第11話 馬車救出
昼食を食べて、いつものお昼寝をしようとしたら、フエ2から念話がきた。
フエ2(主様、人間の巣、見つけた)
(お!でかした。そのまま人間に見つからないように待機だ。)
フエ2(はい)
眷属共有でフエ2の位置を確認。
2日くらいで行けそうな距離だな。
(お昼寝中止!俺のパーティーは今から人間の国へ行くぞ。コボルト達は今までと同様レベ上げと狩りをしていてくれ。)
ヒナ「私も行きたーい。」
「ヒナは太陽光に弱いから日中は外に出れないでしょ。」
ヒナ「え~。そうだけどー。」
「町に着いたら夜に眷属召喚するよ。」
ヒナ「やったー。味が薄い肉は飽きたのよ~。飲食店で夕飯宜しくー。」
「分かった。召喚するまで、レベ上げしててくれ。」
ヒナ「ラジャー!コボミ、レベ上げ連れてってね。」
(コボミのパーティーは夜の狩りにシフトだな。)
コボミ(承知しました。)
(フエ1とフエ3は拠点に戻ってレベ上げに混ざってくれ。)
((はい))
(出発だー。)
リザを走らせ、フエ2の方角に向かった。
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途中で出会った魔物は戦う時間が惜しいので、かたっぱしからライゾウの雷で気絶させ異次元収納。
途中夕食を食べて野宿。
スラオとアイは寝なくても大丈夫らしいので、見張りを任せて寝る。
次の朝、朝食を食べて出発。
しばらく進むと、
アイ(前方、左、ゴブリンと人間、戦闘)
アイは前方左に飛んで行く。
リザに乗ったままアイの後ろをついていく。
馬車をゴブリンの群れが襲っていた。
出た!テンプレの展開。
襲われているのは姫か?貴族か?
馬車は高級には見えないので商人かな。
ゴブリンは10匹。
内2匹は倒れている。
護衛は3人倒れていて男女二人が必死に馬車を守っている。
アイから鑑定結果の連絡。
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ゴブリンリーダー 1匹
ゴブリンメイジ 2匹
ゴブリンアーチャー 1匹
ゴブリン 4匹
倒れているのはゴブリン2匹
護衛男 職業:弓使い レベル20
護衛女 職業:剣士 レベル25
護衛男3人が倒れている。職業は探索者、剣士、格闘家。
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弓使いは矢がないのか、ナイフで防御している。
剣士は怪我をしているようだ。
「助けます!」
一言叫んでリザに乗ったまま近づくとゴブリン達はこちらを振り向いた。
ゴブリンアーチャーにスラオのファイアーボール。
ゴブリンメイジ1匹にライゾウの雷。
もう1匹のゴブリンメイジには、アイの魅了。
アイは魅了の次にゴブリンリーダーにMP吸収。
一番近いゴブリンにリザが爪で攻撃。
ハクが次のゴブリンの首に巻き付いて切断。
残り2匹と護衛が戦っている。
魅了されたゴブリンメイジがゴブリンリーダーにファイアーボール。
ライゾウとスラオは護衛と戦っているゴブリンにファイアーボールと雷。
ハクは魅了されたゴブリンメイジの首に巻き付いて切断。
レベルアップのメッセージが流れた。
倒れている護衛は死亡していたので、生き残った護衛にレイのエリアヒール。
リザから降りて護衛達の元へ駆け寄る。
スラオは鞍から変形して俺の身体に張り付いた。
アイは一旦拠点に送還。
「俺ヒロト、亡くなった方は残念ですが、間に合って良かった。」
護衛女「私は傭兵のアリア、助けてくれて有り難う。」
護衛男「俺は傭兵のレイク、助かったよ、有り難う。」
アリアは近づいてきて両手で俺の手を握る。
アリアは身長165cm。
短めの赤い髪、青い目。
革の鎧を着ていた。
年齢20才ぐらい。
うん、可愛い。
レイクは身長175cm。
短い金髪、青い目。
ガッシリした体型。
30才ぐらい。革の鎧。
美男子・・・だな。
アリア「火魔法、白い蛇のようなムチ、回復魔法・・・。その服は・・・、君は何者?」
「俺は魔物使いだよ。それ以外は秘密だ。」
ハクとスラオの攻撃は俺の攻撃に見えていたのか。
アリア「魔物使い・・・」
すると馬車の中から笑顔で男が降りてきた。
身長170cm。小綺麗な布の服。
40才ぐらい。
