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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第301話 【覇王の威光と隠密突破】気配を絶つ絶対者! 察知した戦乙女との遭遇、そして運命の馬車が走り出す!

 アマゾネス王女ハーミアに対する断罪と追放劇を終え、俺たちは気持ちを切り替えて次の行動へと移ることにした。


「さて、それじゃあ南の王国へ向かおうか」


 今回の遠征メンバーは、前回とほぼ同じ構成だ。余計なトラブルを起こして追放されたハーミアが抜け、少数精鋭の形となっている。


 世界樹(精霊王)のレイ。

 エルダーリッチ(勇者)のユイ。

 龍脈の魔女ウィーラ。

 ダークハイエルフのグレイア。

 亜神ペナンガルのビー。

 キラーアントエンプレスのアンナ。

 ブラウニーのブラリリ。


 そして、俺の身体に同化・一体化している最高戦力の面々。

 亜神バアルゼブル(大悪魔ベルゼブブ)のスラオ。

 神眼のアイ。

 神刀のムラマサ。


 まずは事前に、神眼のアイにノガートの町の前回転移した地点に人気が無いことを入念に確認してもらった。安全が確保できたところで、一瞬で空間を跳躍して転移する。


 総勢で十一人という大世帯だが、スラオは黒い粘液状の防具のように俺の身体にぴったりと張り付いている。アイは俺の左目と一体化して異次元の視界を提供してくれており、神刀ムラマサは左腰の鞘に収まっている。


 さらに、精霊王レイと亜神ペナンガルのビーは融合して俺の左手に装着された禍々しくも美しい手甲と化しており、アンナは極限の隠蔽スキルで完全に気配と姿を消していた。


 そのため、他人の目から見れば、街道を歩いているのは俺、ユイ、グレイア、ウィーラ、ブラリリの五人だけに映るはずだ。


「よし、ノガート町の南門へ向かおう。南の王国のさらに別の町を目指すぞ」


 俺たちは静かに歩みを進め、目的である南の門が見える位置までやってきた。門の周りには物々しい雰囲気が漂っている。


「皆、一旦ここで待っていてくれ。俺が隠蔽スキルで門をすり抜けたら、外で全員を召喚するから」


「「「はい、ヒロト様」」」


 信頼に満ちた返事を受け取り、俺は完璧な隠蔽を張って姿と気配を消すと、南の門へ向かってスッと歩き出した。


 門の前では、重装の門番が二人組みの女性戦士と押し問答をしていた。どうやら女性戦士たちは町の外へ出たいらしいのだが、門番に硬く立ち入力を拒まれているようだ。


 気配を消したまま間近まで近づいてよく見ると、なんと先ほど念視映像で見たヴァルキリーのスクルドと、部下のヒルドだった。


(へえ、映像のまんまだな……よし、このまま横をすり抜けるか)


 俺はスクルドたちのすぐ脇を通り抜け、門の外へと足を踏み出そうとした——その瞬間。


「——曲者ッッ!!」


 鋭い怒号と共に、スクルドが凄まじい反応速度で旋回した! 手にした長槍の石突きが、不可視の俺の胴体を目がけて一閃される!


 ドスッッ!


 空気を切り裂くような打撃だったが、俺の身体を覆っていたスラオが瞬時に硬化し、完璧にガードして攻撃を止めた。手応えの硬質さに、スクルドが青い目を鋭く光らせる。


「何奴ッ!! 姿を消して門を突破しようとは!」


(あちゃあ……完全に油断したな。まさかスラオを纏った極限の隠蔽を勘で察知して追撃してくるとは、さすがヴァルキリーの隊長か)


