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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第19話 赤面する女傭兵と豪商アキート!明かされる世界観&金貨50枚獲得で狙う、至高の買い出し計画!!

 ゴブリンの脅威が去った街道。

 助けた女傭兵アリアは、未だ興奮と感動の余韻が冷めない様子で、俺の両手をキュッと力強く握りしめていた。


「驚異的な威力の火魔法に圧倒的な回復魔法……それに、あの白銀の蛇のようなムチ……! その不思議な服といい……君はいったい何者なの!?」


「俺はただの『魔物使い』だよ。……まあ、それ以外は秘密ってことでね」


 俺が不敵に微笑むと、アリアは「魔物使い……」と呆然とした声を漏らした。


 どうやら、スラオの変形による炎弾やハクの電光石火の強襲は、アリアたちの目には俺自身が繰り出した高速の攻撃や魔法として映っていたようだ。種明かしをする必要もないので、このまま『凄腕の魔物使い』で押し通すのが無難だろう。


 すると、ゴブリンに襲われていた馬車の扉が静かに開き、中から身なりの良い男が満面の笑みを浮かべて降りてきた。


 身長は170センチほど。手入れされた小綺麗な布服を身に纏い、ヒョロリとした体型に明るく親しみやすい雰囲気を漂わせている。年齢は40歳前後といったところか。短い金髪と澄んだ青い目が特徴的だ。


「は、ははぁ……! 助かりました! 本当に、本当にありがとうございます!」


 男は慇懃にお辞儀をし、俺の着ているパーカーやジーンズを興味津々に凝視した。


「私は商人のアキートと申します。ガリアの街で『アキート商会』というささやかな商会を営んでおります。それにしても……その不思議な仕立ての衣服、この世界の代物ではありませんね? 失礼ですが……貴方は『転移者』様ではありませんか? ……もしかして、伝説の『勇者様』なのでは!?」


「俺はヒロトと言います。勇者なんて大層なもんじゃないですよ。……ていうかアキートさん、『転移者』のことを知ってるんですか?」


「詳しいわけではありませんがね。この世界に魔王が出現した際、異世界から『勇者』を召喚するという伝承は広く知られておりますので」


「おいアリア! いつまでヒロト殿の手を握りしめてるんだ!」


 不意に、仲間を看取っていた弓使いのレイクが呆れたように声を張り上げた。


「えっ……!? あ、ああっ!!? ご、ごめんなさいっっ!!」


 アリアは弾かれたように俺の手を離すと、リンゴのように顔を真っ赤にしてパッと俯いてしまった。照れてもじもじしている姿が非常に微笑ましい。


 そんな俺たちのやり取りを見て、アキートが柔らかな笑みを深めた。


「ヒロト様、貴方はこれからどちらへ向かわれるご予定ですか? 命の恩人である貴方に、ぜひとも十分なお礼をさせていただきたいのですが……」


 そう言って、アキートは馬車の中へと手招きしてくれた。


「俺は近くの町へ行こうと思っていたところです」


「おお! それは素晴らしい! 私どもはこれから『ガル村』を経由し、本拠地である『ガリアの町』へと向かう道中なのです。よろしければ、ぜひ馬車に同乗していただけませんか? ヒロト様が護衛としていてくだされば、これほど心強いことはありません!」


(渡りに船だな……!)


 異世界の事情に詳しい商人と行動を共にし、街までの道中で情報を収集できるのは願ってもないチャンスだ。


「分かりました、同行させてください。ただ、俺は転移者なのでこの世界の常識や情勢に疎いんです。だから護衛料は『この世界の情報』だけで十分ですよ。……あと、道中で手に入れた魔物の魔石を買い取ってもらうことは可能ですか?」


「いやいや! 命の恩人に対して情報を渡すだけで済ませるなど、商人としての矜持が許しません! 今回のお礼と護衛料はしっかりとお支払いさせてください! それに、転移者様とお近づきになれるだけでも我ら商人にとっては莫大な利益となり得るのです。私が知る限りの知識はすべてお話ししますし、魔石も喜んで買い取りさせていただきますよ!」


「そこまで言っていただけるなら。よろしくお願いします、アキートさん」


 俺は納得し、傍らに立っていたレイクへ向き直った。


「レイクさん、俺が倒したゴブリン8匹は俺が回収していいですか?」


「もちろんです! 命の恩人であるヒロト殿の獲物だ、ゴブリンの死体はすべて差し上げます。……正直、これだけでは命の恩に対してお礼が足りなさすぎるくらいですよ」


「ありがとうございます。遠慮なくいただきますね」


 俺はアキートたちに見えないよう上手く遮蔽を作り、服に擬態したスラオへこっそり指示を出した。スラオの触手を地面に伸ばし、ゴブリンの胸から『魔石』だけを瞬時にくり抜いて回収していく。


 くり抜き終わったゴブリンの死体は、リザが巨体を生かして一箇所に素早くかき集めた。


「よし、後片付けも終わらせますね」


 スラオに命じ、死体の山へ『ファイアーウォール』を照射。激しい高熱の炎が一瞬でゴブリンの死体を灰へと焼き尽くした。その手際の良さと魔法の威力に、アキートたちは「凄まじい手際だ……」と目を見張っていた。


