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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第25話 絶望の威圧を破る覚醒の『憑依』!前世の空手技で一撃必殺、そして美少女へ進化した眷属たちに迫られて!?

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「「「グゴォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!!」」」


 地獄の底から響くような地鳴りの咆哮が戦場全体を揺らし、恐ろしい威圧感が津波となって押し寄せてきた。


 その圧倒的なプレッシャーと恐怖の波動に、レベルの低い村人たちや訓練途中のコボルトたちは、魂を抜かれたようにその場で膝を折り、ガタガタと震えて動けなくなってしまう。


(ヤバい……! なんだあいつは……!?)


 樹海の奥から悠々と姿を現したのは、普通のゴブリンよりもふたまわり以上巨大な3メートルを超える巨躯。凶悪な意匠が施された巨大な黒鉄の大剣を片手で軽々と掲げ、立っているだけで周囲の空気が重く押し潰されるような強烈な存在感を放っている。


 すかさず、左手甲のイビルアイ・アイから『鑑定結果』が脳内へと報告された。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:なし

 種族:ゴブリンジェネラル

 性別:♂

 レベル:50

 HP:600/600

 MP:300/300

 スキル:

  剣術(LV8)

  咆哮

  火魔法(LV8)

  魔法耐性(LV8)

 その他:

  ゴブリンキングの眷属

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(レベル50……! しかも『魔法耐性LV8』だと!? おまけにゴブリンキングの眷属……上位の幹部個体か!)


「ハッ、邪魔だぁぁッ!」


 ライゾウが身体をしならせ、全身から紫電を爆発させて渾身の『極大雷撃』を撃ち放った!


 空を割る超高速の雷光──だが、ゴブリンジェネラルは大剣を一閃させ、正面から雷撃をバチィィンッ!と豪快に弾き返した!


 身体に余波の雷がまとわりつくが、魔法耐性LV8の壁に阻まれ、ダメージは皆無。鼻で笑っている。


「シャァァッ!」


 ハクが死角から影のように躍り出ると、ジェネラルの太い首元へ牙を剥いて飛びついた!


 しかし、巻き付くより疾く、ジェネラルの丸太のような左手がハクの胴体をガシッと鷲掴み! そのまま地面へと容赦なく叩きつけ、遠くへ投げ飛ばした!


「ハク!」


「『ファイアーバレット』連射ぁッ!」


「イアッ!」


 スラオの炎弾と、コボ5の放つ攻撃魔法が同時に着弾!


 爆発の凄まじい音と閃光がジェネラルを呑み込み、土煙が巻き上がる。──だが、光が晴れた跡には、煤ひとつついていない無傷の将軍がニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべて立っていた。


 さらにアイが『魅了チャーム』を発動し、ジェネラルの背後に連なっていた配下のゴブリンたちを操って背後から襲いかからせる!


「ぬおおぉぉっ!」


 しかし、ジェネラルは大剣を背後へ向けて横薙ぎ一閃!


 一撃で無数の配下ごと周囲の樹木を一網打尽に切り刻み、惨殺してしまった。


「全軍、針弾掃射!!」


 女王蜂ビーと100匹のキラービー軍団が空中から無数の『針弾ニードルバレット』を降り注がせる!


 しかし、ジェネラルの鋼鉄のごとき皮膚にはカキンカキンッと弾かれ、まるで本当の雨のように虚しく地面へ落ちていく。刺さる気配すら無い。


「ガハハハハ! 何だこれは、マッサージのつもりかぁ!? 小虫どもが!」


 ゴブリンジェネラルは下劣な大笑いを響かせ、威圧感をさらに高めていく。


(くっ……遠距離も魔法も近接も通用しない……打つ手が無しか!? 一度撤退か……!? いや、威圧で動けなくなった仲間や村人たちがいる以上、俺だけ逃げるわけにはいかない……!)


 冷や汗が背中を伝う俺の頭の中に、アイの無機質ながらどこか誇らしげな念話が響いた。


(主様……新しいスキル『憑依』、覚えた。つかう?)


(えっ、『憑依』……!? アイが俺に合体するのか!? ……いいぞ、使ってみよう!)


「──『憑依』!」


 次の瞬間、左手甲のアイが光の粒子となって俺の全身へと流れ込んできた!


 特に左目に強い熱感と違和感が走り、視界が世界の本質を見通すように鋭利へと変貌する。鏡はないが、きっと今の俺の左目は怪しく輝く綺麗なオッドアイになっているはずだ。


 脳内にアイの権能が爆発的に流れ込んでくる!


(【鑑定】【魅了】【浮遊】【飛翔】【MP吸収】【魔力探知】……! アイの全スキルが俺の肉体でダイレクトに使えるようになったのか……! これなら戦える!)


 俺はハクの異次元から取り出しておいた『ミスリルのロングソード』の柄を強く握り締めると──『飛翔』を発動!