短い金髪、青い目。
ヒョロっとした体型。
優しそうな顔。
男「私は商人のアキート、アキート商会という小さな商会を営んでいます。助かりました!本当に有り難うございます。あなたは転移者ですね。勇者ですか?」
「勇者ではないよ、転移者を知っているの?」
アキート「詳しくはありませんが、極まれに異世界より迷い混む人がいると聞いています。その不思議な生地の服はこの世界の物ではないと思いました。」
レイク「おいアリアいつまで手を握ってる!」
アリア「えっ、あ、ああ、ごめんなさい。」
アリアは顔を赤くして、手を離し、うつむいた。
アキート「ヒロトさんはこれからどこに行く予定ですか。お礼をさせてください。」
アキートは馬車の中に誘ってきた。
「町に行く予定です。」
アキート「おお!私達もこれからガル村に寄ってから、ガリア町に行く予定なので、ぜひご一緒に御願いします。護衛で同行していただけると助かります。」
同行しながら色々教えて貰うのもいいな。
「同行しましょう。俺は転移者なので、この世界のことを良く分かっていないから、護衛料は情報でいいですよ。」
アキート「いやいや、命の恩人ですから今回のお礼と護衛料は出させてください。転移者の方とお知り合いになるだけで、商人にとって大きい利益になるので、私が知っていることはお話します。」
「分かりました。宜しくお願いします。」
「レイクさん、俺が倒したゴブリン8匹は貰いますよ。」
レイク「もちろんんです。命の恩人なので、ゴブリンは全部差し上げます。それでも全然足りないので、お礼は別にさせてください。」
「有り難う。遠慮なく貰います。」
俺はアリア、レイク、アキートに見えないようにして、スラオに頼んでゴブリンから魔石だけ取り出していく。
魔石を取り出したゴブリンはリザが1ヶ所にまとめる。
全てのゴブリンの魔石を取り出した後、まとめた死体はスラオのファイアーウォールで焼き尽くした。
レイクとアリアは亡くなった仲間の死体を布にくるんで丁寧に馬車に乗せていた。
アリアとレイクは御者台に乗った。
俺はライゾウを抱いて馬車に乗る。
リザは馬車に並走。
馬車の屋根に気付かれないようにアイを召喚。
村に向かった。
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アキートから色々教えて貰った。
この国の名前はガラード王国。
ガラード王国は
封建制をとっており貴族が領主で領地を支配している。
向かっているガリア町、ガル村はアーシュ男爵の領地にある。
ガリア町は
樹海の魔物の素材が取れるため賑わっている。
王国の中でも大きめの町でアーシュ男爵が住んでいる。
樹海の魔物を討伐する冒険者が多い。
荒くれ者が多く治安はあまり良くない。
冒険者ギルド、傭兵ギルド、図書館がある。
アキート商会はガリア町にある。
ゴブリンは最近出現が多くなり、町では問題になっている。
ガル村は
住人100名程度の小さな農村。
勇者は
隣の教国で魔王が現れた際召喚される。
数年前から魔王出現の噂があり、勇者召喚の話あり。
転移者は
勇者とは別に異世界から希に現れる事がある。
この世界とは異なる文化で育ったので、商売に繋がるアイデア等を教えて貰えることから商人にとって大きな利益が見込める。
アリアとレイク達は
同じ傭兵団に所属している。
亡くなった3人は主力メンバーだった。
10人程度の傭兵団なので存続は難しいそうだ。
先程倒したゴブリン10匹の魔石を買って貰らった料金、またお礼と護衛の報酬として金貨50枚を受け取った。
金貨20枚で村人の服と下着を数種類、革の鎧、靴、調味料や調理器具等を購入。
魔石や魔物の皮、牙や角があることを話すとぜひ売って欲しいとのこと。
今はお金に余裕がないとのことで、ガリア町のアキート商会に持参し購入して貰う事とした。
アキート商会では、家具も扱っているので、ガリア町に着いたら購入する事にした。
その後、魔物に襲われる事もなく、そんな話をしていたらガル村に到着。
フエ2が村の近くの大きな木に止まっていた。
フエ2、アイを拠点に送還しておく。
タイトルに第○話を追加しました。
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