第241話 難民
夸父を退けて古竜山脈の龍脈を封印し、雷公を退けて竜王山の龍脈を封印した。
俺は樹海帝国城のいつものリビングにいて、妻達と念話で状況を見守っていた。
異世界転移者でダンジョンマスターである吸血鬼真祖のヒナが口を開く。
ヒナ「皆、進化していくねー。
置いていかれる様だわー。」
同じく転移者で深淵の魔女サクラが同意した。
サクラ「そうね。悪魔や亜神は強力な力を持つわ。」
人間から天使に進化したアリアが話に加わる。
アリア「ヒナもサクラも進化出来るんでしょ?」
サクラ「進化出来るけどね。
長年魔女だったからね、踏ん切りがつかないのよ。」
ヒナ「私はねー。妊娠中だから胎児の影響が気になってねー。」
そう、妻達は妊娠している。
異世界転移してから、幾年も共に戦って来た最高戦力の妻達が産休中で、他の眷属達に頼った戦いになっているのだ。
不死王のルシーも会話に混ざってきた。
ルシー「私達が産休中だから眷属達が前線で戦うことになって、その結果進化した者が増えたんだよ。」
その時、アラクネエンペラーから悪魔バエルに進化したスパ1が出現した。
スパ1「陛下、小国群に南の王国から難民が庇護を求めて殺到しています。」
「南の王国で何かあったな。
南の王国にはアンナの眷属である翅蟻達が監視していたはずだけど、まだ監視している翅蟻は残っているか?」
キラーアントエンプレスから悪魔パイモンに進化したアンナが現れた。
アンナ「まだ残っています。
南の王国では、魑魅魍魎が大発生しています。」
「大発生!」
アンナ「南の王国の兵士達のほぼ全てが、樹海帝国に進軍してきたところを、我が樹海帝国が撃退しました。
その為、都市の防備は不十分となり、魑魅魍魎を撃退出来無い様です。
何とか衛兵が進撃を食い止めている都市もあります。
しかし村や町レベルでは対応できないところが多いです。
その為、魑魅魍魎達が来る前に家財道具一式を持って難民となっています。
難民達は北上しています。
雪崩のように北へ北へ進んでいます。
恐らくは、小国群に庇護を求める難民は時間がたつ程爆発的に増えるでしょう。」
「南の王国全体の話なのかね。」
アンナ「それは分かりかねます。
私の眷属は以前陛下がお忍びで行った、南の王国の西部にしかおりません。」
「そうだったね。スパ1と手分けして至急南の王国について全体の状況を監視してくれ。」
アンナ「承知しました。」
「樹海帝国で南の王国と隣接してるのは・・・。
ヴァンスの国と有翼人国、アマゾネス国、大自然南部、大自然西部か。」
スパ1「小国群は現在殆ど全てが樹海帝国の属国です。」
「え!そうだっけ?
ヴァンスの国とアマゾネス国、有翼人国。
それから、以前南の王国のモリー公爵軍と一緒に戦ったサルダス国、サウナバ国、サムルド国の3国。
これらは知ってるけど、他はいつの間に属国になった?」
スパ1「アマゾネス国女王ヒポリュテが小国群を平らげました。」
「おや、こんな短期間に凄いね。」
スパ1「いや、ヒポリュテが凄いのではありません。
度重なる戦禍で疲弊しきった小国群の各国が、ヒポリュテに助けを求めて、挙って属国にして欲しいと嘆願したのです。」
「アマゾネス国に他国を支援するような物質は余分に無いでしょう?」
スパ1「陛下が入手した『千尋の洞窟』をフル活用した様です。
モリー公爵軍をダンジョンの上で殲滅した時に大量のDPを取得出来ました。
そのDPで難民受け入れ用の建屋と食料を準備しました。
更にその戦場に難民を受け入れ、難民が留まる事で日々DPが貯まります。
そのDPで日々の最低限の食料を得ています。
そして難民キャンプと化したダンジョンの下に狩り用のダンジョンを構築して、難民の中で強者は冒険者として仕事も得ています。」
「成る程ねぇ。
ダンジョンで難民を受け入れるのは、いいアイデアだ。
その方向で、今後の難民受け入れをしようか。」
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