第27話 村からの感謝と美少女眷属の甘い素顔!旅立ちの途中に現れた凶悪な盗賊と、怪しく輝く伝説の『妖刀ムラマサ』!!
ブックマーク登録していただいた方、
有難うございます。
ブックマークに登録していただくと評価が上がり、モチベーションも上がりますので宜しかったらお願いします。
賑やかな夕食が一段落した頃、食堂の重厚な扉が開き、フルア村長が村民数人を従えて入ってきた。彼らの手には、ずっしりと重そうな麻袋が幾つも抱えられている。
「ヒロト様、本日は村を絶望の淵から救っていただき、本当にありがとうございました。……このガル村には大した宝もございませんが、村で採れた新鮮な小麦や採れたての野菜をお持ちいたしました。あの大群のゴブリンを退治していただいた報酬としてはあまりに少なすぎることは百も承知しておりますが、まずはこの食料をお納めください」
「いやいや、村長さん! お気持ちだけで十分ですよ──と言いたいところですが、皆さんの真心、ありがたく頂戴いたします!」
俺が歩み寄って温かい麻袋に手をかざすと、ハクの『異次元収納』の光が閃き、一瞬で全ての食料が綺麗さっぱり消滅した。
「おおお……! 何度見ても素晴らしい奇跡じゃ……! 村の英雄であられるヒロト様は、当村では大歓迎いたしますので、いつでもお越しください! 今夜の食事はささやかながら村からの感謝の証です。どうかお腹いっぱい食べていってくださいね!」
「ありがとうございます! いただきます!」
その後はフルア村長も席に加わり、和気あいあいとした宴が続いた。
俺の右隣にはマリンブルーの髪を揺らすハク、左隣にはエメラルドグリーンの瞳を輝かせるレイ。向かいには少し照れくさそうに微笑むアリア。そしてヒナは、テーブルに並べられたジューシーな肉料理に満面の笑みを浮かべ、豪快に噛みついていた。
「んむぁ〜〜っ! やっぱりちゃんとした味がついたお肉は最高ねーっ!」
「ははは、ヒナ。さっきアキートさんから極上の調味料や調理器具を買い込んだから、拠点に持っていってくれな」
俺は購入したばかりの塩やスパイス、頑丈な鍋などをヒナに託した。これでダンジョンでの拠点生活の食生活も少しは改善されるだろうか……? まあ、ヒナ自身は料理を一切しないので、きっと料理上手のコボミあたりに丸投げするのだろう。どこかに専属シェフになってくれるような料理が得意な眷属、現れないかなぁ。
宴が終わり、あてがわれた宿屋の部屋に戻る。
ハクは白蛇の姿へ、レイはしなやかな蔦の姿へと戻り、それぞれ俺の両腕へと心地よさそうに巻き付いた。ヒナを一度送還し、代わりにスラオを呼び出す。
念のため、夜間の警戒役としてコボミとスパを召喚した。
「召喚ありがとうございます、ヒロト様! 今度はぜひ、私もお外の戦いへ連れていってくださいね?」
そう言って可憐な尻尾を振るコボミに、俺は苦笑いを浮かべた。
「お、おう! 人間の町の中以外なら、ぜひとも頼むよ」
「はいっ! よろしくお願いします!」
コボミはパッと顔を輝かせ、満面の笑みを咲かせた。
続いてスパが、小蜘蛛の姿で俺の肩へと登ってくる。
「ヒロト様、私は送還しなくても大丈夫ですよね……? 左手のワンポイントとして、ずっとお側に置いてくださいな」
(ん? 快適な拠点ダンジョンにいるより、俺の側にいたいのか?)
「分かったよ、よろしく頼むな、スパ」
「はいっ♪」
スパも嬉しそうに足を脚をパタパタと動かした。
ふかふかのベッドに横たわる。やっぱり本物のベッドは最高だ。今日も怒涛の一日だった……。
◇
翌朝。朝靄が晴れる頃、コボミを送還してから1階の食堂へ降りていく。
「ヒロトさん、おはようございます!」
カウンターにいたアリアが嬉しそうに声をかけてきた。
「おはよう、アリアさん」
「あの……昨日の素敵な女性たち……ハクさん、レイさん、ヒナさんはどうされたんですか……? お部屋にもいらっしゃらないようですが……」
アリアが不思議そうに首をかしげる。……うーん、召喚や送還、人化のシステムを説明するのはちょっと面倒だな。
「すみません、それはお教えできないんです。仲間やスキルの詳細は秘密にしているので」
「そうですか……。出しゃばったことを聞いてしまって、こちらこそすみません……」
アリアは少し唇を尖らせ、いじけたような可愛い表情を見せた。
朝食を済ませると、俺たちは次の目的地である『ガリアの町』へ向けて出発準備を整えた。
護衛兼案内としてライゾウを召喚。今回の旅のメンバーは、俺、商人のアキートさん、アリア、レイクの4人。眷属からはハク、レイ、スパ、スラオ、そしてライゾウだ。
今回は馬車での移動となるため、巨大なドラゴンのリザは拠点待機となった。
そう、昨日の大激闘を経て、リザはついに本物の『ドラゴン』へと進化を遂げたのだ! 体長を自由に伸縮できる褐色の美麗な鱗を持つ西洋竜で、頭部に2本の立派な角を持ち、広大な翼で空を飛べるらしい。眷属たちがどんどん規格外に強くなっていく……!
