけだった。止めようとする素振りもなければ、上役に報告しに行く気配すらない。完全なる放任、黙認だ。


(ハッ……やっぱり冒険者ギルドなんて、まともな組織じゃないな)


「はあぁぁ!? ふ・ざ・け・る・な・よ小僧ッ!! 関係ねえ一般人なら、さっさと失せやがれ!!」


「はい分かりましたー。出ていきまーす」


 俺はヒナの小さな手を引き、ダノワの脇をすり抜けて入口の扉へと向かった。ダノワが「逃がすか!」と強靭な腕を伸ばして掴もうとしてきたが、ムラマサの魔力を纏った俺の足取りはコンマ数秒でその間合いを外しており、男の手は虚しく空を掻くだけに終わった。


 伸ばされた手が、屈辱と苛立ちでワナワナと震えている。


 ギルドを出て街道へ向かうと、横を歩くヒナがぷくーっと頬を膨らませて抗議してきた。


「ちょっとヒロト! あんな奴ら、その場でドカンとぶっ飛ばしちゃえば良かったのにー!」


「相変わらず過度だなぁ、ヒナは。あんなにギャラリーが見ている前でド派手にぶっ飛ばしたら、目立って仕方ないだろ?」


「むぅ……でも、あのゴリラ男、絶対変な目で見てたわよ!?」


「大丈夫。十分に煽っておいたから、間違いなく追いかけてくるさ。俺の白蛇の手甲とムラマサ、それにヒナに興味津々だったからね」


「ええぇっ!? キモッ! 絶対許せないわね!」


「だから、人が見ていない静かなところで、心置きなくぶっ飛ばしに行こう」


「ふふ、賛成! そうと決まれば早く行きましょ!」


 俺たちはあえて人通りの絶えた、薄暗い裏通りへと進んで行った。


 ──案の定、背後から荒々しいドタバタという足音が5人分、急接近してくる。


 しばらく路地を進むと、狙い通り行き止まりの壁にぶつかった。俺たちはくるりと振り返り、追ってきた男たちと向き合う。


「ハハハッ! 逃げ場はねえぞ小僧!」


 追いついたダノワが、下品なニヤケ顔を浮かべながら怒鳴り散らした。


「おい小僧! その右手の白蛇の手甲と腰の高級そうな剣、そして隣の極上な女をここに置いて失せろ! 素直に従えば命だけは助けてやるぞ!」


 ダノワたち5人はジャキッと武器を抜き放ち、俺たちを囲むように構えた。


「ふむ……ただの粗暴な冒険者かと思ったら、本業は強盗だったわけか。まあ、街中で武器を抜いたんだ。殺されても文句は言えないよな? 覚悟はできているのかい?」


 ドクンッ!!


 ムラマサが完全に俺の肉体へ憑依し、漆黒と紫の禍々しい魔力が渦を巻いて身体を包み込む。俺は右手甲をムラマサの柄へとそっとかけた。


「黙れぇっ! そんな業物や防具、冒険者でもねえガキが持ってたって宝の持ち腐れなんだよ! 俺たちが有効利用してやるって言息してんだ!!」


 ダノワが膨大な殺気を垂れ流しながら叫ぶ。


「へえ……それが冒険者のやり方ってわけだ」


 全く脅しが通じず、冷ややかな視線を送ってくる俺に、ダノワの全神経がブチ切れた。


「うるせええええええッ!! 死ねぇぇっ!!」


 ダノワを先頭に、5人の男が一斉に殺意を剥き出しにして斬りかかってきた!


 先頭のダノワが、長剣を上段から全重量を乗せて振り下ろしてくる。


(──居合)


 刃が俺の前髪をかすめるよりも早く、下からすくい上げるような神速の抜刀!


 閃光のような一閃が、剣を構えていたダノワの両腕を肘から一瞬で切り飛ばす!


「ガあぁぁっ!?」


 悲鳴を上げるダノワの横をそのまま影のようにすり抜け、反転しながら首筋を袈裟斬りに一断! 首が飛ぶ前に、俺は次の獲物へ踏み込んでいた。


 次に死角からロングソードで突いてくる2人目の男。


 体をわずかに右へひねって突きをかわすと、下から振り上げた刀を両手でしっかりと保持。すれ違いざま、かわした男の頸椎を後ろから容赦なく斬り落とす!


 3人目の男が狂乱しながら俺の首を狙って大剣を薙ぎ払ってくる。


 俺は地を這うように沈み込んで攻撃をかわすと、相手の両膝を横一文字に切断!


「ギャアアアッ!」と崩れ落ちた男の胸元へ、俺の影から伸びたスラオ(スライム)の鋭利な触手が杭のように突き刺さり、一瞬で心臓を貫いた!


「ひ……ひぃぃぃっ!?」


 わずか数秒。瞬く間に3人が凄惨な屍と化した光景に、一番後ろにいた残り2人の男が青ざめて唖然と立ち尽くす。


「甘いよ!」


 ハク(白蛇)が手甲から解き放たれ、弾丸のように右の男の首元へ飛翔! 太い首骨ごと一瞬で締め千切り、咬殺!


 同時に、スラオが放った漆黒の『炎弾ファイアーバレット』が爆音とともに左の男の額を正確に撃ち抜き、脳漿をぶち撒けて即死させた。


 完全なる一瞬の圧勝。


 ──だがその時、俺の『魔力探知』に強い反応が引っかかった。


(……ん? 何かがこちらへ近づいてくる……!)


 路地の角の向こうから、巨大な魔力を持った強力な何者かが歩いて接近してきている。間違いなく強者だ。


(……だが、歩いてくるってどういうことだ?)


 もし争いを聞きつけて助けに来た衛兵や親切な冒険者なら、走って駆けつけるはずだ。わざと足音を殺さず、ゆっくりと歩いてきている……。まるで俺たちが殺されるか、あるいは殺し尽くすのを待ってから『現場を押さえよう』としているかのような、嫌な意図を感じる。


 どちらにせよ、不確定要素に証拠を残すのは下策中の下策だ。


「スラオ、現場の証拠隠滅を頼む!」


『はい、ヒロト様!』

 スラオの【闇魔法】が発動。


 地面の影が不気味に広がり、転がっていたダノワたち5人の死体、散らばった武器や血痕、戦闘の痕跡に至るまで、丸ごと底なしの影の中へと呑み込んで消し去った。


 路地裏には、最初から誰もいなかったかのような静寂だけが残る。


「ヒナ、誰か来る。何も知らねぇフリして歩くぞ」

「はーい♪」


 俺とヒナは何事もなかったかのように手をつなぎ、路地の出口に向かってのほほんと歩き出したのだった──!

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