 これ以上の交戦は面倒なので、俺は隠蔽状態のまま門の外に向かって一気に走り出した。


「私が後を追う! ヒルド、門番にオーチ伯爵への報告を叩き込んでおけ!」


「スクルド様! お待ちください!」


 スクルドは門番の制止を完全に無視し、風のような速度で俺の後を追いかけて疾走していく。ヒルドもすぐさまその後を追っていった。


 驚くべきことに、スクルドとヒルドは隠蔽して走る俺を完全に置き去りにし、猛烈なスピードで街道の先へと走り去っていってしまった。


(なんだ……? 俺を捕まえるのが目的じゃなくて、ただ足止めされている門を強行突破して外に出たかっただけなのかな)


 あっけにとられつつも、俺は町から十分に離れた街道沿いの木立の中で隠蔽を解除し、待機させていた仲間たちを召喚した。


 空間が揺らぎ、ユイたちが姿を現す。


 エルダーリッチ(勇者)のユイが、くすくすとおかしそうに笑った。


「ヒロト、まさかヴァルキリーにあっさり見つかっちゃうなんてね」


「うん、油断したよ。直感があんなに鋭いとは思わなかったな」


 俺が苦笑いしていると、ダークハイエルフのグレイアが影の魔法を発動させた。地面の影がぐにゃりと広がり、そこから立派な漆黒の馬車と二頭の馬が滑らかに現れる。


「ヒロト様、馬車の用意が出来ましたわ」


「ありがとう、助かるよ」


 御者席にはグレイアと龍脈の魔女ウィーラが座り、馬車の中には俺、ユイ、そしてブラウニーのブラリリが乗り込んだ。パカパカと軽快な蹄の音を立てて、馬車は南の王国へと通る街道を進み始める。


 しばらく馬車を走らせていると、前方の路上に二人の人影が立っていた。先ほど門を強行突破していったスクルドとヒルドだ。


 スクルドが長槍を掲げ、馬車に向かって威厳ある声を張り上げた。


「そこの馬車、止まってくれッ!」


 御者席のグレイアが振り返り、俺に確認してくる。


「ヒロト様、いかがいたしますか?」


「止めてくれ。直々に話を聞いてみよう」


 パカッと馬車が停車し、俺は扉を開けて地面に降り立った。スクルドとヒルドの前へ進み出て、真っ直ぐに向かい合う。


 スクルドは俺の顔を見るなり、目を見開いてハッと息を呑んだ。


「お前は……先ほど門で気配を消していた賊ッ!」


 俺は呆れたように肩をすくめた。


「賊ではないよ。何も盗んでなんかいないし、ただ門を通り抜けただけさ」


「ぬぅ……では一体何者だ? 隠密スキルを使い、我が勘を防ぐほどの凄腕……ただの旅人ではあるまい!」


 スクルドが警戒感を露わにして長槍の握りを強める。俺は隠す気もなく、さらりと名乗りを上げた。


「俺は樹海帝国皇帝、ヒロトだ」


「なっ……! じゅ、樹海帝国……皇帝だと……!?」


 スクルドとヒルドはあまりの衝撃的な名前に言葉を失い、目を見開いた。絶大な武力と広大な領地を誇る新興の巨大帝国——その頂点に立つ皇帝が、こんな場所で少数の連れと馬車に乗っているなど信じられないのだろう。


 スクルドは眉を吊り上げ、疑わしげに俺を凝視した。


「樹海帝国の皇帝陛下が、このような場所に単身でおられるはずが……! 何か身分を証明するような物はあるのか!?」


「何もないよ。別に信じてもらわなくても構わないさ。信じるか信じないかは君の自由だ」


 俺が一切の動じる様子もなく飄々と答えると、スクルドは腕を組み、不敵な笑みを浮かべた。


「ふっ……うむ。まあ、どちらにせよ、反逆者オーダンの手下でさえなければ、我々にとっては何の問題もないか!」


 絶対的な皇帝としての底知れぬ威圧感を漂わせる俺と、熱き魂を持つ戦乙女スクルド——二人の運命的な出会いによって、南の王国の動乱は新たな局面へと動き出すのだった。

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