第294話 【至福の湯上がりと魅惑の洗体】最高級の白濁硫黄泉で妻たちに尽くされる夜! 一糸纏わぬ神々との甘々混浴!
最高級の檜の柱を贅沢に使用した大きな浴槽。湯気が立ち上る浴場内は、天然木ならではの芳しい香りと、どこか懐かしい温泉の匂いで満たされている。床は濡れても滑りにくい凹凸入りの石造りだ。
俺は檜の片手桶を手に取り、湯口からコンコンと湧き出るお湯を汲むと、足先からゆっくりとかけていく。
そして、手ぬぐいタオルをお湯で軽く濡らして固く絞り、頭の上にチョコンと乗せてから、静かに湯船へと足を踏み入れた。
この温泉大浴場は魔導回路によって無色透明の単純泉から薬湯まで泉質を自由に変えられるようにしてあるが、今夜の湯は肌に優しくじんわり温まる白濁の硫黄泉だ。独特な硫黄の香りが心地よく鼻腔をくすぐる。
硫黄の匂いには、はじめのうちこそ眉をひそめる妻もいたのだが、毎日のようにこの極上のお風呂に入っているおかげで、今ではすっかり慣れて全員が大満足している。
「ふうぅ……最高だ……」
俺は湯船の中で顎までお湯に浸かり、火照る顔を半分隠しながら、妻たちのかけ湯姿を気づかれないようにこっそりと盗み見た。
夫婦なんだから堂々と見たって誰も文句は言わないのだろうが、どうしても性分というか恥ずかしさが勝ってしまうのだ。
前を隠して湯に入ってくるユイ、ヒナ、サクラの元人間組は、どこか親しみやすい和風の美しい容姿をしている。濡れたタオルで控えめに隠されたしなやかな裸躯のラインが、かえって尋常ではない艶めかしさを醸し出していた。
一方、セイレーン出身のハピは、かつてのグラマラスでダイナマイトなスタイルそのままに、人化形態の全裸のままで堂々と歩いている。思えば彼女、ハッピーだったハーピー時代も全裸で空を飛び回っていたなと思い出し、密かに苦笑した。
スキュラから人化したコボミは、上半身も下半身も完璧な人間の美女へと変貌を遂げている。ふくよかな膨らみを見せる胸元、きゅっと綺麗に括れたウエスト、そしてすらりと伸びた健康的な太もも。その完璧なプロポーションには目を奪われる。
大悪魔のスパ、ペナンガルのビー、キラーアントのアンナたちは、長身でスリムなモデル体型だ。特にビーはその美しいスリムな体躯でありながら、尋常ではないほどの豊胸を誇っている。
天使のアリアは、天使へと昇格してもボーイッシュな赤い短髪はそのまま。スリムで引き締まった無駄のない身体つきと、背中に生えた真っ白な翼のアンバランスさが実に可愛らしい。そこが溜まらない魅力なのだ。
ぼんやりと見惚れていると、右側にハクが、左側にレイが湯船に入ってきて、ぴったりと身体を密着させて座ってきた。
(あわわわっ……! 近い! 近すぎるっ……!)
目の前には、お湯から透けて見える一糸纏わぬ生唾ものの美躯。つい視線が豊かな胸元へと吸い寄せられてしまうのは、男としての悲しい性というべきか。
夜は恥ずかしがらせないよう脱衣所や浴場内を少し暗めの照明に設定しているのだが、湯船の近くは温泉の湯気と魔導灯の明かりでバッチリ照らされている。何度経験しても、この明るい場所での混浴は慣れるものではない。
そこへ、正面からヒナがパシャリと湯を跳ねさせながら入ってきた。
「ねえねえヒロト! 前からずっと気になってたんだけど、その頭に乗っけてるタオルは何なのー? 何だかすごく面白くて可愛いんだけどー!」
ヒナがコロコロと楽しそうに笑うと、その後ろからユイも湯船に浸かりながらくすりと笑った。
「ふふ、お湯の中にタオルを浸けて汚さないようにするためのマナーでしょ?」
「まあ、基本的には湯船を汚さないためだけどね。でも実は、入浴中に頭に冷たいタオルを乗せておくと、頭に血が上るのを防いでのぼせにくくする効果があるって地球で聞いたことがあるんだよ」
「へぇー! そうなんだ! じゃあ私もやってみようっと!」
感心したヒナは、自分のタオルを絞ると、湯船の中で立ったまま頭に巻き始めた。
(ヒナ、お願いだから立ったまま胸を強調するポーズを取らないでくれ……! 目が、目のやり場が……!)
慌てて視線を横へ逸らす。
すると視線の先では、長風呂が苦手な霊亀のリザが、すでに湯船から上がっていた。彼女は浴槽のすぐ横にある滑り止めマットの上で、堂々と全裸のまま横たわり、火照った身体を涼ませていた。
彫刻のように美しいその全裸を視界に入れてしまい、俺はさらにパニックになる。
(こ、こっちも全裸か……っ! ダメだ、このままだと俺の理性が持たない……!)
動揺を必死にごまかすように、俺は一勢いよく湯船から立ち上がった。
「そ、そろそろ身体を洗ってくるよ!」
すると、ハクが優雅に湯船から立ち上がり、俺の右手を逃がさないように優しく握りしめた。
「あら、それなら私が背中も全身も綺麗に洗ってあげるわね、ヒロト」
「えっ!?」
左側からはレイが当然のような顔で左手を確保する。
「そうですね。私もお手伝いいたします、ヒロト様」
「ちょっと待っ……」
抵抗する間もなく、俺は左右から二人の女神に両腕を抱えられ、そのまま洗い場へと連行された。
檜の小さな椅子に腰掛けさせられると、左右からレイとハクが泡立てた石鹸で丁寧に俺の身体を洗い始める。
頭の先から髪の毛、首筋、背中、手足の指先まで、まるで宝物でも扱うかのように優しく、心を込めて洗ってくれた。
そして——当然のことながら、男としての『一番大事な部分』も、二人の柔らかく繊細な手によって惜しみなく丁寧に洗われてしまった。
(あああぁぁ……っ! 恥ずかしすぎて死にそう……! でも、ものすごく嬉しいし気持ちいい……っ!)
全身をピカピカに洗い終えた俺は、片手桶で湯口から湧き出る新鮮なお湯を汲み、ゆっくりと全身にかけて泡を流した。
湯船で長湯をしないレイ、ハク、リザ、ハピの四人も、俺の上がり湯に合わせて一緒に浴場を出ることにしたようだ。
湯から上がった妻たちの肌を見れば、まさに『湯上がり卵肌』という言葉がぴったりだった。水分を弾き、ツルツルですべすべに輝いている。
脱衣所へ戻り、大きめのバスタオルで全身の水分を拭き取ってから、自分の脱衣籠を覗き込んだ。
するとそこには、脱いだはずの服の代わりに、完璧に洗濯され畳まれた新しい下着と清潔な室内着が綺麗に用意されていた。
「ふふ、ブラルルたちメイド組は、本当に良い仕事をしてくれるなぁ」
至れり尽くせりの最高のお風呂と妻たちの愛情に包まれ、俺は心も身体も深く満たされながら、着替えを済ませるのだった。




