第16話 冒険者ギルド
冒険者ギルドは石造りの大きな建物だった。
扉をあけると騒がしい声が聞こえる。
夕方になっていたので、依頼の報告や1階の酒場で飲み始めてる人も多い。
受付に行列ができている。やっぱり綺麗な受付嬢の行列は長く、オッサンの行列は短い。
ボーっと見ていたら、後ろから荒々しい声がした。
冒険者「小僧!邪魔だ退けろ!」
後ろを振り向くと知らない男が右手で俺を横から叩こうとしていた。
「すいませーん。」
棒読みのセリフで答える。
いつの間にかムラマサの魔力が身体を包んでおり、瞬間的にかわしていた。
冒険者は、叩こうとした身体がなかった為、身体が游いで体勢を崩した。
(ムラマサ、有難う。)
ムラマサ(いえいえ、失礼な奴でござるな。斬りましょう。)
(まあ、待て。)
冒険者は謎の革の鎧をきている。
腰にロングソード。
がっしりとした体型。
大柄で190cmぐらいか。
角刈り。ゴリラのような顔。
後ろに仲間が4人いる。
鑑定するまでもない。雑魚だな。
冒険者は舌打ちし俺を睨んだ。
冒険者「俺を誰か分かっているのか!」
「知りません。」
平然として答える。
冒険者「Cランクだ!俺を嘗めるとただじゃ置かないぞ。」
出ました!Cランク。
苦笑だ。
冒険者「見掛けない小僧だな、冒険者登録希望か?」
冒険者は俺の右手のハク、腰のムラマサ、ヒナを見てにやっと嗤った。
「いえ、冒険者になる気はありません。ただの見学です。」
ギルドの受付を見るが、黙って見ているだけだ。
止めようとする素振りも無いし、
誰かに報告もしない、黙認だ。
やっぱり冒険者ギルドは駄目な組織だね。
冒険者「はあ~。ふ・ざ・け・る・な・よ!関係ないならさっさと出ていけ!」
「分かりましたー。でていきますー。」
ヒナの手をとって外に出た。
ヒナ「あんな奴ら、ぶっ飛ばしても良かったのに!」
「過激だねー。あんなに人が見ている前ではブッ飛ばせないよ。」
「大丈夫、追ってくるから。」
俺達はひとけが無さそうな裏通りに進んだ。
後ろから5人が追ってくる。
しばらく進むと行き止まりになったので、後ろを振り向いた。
冒険者「おい!白蛇の手甲と腰の剣、隣の女を置いていけ!命だけは助けてやる。」
冒険者達は武器を抜いて構えた。
「お前らクソ冒険者だと思ったが、強盗だったのか。」
ムラマサが憑依し魔力が身体中を包んだ。
ムラマサの柄に右手をかける。
冒険者「冒険者でもない一般の小僧が持つには勿体ないから、有効利用してやるんだよ。」
「それが冒険者のやり方かな?」
冒険者「うるせー。」
冒険者達は一斉に切りかかってきた。
先頭の冒険者が上から剣を降り下ろしてくる。
抜刀しながら下から剣を持つ両手を斬る。
先頭の男はそのままに横をすり抜ける。
剣でついてくる男を右にかわす。
下から振りあげて上段にある刀を両手で持つ。
かわした男の首を後ろから斬り落とす。
次の男は俺の首を狙って横凪ぎの剣。
しゃがんでかわし両足を横凪ぎに斬る。
一番後ろにいた男二人は唖然としている。
ハクが右の男の首に跳び締め千切る。
スラオが氷魔法で左の男を固めていた。
魔力探知で、男が一人歩いてくるのが分かる。
大きい魔力、強そうだね。
スラオの闇魔法が発動。
冒険者5人が影に吸い込まれる。
戦った形跡は跡形もなくなる。
俺とヒナは並んで歩き出す。
角から男が出て前から歩いてくる。
体格の良い坊主頭の男。
身長は200cmぐらいか。
謎金属の鎧を着ている。
隙の無い歩き方。
知らない素振りで横を通り過ぎる。
右手を柄に近づける。
男「待て!小僧!」
男が俺の後ろ襟を右手で掴もうとした。
時計回りで、振り向き様抜刀。
男の右手を下から上に斬り飛ばす。
男は斬られた手首の先が無い右手を左手で押さえている。
男は痛みを我慢している顔で俺に聞いた。
男「冒険者5人がここに来たがどうした!」
「知らないね。」
男「俺と同じように斬ったのか?」
「一般の人に理由もなく暴力を振るう人達を、冒険者と言うのかな?あなたと同じ様に。」
刀を納刀しながら質問を返す。
男「暴力?」
「急に奥襟を掴むのは暴力ですよ、投げるも叩くも・・・殺す事も自由に出来る。あなたは俺を制圧しようとしたんだよね?暴力と言わず何というんですか?」
「いわれの無い暴力とは断固として戦いますよ。」
男「・・・・」
男は何も言えなくなった。
「あなたは冒険者ギルドの方ですよね。」
男「そうだ。副ギルド長のグレッグだ。」
「一般の人が冒険者に絡まれているのに、黙認するのが冒険者ギルドの流儀ですか?」
男「冒険者ギルドに恨みでもあるのか?」
「恨みも何もありません。黙認するのが冒険者ギルドの流儀ですか?」
再度聞き直す。
男「黙認した訳ではない!そのために俺が来た。」
「遅い!遅すぎます。絡まれた時点で対処しないと。普通の人なら今頃殺されて、武器や防具を盗まれてます。」
男「やっぱり斬ったのか?5人をどうした?」
「知りませんね」
男「そんな筈はない。確かにお前らを追ってここにくるのを、俺は見ていた。」
「それは黙認と同じですよ。俺達を追っていたのを知っていて、走れば間に合うのに、間に合わないように歩いて来たんですよね!・・・有罪ですね。」
右手を刀の柄に添える。
男は左手を右の腰に伸ばし、ナイフを掴んで俺の首に投げた。
ナイフは無視。
抜刀し男の首を斬った。
ナイフはスラオが弾いていた。
副ギルド長グレッグの死体を異次元収納に入れた。
飛び散った血などはスラオの闇魔法で影に消える。
ヒナ「今のくだりなにー?有無を言わさず斬れば早いのに。」
「いや~。良い人だったら見逃そうかと思って。冒険者ギルドはやっぱ駄目だね。副ギルド長からして駄目だ。」
コボミを召喚する。
(冒険者ギルドを見張っていて欲しいんだけど。良い手はないかな?)
コボミ(スパ1のスキルで小蜘蛛を生成して、見張りができます。話の内容も遠くから聞けるし、遠くから見えるそうです。)
(スパ1凄いねー。)
スパ1を召喚し冒険者ギルドの見張りをお願いする。
(スパ1とアウ1はコボミのパーティーにするよ。諜報は任せた。)
コボミ、スパ1、アウ1(((承知しました。)))
コボミはこのまま、姿を消して俺の護衛をお願い。
コボミ(承知しました。この身にかえてもお側でお守り致します。)
「商会に帰ろうか。」
ヒナ「お腹すいたしねー。」
タイトルに第○話を追加しました。
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