ちなみに、アイは『憑依』で俺と一体化しているため、実質ずっと一緒だ。
そしてサンダーバードへと進化したライゾウは、現在体長50センチほどの愛らしい小鳥サイズになって馬車の隅にとまっている。全身を紫電と化して超高速移動できる恐ろしい鳥なのだが、今の姿はただの黄色い鷲の雛みたいで実に微笑ましい。
馬車が街道を順調に進んでいた──その時!
(……ん? 前方に怪しい人間の魔力反応だ)
アイの魔力探知が反応した。進路上に5人、さらに街道の両脇の草むらに左右4人ずつ、計13人の人間が潜んでいる。
レイクとアリアに「あの配置、なんだと思う?」と密かに尋ねると、「そんな形で待ち伏せしているのは100%盗賊ですね」との答え。
俺は馬車の中でライゾウに念話し、草むらに潜む左右8人の盗賊を静かに無力化してもらった。一瞬で放たれた微弱な麻痺雷撃により、草むらから倒れる音が聞こえた。
やがて馬車の前に、武器を構えた5人の男たちが立ちはだかった。
「止まれぇっ! ガハハハ!」
薄汚い男たちがニヤニヤと下劣な笑みを浮かべて武器を突きつけてくる。
「命が惜しくば、女と積荷、持っている金を全部置いていきな!」
交渉の余地なし。馬車から顔を出したライゾウが、容赦なく極小の雷撃を解き放った!
バチチチッ!と紫電が走り、5人中4人が白目をむいて一瞬で気絶し、崩れ落ちた。
──だが。
「……ッ!?」
残る1人の男だけは、雷撃をまともに浴びたにもかかわらず、平然と刀を構えて無言で立っていたのだ。
(刀……? それに、あの異様な気配はなんだ……!?)
男が握っているのは、この異世界には不釣り合いな『日本刀』。
禍々しい漆黒と血赤のオーラを纏い、男の目は焦点の合わない半眼。痩せこけた体躯で、ゆらゆらと幽鬼のように揺れている。
俺とアリア、レイクは馬車から降り、距離を取って男と対峙した。
「喰らいなさい!」
レイクが疾風のごとく弓を引き、鋭い矢を放つ!
だが男は──シャキィンッ!と最小限の動きで刀を閃かせ、飛来する矢を完璧に一刀両断してみせた!
すかさず俺は『鑑定』を発動した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:ブルト
種族:人間
性別:男
職業:盗賊
レベル:20
HP:200/210
MP:50/50
スキル:なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(おかしい……レベル20のスキルなしのただの盗賊だ。雷や魔法の耐性もない。なのに、なんでライゾウの雷撃に耐え、レイクの矢を斬り落とせる……!?)
「『ファイアーバレット』!」
スラオが放った高熱の炎弾が迫る!
しかし男は、それすらも刀の一閃でバシィンッ!と叩き斬って消滅させた。
(強すぎる……! いや、待て……強すぎるのは男じゃない!)
魔力探知の視界を切り替えると、男の手にある『刀』へ、渦を巻くような異常な量のドス黒い魔力が集結しているのが見えた。男はただの『傀儡』に過ぎない!
俺は男ではなく、その手に握られた『刀』へ意識を集中して鑑定を叩き込んだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:ムラマサ
種族:妖刀
性別:なし
レベル:40
HP:500/500
MP:50/50
スキル:
斬味上昇
魔法耐性(LV5)
自動回復(LV4)
憑依(LV4)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(意思を持った意志ある魔物……いや、『意志持つ武具』か!!)
正体が分かれば話は早い! 人間ではなく魔物カテゴリであるならば──俺の固有スキルが牙を剥く!
俺は男の手元へ右手を力強く突き出した!
「──『テイム』!!」
<ピンポーン♪ 妖刀『ムラマサ』をテイムしました。>
脳内に響くシステム音!
その瞬間、男の手から刀が離れ、意思を持った生き物のように空を舞い、吸い寄せられるように俺の手元へと飛んできた!
バシッ!!
俺は飛来した妖刀の柄を右手で完璧にキャッチ!
続いて飛んできた美しい黒漆塗りの鞘を左手で受け止めると、そのまま刀を鞘へと一気に納めた。
ジャキィンッ……!
妖刀という名の『主』を失った盗賊の男は、糸が切れた人形のようにその場へ崩れ落ち、昏睡した。
(ヒロトだ。これからよろしく頼むぞ)
俺が心の中で呼びかけると、頭の中に古風で凛とした男の念話が響いた。
(……ムラマサと申す。主殿、良き主を得たこと、心より感謝致す)
(ムラマサと言ったら、俺の故郷の伝説に名高い『斬味凄絶無比』の妖刀だよ。一度抜けば血を見るまで止まらないって有名なんだ)
(『斬味凄絶無比』……! かかかっ、なんとも誇らしく、胸に刺さる至高の誉め言葉でござるな! 左様、本来ならば我の『憑依』で持ち主の意識を狂わせ、人を殺め尽くすまで止まらぬ定め……されど、主殿の眷属となった今、主殿の意思を乗っ取るような無体は決して働けませぬ。主殿の腕となり、敵を断ち切るのみ!)
(頼もしいな。最高の相棒になってくれそうだ!)
俺はミスリルロングソードをハクの異次元収納へと納め、代わりに怪しい輝きを秘めた『妖刀ムラマサ』を腰の帯へと静かに差し込んだのだった──!
いつも読んでいただきありがとうございます。
評価ポイントを登録していただいた方はありがとうございました!
まだ登録いただいていない方、気が向いたら登録していただくと嬉しいです。




