第254話 VS蚩尤(その2)
灰色の霧が辺りに広がった。
周りが見えなくなった。
「何だこれ?」
ユイから念話が入る。
ユイ(この霧、危険です。
周りが見えないし、魔力探知も効かない。
全般的に魔力の効きも悪くなっているみたい。)
(風魔法で飛ばせないの?)
ユイ(風魔法でも動きません。)
スクルド達、ヴァルキリーからも念話が入る。
攻撃を受けているらしい。
こちらからは見えないが、敵からこちらの動きが見える様だ。
「スラオ、暴食のスキルで、この霧を吸い込めないか?」
スラオ「無理でした。」
むむ。そうか。
全員に念話で状況確認する。
唯一抵抗できたのはライゾウぐらい。
相手が霧の中、急に現れても光の速度で瞬間的に対処している様だ。
他のメンバーは多かれ少なかれ、敵の攻撃で傷を負った。
取敢えず送還しよう。
念話で皆に撤退の連絡。
レイが念話で『私の本体がある世界樹の前に送還した方が良いです。』と言うので、世界樹前に送還した。
その時、蚩尤の矛が灰色の霧を突き抜け飛んできた。
スラオが瞬間的に矛を受け流す。
しかし、咄嗟の防御で完全には流しきれず、心臓に目掛けて飛んできた矛は、左肩を突き抜けた。
「痛!」
右手で左肩を押さえる。
レイがすかさず回復魔法を放ち回復するが、蚩尤達の攻撃は止まらない。
雷公の雷撃が、雨師の水流が、風伯の風刃が俺を襲う。
スラオが辛うじて防ぐが、スラオも俺も傷ついていく。
都度レイの回復魔法が俺を包む。
レイ「魔法が阻害されて効き目が悪いです。一旦引きましょう。」
「そうだな。しかしこの霧を何とかしないと次も同じだ。
スラオ霧を収納出切るか?」
スラオ「少しなら。」
スラオに霧を少量影収納して貰い転移した。
俺が転移した直後、蚩尤の酋矛が俺の居た空間を突き抜けた。
蚩尤「逃したか。次は無いぞ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は世界樹前に転移した。
レイが俺に最高の回復魔法をかける。
俺の身体の傷は治り、完全回復した。
目の前には、傷付いた仲間達がいた。
レイが回復していたが、項垂れ地面に腰を降ろしている。
ライゾウだけは仁王立ち。
デルガ、デステル、ヴァンスは腕を組んでいたが、俺が転移してきたのを見て跪いた。
応龍のハク、魔女のサクラ、吸血鬼真祖のヒナ、不死王のルシー、麒麟のコボミ、霊亀のリザ、鳳凰のハピ、悪魔バエルのスパ1、天使のアリア、俺の妻達が心配して来ていた。
ハク「大丈夫?」
「怪我はレイに治療して貰ったので問題ない。」
ハクは俺に抱きついてきた。
ヒナ「初めての敗北ね。」
「そうかもな。」
ルシー「あの霧は厄介ね。」
「うん。対処の方法が見つからないうちは攻撃出来ないな。」
ヒナ「サクラ、霧について何か知ってる?」
サクラ「スパ1の念話で見ただけでは、効果や内容は良く分からないけど、異世界転移する前の中国の伝説にも似たような話はあったわ。」
ヒナ「え、本当!」
サクラ「黄帝が蚩尤を破った涿鹿の戦いでは、指南車を使って霧の中を進み、角笛の響きで敵を怯ませて倒したはず。」
ヒナ「指南車を作れば良いのね!」
サクラ「指南車は霧の中で、何処に蚩尤軍がいるか指し示すだけだから、霧の中で戦いになった場合の対処方法とは言えないわ。」
「そうだな。蚩尤の居る方向だけ分かっても、倒せるかどうかは分からないね。」
ヒナ「他には何か無いの?」
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