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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第21話 100匹のゴブリン大軍勢が村へ襲来!?逃げ惑うクソ冒険者アギトとドレイク駆る俺たちの爆速出撃!!

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 一夜が明け、爽やかな朝の光が木造の客室に差し込んでいた。


 異世界での初めての夜は、眷属たちの鉄壁の警戒のおかげで何事もなく穏やかに過ぎ去った。


 ベッドから起き上がった俺は、まず昨日の不快なCランク冒険者アギトたちの動向を確認するため、手甲の装飾に扮しているスパに問いかける。


「スパ、昨日のバカ冒険者たちは今どうしてる?」


(ヒロト様、おはようございます。あの者たちは朝一番で村の外へ出て行きましたわ。村長からの依頼である『ゴブリンの偵察』に向かったようです)


「そっか、ありがとう。とりあえず俺たちにこれ以上直接絡んでくる心配はなさそうだね」


(はい。ですが油断は禁物ですわ。小蜘蛛による警戒は継続いたします)


「頼むよ、スパ」


 部屋を出て一階の酒場兼食堂へと階段を降りていくと、俺の姿を真っ先に見つけたアリアが、ぱっと表情を明るくして駆け寄ってきた。


「ヒロトさん! おはようございます!」


「アリアさん、おはよう。元気に復調できたみたいで良かったよ」


 その奥では、商人のアキートが幾つものテーブルに布を敷き、木箱から様々な商品を手際よく並べていた。


「ヒロト様! おはようございます!」


「アキートさん、おはようございます。その商品は……?」


「ふふふ、宿屋の一角をお借りして、本日限定の『臨時アキート商会』を開くのですよ。本日は終日接客で大忙しになりそうなので、ヒロト様はアリアたちと先に朝食をお召し上がりください。ガリアの町への出発は明朝となりますので、今日は一日、のんびりと村の散策を楽しんできてくださいね!」


「分かりました。ありがとうございます」


「ヒロトさん、お席はこちらです!」


 アリアは俺の手をぎゅっと自分の両手で包み込むと、嬉しそうに照れ笑いを浮かべながら、アキート商会のテーブルへと案内してくれた。


 そこでは弓使いのレイクが既に朝食を摂っていたが、俺の姿を見ると手を止め、爽やかな笑みを向けた。


「ヒロト殿、おはよう」


「レイクさん、おはようございます」


 アリアに「こちらへどうぞ!」と隣の席を促され、彼女の真横に腰を下ろす。


 テーブルには俺の分として、焼きたての香ばしいパン、湯気が立つ野菜スープ、ジューシーな肉料理、そして新鮮なサラダがずらりと用意されていた。


(ヒロト、そのお肉は【オークの肉】だよ。栄養満点でとっても美味しいよ!)


 左手の手甲に擬態したアイから、可愛らしい念話の解説が入る。


(お、瞬時に鑑定してくれたんだね。アイ、サンキュー!)


 忙しそうに商品の陳列を進めるアキートの様子を遠目に見ながら、俺はアリア、レイクと共に豪華な朝食を味わい始めた。


「ヒロトさん……昨日は本当にありがとうございました。あのCランク冒険者のアギトは、ガリアの町でもトップクラスの実力者で……私、もっと上手に断れれば良かったのですが……」


「いえいえ! アリアさんは何も悪くないですよ。毅然とした態度でキッパリと突っぱねていた姿、すごく格好良かったです!」


「えっ……かっ、格好良かった……!?」


 俺の言葉に、アリアは瞬時に顔をリンゴのように真っ赤に染め上げた。


「そ、そんなことないです……っ! はず、恥ずかしい……!」


 アリアは恥ずかしさの限界に達したのか、テーブルにあったメニューの紙を手にして、猛烈な勢いで自分の顔をパタパタと扇ぎ始めた。その必死で愛くるしい仕草に、隣のレイクがニヤニヤと生温かい視線を送っている。