 重力を置き去りにして空を滑るように飛び、ゴブリンジェネラルの正面へと降り立った。


「ヒ、ヒロトさん……!?」「ヒロト様ぁッ!」


 後ろの土壁の上から、レイクやアリア、眷属たちが息を呑んでこちらを心配そうに見つめているのがわかる。


「行くぞ……!」


 俺はミスリルソードを正眼に構えた。右足を一歩前に出し、体重をしっかりと後ろ足へ乗せる。


 ──ふと、前世の記憶が蘇った。


 まだ小さかった子供の頃、空手道場に通って無心で突きを打ち込んでいたあの感覚。厳しかった師範の教えが、脳裏に鮮烈に響き渡る。


『相手の目を見ろ! 絶対に目を離すな! 敵の攻撃の起点も軌道も、全ては目を見ればわかる!!』


 集中力を研ぎ澄まし、ゴブリンジェネラルの濁った黄色の瞳をじっと注視する。


 ジェネラルはニヤリと不快に口を歪めると、巨大な大剣を頭上高く上段に構え、俺の頭部を一点に見つめた。


 ──上から下へ叩き斬る、渾身の袈裟斬り。


『相手が攻撃を叩き込もうと動いた瞬間こそ、最大の隙だ! 相手は防御ができない! 敵より速く、最短距離を突き込むこと……それこそがカウンターの極意なり!』


 ゴブリンジェネラルの上段に構えた大剣の切っ先がピクリと微動し、筋肉が収縮して体重が後ろ足へ乗った──まさにそのコンマ一秒の始動の瞬間!


「──ふっ!!」


 俺は後ろ足で力いっぱい地面を爆破するように蹴り飛ばすと同時に、『飛翔』の推進力を頭上ではなく『真前』へと全開で指向させた!


 瞬神のごとき加速! 直線上の最短距離!


 シュッ──!!


 俺の握るミスリルのロングソードが、一筋の銀光となってゴブリンジェネラルの太い喉元へと深々と突き刺さり、その首ぐっと貫通して後ろへと突き抜けた!


「ゴバっ……!?」


 遅れて振り下ろされたジェネラルの大剣は、俺がコンマ数秒前にいた空間を虚しく一刀両断する軌道を描く。前に出る俺の踏み込み速度が圧倒的すぎたため、俺の身体はその斬撃の内側──いわゆる『懐』へと完全に潜り込んでいたのだ!


 そのまま前へ突進する運動エネルギーが、3メートルを超えるジェネラルの巨体ごと後ろへと力任せに吹き飛ばす!


 ドサァァァンッッ!!


 倒れ伏したジェネラルの首筋から、俺は一気に刃を引き抜き、そのままの勢いで首級を絶ち落とした。


 勝負は──ほんの一瞬、刹那の閃光の中で決した。


 ピコン──♪ ピコン──♪


 頭の中に、レベルアップと眷属たちの劇的な進化を告げるシステムメッセージが、収まりきらないほどに怒涛の勢いで鳴り響き始める。


「ふぅ……終わったか……」


 刀身についた血を払い、息を吐いた瞬間──。


「ヒロト様ぁ〜〜〜っ!」「主様……っ!」


 見知らぬ二人の超絶美少女が、左右から俺の腕へと一斉にしがみついてきた!


 右腕にぎゅっと抱きついてきたのは、吸い込まれそうな色白の肌を持つ美少女。


 マリンブルーの美しい長い髪とつぶらな瞳、そして白とオレンジを基調とした、どこか格式高い巫女服のような衣装を纏っている。


 俺は誰だ……?という顔をして、まじまじと見つめた。


「ハクだよ! 進化して『ラミア』になったの!」


「えっ!? ハクだったのか!? ……でもラミアって言ったよね? 足がちゃんと生えてて、人間と全然変わらないように見えるけど……?」


 ハクは自慢気にふふんと胸を張った。


「ふふ〜ん、人型に『変化』できるようになったのよ! すごいでしょ?」


「おお、すごいな! ……ところで、その巫女さんみたいな服はどうしたんだ?」


「これはハクの身体の一部(脱皮した鱗や皮の魔力変化)だよ! 裸は恥ずかしいもん!」


「あ、なるほどね」


 ハクはマリンブルーの目を輝かせ、顔を近づけて甘えるように首をかしげた。


「ねえねえヒロト様……ハク、可愛い……?」


「もちろん、すごく可愛いよ!」


「えへへ〜〜っ♪」


 そう褒めると、ハクは嬉しそうに俺の腕へ頬をすりすりと寄せてきた。


 ……ということは、左腕にぎゅっとしがみついてきている、もう一人の美少女は──。


 エメラルドグリーンの美しいロングヘアと瞳。切れ長の大人びた目元に、ほんのり薄緑がかった神秘的な肌。葉や蔦、色鮮やかな花柄があしらわれたドレスを纏った、可憐で幻想的な美少女だ。


 左側を向いて声をかける。


「……レイか?」


「はい……ドリアードに、なりました……っ」


「レイも、すごく可愛いよ!」


「っ……あ……!」


 そう言うと、レイはぽーっと顔を真っ赤にし、両手を頬に当てて「はうぅ……」と恥ずかしそうに固まってしまった。可愛すぎる。


「ドリアードは植物の最高峰、精霊族だぞ」


 ライゾウが横から歩み寄ってきて教えてくれた。


「私……精霊に、なった……っ!」


 レイは嬉しそうに自分の手を握りしめている。


 そこへ──。


「ヒロト〜〜〜っ! 私も進化完了したよーっ!」


 ガスマスクを外したヒナが、太陽の眩しい光の下へと元気いっぱいに飛び出してきた!


「見て見て! 吸血鬼の『第三世代』に進化したの! これで真昼の太陽の下でも全っ然平気に生活できるようになったよー! 今日の夜は勝利のお祝いに、外食ヨロー!!」


 ヒナは太陽の光を浴びながら、万歳をしてはしゃぎ回っている。日中の活動に支障がなくなったらしい。まあ、本気で戦うなら夜の方が戦闘力が上がるみたいだけど、これは大進歩だ。


「よし……! みんな怪我も無いし、大勝利だな!」


 美少女に進化した眷属たちに囲まれながら、俺は達成感で胸を満たし、青空を見上げた──!

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔物で集落じゃなく国だったんだ(笑)
2019/11/18 15:25 退会済み
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