 その間に、レイクとアリアは無念にも命を落とした3人の仲間の遺体を、用意した布で丁寧にくるみ、馬車の後部へと慎重に運び入れた。


 アリアとレイクは静かに御者台へと乗り込む。

 俺は雷獣ライゾウを膝の上に抱きかかえて馬車の中へと乗り込んだ。なお、目立ちすぎる巨竜のリザと女王蜂のビーは、タイミングを見計らって一度『拠点ダンジョン』へと送還してある。


 ガタゴトと揺れる馬車の中、アキートは約束通り、この世界の様々な情報を親切に教えてくれた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【アキートから得た異世界情報】


 * ガラード王国:

 俺たちが今いる国家。封建制を採用しており、貴族たちが領主としてそれぞれの領地を治めている。


 * ガリアの町とガル村:

 向かっている『ガリアの町』および『ガル村』は、アーシュ男爵が治める領地内にある。


 ガリアの町は『樹海』で採取される豊富な魔物素材が集まるため、王国でも屈指の賑わいを誇る規模の大きい街。アーシュ男爵の館もあり、樹海に挑む冒険者や荒くれ者が多く集まるため、治安は少々荒れ気味。


 町には『冒険者ギルド』『傭兵ギルド』『商人ギルド』『大図書館』が揃っており、アキート商会もこの町に店を構えている。最近はゴブリンの出現数が異常増加しており、町でも深刻な問題になっているらしい。


『ガル村』は人口100人ほどの小さな農村。


 * 勇者と魔王:

 隣国である『聖教国』にて魔王が復活した際、異世界から『勇者』が召喚されるルールがある。数年前から魔王復活の不穏な噂が囁かれており、近々勇者召喚が行われるのではないかと囁かれている。


 転移者は独自の文化や知識を持っているため、商売に繋がる画期的なアイデアをもたらしてくれる存在として、商人からは非常に重宝されるとのこと。


 * アリアたちの傭兵団:

 アリアとレイクは同じ傭兵団の仲間。しかし、今回死亡した3人は団の主力メンバーだったため、10人程度の小規模な傭兵団である彼らにとって今回の被害は致命的であり、団の存続は厳しい状況らしい。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━


「なるほど……いろいろと勉強になります」


 話が一通り一段落したところで、アキートは約束通り、先ほど討伐したゴブリン10匹分の魔石買い取り代金、そして助けたお礼と護衛報酬を合わせて、なんと【金貨50枚】という大金を惜しげもなく手渡してくれた!


「こんなに貰っちゃっていいんですか!?」


「当然です! ヒロト様は私どもの命の恩人ですからね!」


 予期せぬ巨額の資金を手に入れた俺は、アキートに商談を持ちかけた。


「アキートさん、実は手持ちの衣服や調理器具が足りなくて困ってるんです。この金貨から支払うので、何か譲ってもらえませんか?」


「お安い御用です!」


 俺は金貨20枚を支払う代わりに、アキートの馬車に積まれていた質の良い村人用の服や下着の数々(ヒナ用や俺用など複数サイズ)、上質な革の鎧、頑丈な靴、さらには塩や希少な調味料、鍋や包丁といった調理器具一式を大量に買い揃えた。これでダンジョンでの生活クオリティが一気に跳ね上がるぞ!


 さらに、ハクの異次元空間に大量の魔石や魔物の皮、角、牙が眠っていることを話すと、アキートは「ぜひ我が商会で買い取らせてください!」と目を輝かせた。


 ただ、今は持ち合わせの現金が足りないとのことだったので、ガリアの町に着いた後、アキート商会の本店へ持参して正式に買い取ってもらう約束を交わした。


「そういえば、アキート商会では家具なんかも扱っていますか?」


「ええ! ベッドや机、豪華なソファから収納棚まで、家具なら何でも扱っておりますよ!」


「素晴らしい! 町に着いたら、家具もまとめて買い込ませてもらいますね!」


 ダンジョンの自室や眷属たちの部屋を豪華な家具で満たしていく妄想に、胸が踊る。


 そんな夢のある買い出しトークに花を咲かせていると、道中で魔物に一切襲われることもなく、馬車はスムーズに目的地である『ガル村』へと到着した。


 村の入り口付近にある巨大な大木を見上げると、そこには先行して警戒に当たっていたステ3が羽を休めて佇んでいた。


(ステ3、見張りご苦労様。助かったぞ)


 ステ3(ヒロト様! お役、立った! 良かった!)


 念話で嬉しそうに羽を揺らすステ3を、俺は人目に付かないよう静かに『拠点ダンジョン』へと送還した。


 素朴な木造の家々が並ぶガル村。

 人々の生活の匂いが漂うこの村で、俺たちの異世界観光&買い出し劇がいよいよ幕を開けようとしていた──!

タイトルに第○話を追加しました。


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