 アリアは呼吸を整えると、決意を固めたように真剣な瞳で俺を直視してきた。まるで想いを告白するかのように、手にぎゅっと力を込める。


「あの……ヒロトさん! もしよろしければ……私達の傭兵団に入っていただけないでしょうか……!?」


 一瞬の静寂。アリアの熱い眼差しに対し、俺はすまなさそうに苦笑いを浮かべた。


「……申し訳ありません、アリアさん。お気持ちはとても嬉しいのですが……お断りさせてください」


「そう、ですよね……。ヒロトさんはお一人でも次元の違うお強さですし、落ち目の私達の傭兵団に入るメリットなんて、何一つありませんものね……」


 落胆して肩を落とすアリアに、俺はフォローを忘れない。


「いやいや、そんな理由じゃないですよ! 実は俺には……どうしても他人に言えない『特別な秘密』がありましてね」


(何しろ、大量の激レア魔物を眷属にして地下ダンジョンを拠点にしてるからなぁ……。普通の人間の集団に交じって生活するのは、正体がバレた時に大騒ぎになるから不可能なんだよな)


 俺の言葉に、アリアは「はぁ……そうなんですか……秘密、ですか……」と深いため息をつき、寂しそうに肩をすくめた。


「そういえば、アキートさんから村の散策でも勧められたんだけど、アリアさん、良かったら案内してくれないかな?」


「あっ……すみません……! 本当は今すぐにでもご一緒したいのですが……私達は亡くなった仲間たちの埋葬と、アキート商会の臨時店舗の手伝い・護衛の契約を結んでいるんです……」


 申し訳なさそうに俯くアリア。


「そっか、残念だな。じゃあ一人でぶらぶら見てくるよ!」


 ◇


 食後、俺は長閑な農村の風景をのんびりと散策することにした。


 青々と茂る畑や、家畜たちが草を食む牧場を眺めながら歩く。途中で見つけたみずみずしい採れたて野菜や、濃厚で香ばしいチーズなどの乳製品を、村の人々と直接交渉してコインで購入。ハクの『異次元空間』へと放り込んでおく。拠点にいるヒナたちへのお土産にしたら絶対に喜ぶはずだ。


 そんな平和なスローライフを満喫していた時──脳内にスパからの緊迫した念話が突き刺さった!


(ヒロト様!! 小蜘蛛からの緊急報告です! ゴブリンの大群が……この村へ向かって急速に接近してきます!!)


「なにっ!? そりゃ大変だ!!」


 俺は即座に眷属共有を展開し、小蜘蛛の視界を確認する。


 位置は村から歩いて半日ほどの距離。不気味な足音を響かせ、木々をなぎ倒しながら進む緑色の醜悪な津波が見えた。


「スパ、敵の規模はどれくらいだ!?」


(確認できるだけでも……【100匹】を遥かに越える大軍勢ですわ!!)


「100越え!? この規模の村が一瞬で崩壊する数じゃないか!」


 俺は一瞬でスローライフ気分を吹き飛ばし、全力で宿屋へとダッシュした!


 バコンッと宿屋の扉を開け放ち、アリアとレイクの元へ駆け寄る。


「レイクさん! 大変だ! 俺の眷属からの情報で、100匹を超えるゴブリンの大軍勢がこの村へ向かって侵攻してきてる!!」


「何だとっ!!? ひ、100匹超えだと……!?」


 レイクは絶句し、険しい表情で激しく長考に入った。


「ヒロトさん! すぐに村人に避難を呼びかけて、私達で少しでも足止めをしないと……!」


 あせるアリアに対し、レイクが冷静かつ残酷な現実を突きつけた。


「待て、アリア……! 村長や村人に何て説明するつもりだ? 『ヒロト殿の眷属の魔物が教えてくれた』なんて言ってみろ。村人はヒロト殿の連れている強力な魔物を見てパニックを起こすぞ! 最悪の場合、この大軍勢すらヒロト殿が引き寄せた悪行だと疑われかねん!」


「っ……! 確かに……あの恐ろしい魔物たちは、予備知識のない村人から見ればゴブリン以上の脅威に見えてしまうかも……」


 アリアがハッと息を呑む。レイクの分析はまさに正論だった。見知らぬ異邦人が「巨大な魔物が言っていた」と主張しても、恐怖と混乱を煽るだけだ。


 レイクは俺に向き直り、真剣な眼差しで頼み込んできた。


「ヒロト殿……不躾なお願いで申し訳ないが、俺と一緒に偵察に行ってはくれないか!? 『現役傭兵である俺が直接この目で見た』と説明すれば、村長も村人も疑わずに即座に避難動告を受け入れる!」


「分かりました! すぐに行きましょう!」


「よし! アキートさんにも状況を説明してくる!」


 レイクは迅速にアキートへ事態の急変を告げた。アキートも青ざめながら「分かりました! こちらはいつでも撤収できるよう準備を進めます!」と即座に快諾。


 アリアは村に残って臨時店舗の撤収と、万が一の際の避難誘導を担当することになった。


 村の出入口にて、アリアが溢れんばかりの不安を瞳に宿し、俺の両手をキュッと力強く握りしめてきた。


「ヒロトさん……! ヒロトさんがお強いのは分かっていますが……どうか、絶対に無理はしないでくださいね……っ!」


「俺はそんなに強くないですよ。でも、心配してくれてありがとうございます、アリアさん」


 温かい言葉をかける俺たちを見て、隣のレイクが「おいおい、俺への心配はゼロかよ?」とニヤニヤしながら肩をすくめた。


「レイクはどうでもいいわよ! さっさと行って帰ってきなさい!」


「ひでぇ言い草だな!」


 アリアは照れ隠しで顔を赤くしながら軽口を叩く。二人の絆の深さが垣間見える一幕だった。


「よし、出撃だ!」


 俺とレイクは村の門を飛び出した。


 村の防衛線を抜け、門番たちの視線が完全に届かない樹海の影に入った瞬間──俺は溜め込んでいた真の力を解放する!


「おいで、リザ!」


 ゴーッと大気を揺るがす圧迫感と共に、全長十メートルを超える漆黒の巨竜【ドレイクのリザ】を召喚!


「うわあぁぁぁっっ!!? ド、ドレイクだとぉぉぉっ!?」


 腰を抜かしかけるレイクの襟首を掴み、リザの鞍(スラオが変形した極上の座席)へと強引に引き上げる!


「レイクさん、舌を噛まないようにしっかり掴まっててくださいね! リザ、ライゾウ、ビー、コボミ、出撃だ!」


((((((オーーッ!!))))))


 リザの頭上には紫電を纏う雷獣ライゾウ、上空には巨大なキラービークイーンのビー、そして地上には索敵特化のコボミとアイ!

 圧倒的な戦闘威容を誇る『ヒロト軍団』が、凄まじい地鳴りを立てて樹海を爆進する!


「ひえええぇぇぇっ! は、早すぎるぅぅぅっ!」


 叫ぶレイクを背に乗せ、凄まじい速度で距離を詰めていくと──前方からアイの鮮明な念話が飛び込んできた。


(ヒロト! ゴブリン大軍勢の先頭に……人間を発見! 誰かに追われてるよ!)


「何……!? 人間だと!?」


 木々の隙間から見えてきたのは、血と汗に塗れ、なりふり構わず悲鳴を上げて逃げ惑う『4人の男たち』の姿だった。


 ──昨夜、酒場でイキり散らかしていた【Cランク冒険者アギト】とそのパーティメンバーたちだ!


 すかさず、アイからの詳細な鑑定結果が俺の脳内へ展開される。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

【名前】アギト

 ・種族:人間(男) ・職業:剣士 Lv.31

 ・HP:100 / 300 ・MP:50 / 50

 ・スキル:剣術 Lv.5


【名前】イジキ

 ・種族:人間(男) ・職業:盗賊 Lv.30

 ・HP:200 / 250 ・MP:70 / 85

 ・スキル:盗術 Lv.5


【名前】ソクー

 ・種族:人間(男) ・職業:弓使い Lv.25

 ・HP:100 / 250 ・MP:50 / 70

 ・スキル:弓術 Lv.4


【名前】ルワシ

 ・種族:人間(男) ・職業:僧侶 Lv.29

 ・HP:300 / 350 ・MP:110 / 300

 ・スキル:回復魔法 Lv.5

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━


「助けてくれぇぇぇっ! た、たた殺されるぅぅぅっ!!」


 100匹を超えるゴブリンの大群を村の方角へと引き連れ、情けなく泣き叫びながら逃げてくるアギトたち。


 自分たちの手に負えなくなった大軍勢を村へ擦り付けようという、最悪の自爆行為!


 哀れで醜悪な自称トップ冒険者たちに対し、俺の瞳に静かな冷徹さが宿った──!

いつも読んでいただきありがとうございます。


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