039 断章 ジグ 翠の民 (後編)
一族の年嵩の者が、音もなく先生の傍らへと歩み寄った。その静かな会釈を受け、先生は深く、得心のいったように頷く。
「……もう、刻限だな。本当は、お前に語り残したいことは山ほどあったのだが。惜別というものは、いくら時間があっても足りぬもののようだ」
先生は、いつものように快活に笑ってみせた。だが、その笑い声が夜の闇に吸い込まれ、二度と戻らぬ残響となることを、ジグは肌を刺すような予感とともに悟っていた。
「ジグ。我ら大人は、これからあの『闇』を鎮めにゆく」
「先生、俺も……!」
食ってかかろうとする少年の肩に、先生の大きな掌が置かれた。それは拒絶ではなく、未来を託すための静かな制止であった。
「今のあそこに、何が待ち受けているかは分からぬ。魔に魅入られし獣か、あるいは今もなお宝玉なぞを奪い合おうとしている人間どもか……。まだ蕾であるお前を、連れてゆくわけにはいかないのだ。若き同胞がお前独りであることを……、心から申し訳なく思うよ」
周囲では、翠の大人たちが淡々と戦の備えを整えていた。
愚かな人間達は、世界で何が起こっているとも知らずに、己が欲の為に争っているのだろう。眼前に聳えるこの闇は、世界の終わりを告げる鐘であるとも知らずに。
「私が語ったことを、魂に刻んでおきなさい。語り残した空白は、お前自身がこれからの旅で見つけてゆくのだ。いつか、愚かな過ちを繰り返さぬよう、この物語を警告として綴ってもいい。……秘術の扱い方は、教えたね? 完全に受け継ぐことは出来なかったが……。ジグなら、自らたどり着けるだろう」
ジグは、熱いものが込み上げる視界を強引に拭い、深く頷いた。夜風が、少年の決意を煽るように通り過ぎてゆく。
先生は、親友の忘れ形見である少年を、壊れ物を扱うように強く抱きしめた。それは、独り残してゆく非道を、先立っていった友らに詫びる儀式のようでもあった。
「……だがね、ジグ」
「はい……」
「もし、この先、何事も起きぬ平穏が続くのなら。お前は、この血の使命に縛られることはない。自由に生き、己の魂を預けられる友を見つけなさい。一生を、古い契約の鎖に繋がれたまま終えてはならないよ」
夜風に乗って、大人たちが闇の柱へと歩み出す、草を踏みしめる音が響き始めた。
「我ら翠の民の使命……その本質を、言ってみなさい」
先生の問いに、ジグは逃げ場のないその瞳を真っ直ぐに見返した。
「秘術を守り、魔が降臨した時には、その引き金となったものに……、対処することです」
「はっはっは。よく分かっているじゃないか。全く、我らの先祖も、これほど厄介な役回りを引き受けなくても良かったものを」
先生は、まるで冗談でも飛ばすかのように軽やかに笑った。
「だが、まあ……遭遇してしまったからには、放っておけぬのが我らの性なのだよ」
そう言うと、先生はもう一度だけ、ジグを愛おしげに抱き寄せた。
その腕の温もり、微かな薬草の匂い。それが、少年が知る「家族」という名の世界の、最後の記憶となった。
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ジグは、どれほどの時をその場所に繋ぎ止められていたのだろうか。
吹き荒ぶ夜風は、涙に灼かれた彼の双眸を無慈悲に、かつ優しく冷やしてゆく。天を衝く暗黒のうねりは、もはやこの世の光景とは思えぬほどに膨張し、世界の因果をすべて吸い込むかのように一点へと収束していった。
刹那、眩い咆哮を上げた闇は、一筋の鋭い矢のようになって虚空へ消え、あとに残されたのは耳鳴りがするほどの凄まじい静寂であった。
(先生……)
ジグは、あの闇の深淵で、先生が秘術を行使したのだと確信した。
あの高潔な師のことだ、きっと己の身を賭して、世界を繋ぎ止めるための祈りを遺したに違いない。
他の大人たちは、無事なのだろうか。先生は、本当にもう……。もし、生きてさえいてくれれば――。
祈るような、縋るようなその願いは、虚しく朝霧の中へと溶けては消え、答えを返す者は誰一人としていなかった。
朝陽が地平を黄金色に染め上げるまで、ジグはただひとり、石像のように立ち尽くしていた。
やがて彼は、誰に命じられることもなく、重い足取りで一歩、また一歩と歩み始めた。
背負わされた宿命の重さと、先生から贈られた「自由」という名の残酷なまでの祝福。その矛盾を胸に抱きながら、翠色の少年は歴史の表舞台から一度姿を消し、名もなき荒野の彼方へと消えていった。
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「……ん、んん~……!……っと」
ジグは、肺の奥底に溜まっていた過去の空気をすべて吐き出すかのように、長く息をしながら凝り固まった体を伸ばした。
机の上には、依然として古びた書物が広げられている。朝から立て籠もっていた図書館は、陽光の角度こそ変われど、変わらぬ静寂が支配していた。
あの日、先生が命を懸けて鎮めたはずの「魔」が、再びこの世界に影を落とし始めている。二十年の時を経て、運命の歯車は皮肉にも、生き残った彼を再びあの「闇」の続きへと引きずり戻そうとしていた。
「……自由になれ、か。先生、あんたの言いつけを一つ破ることになるかもな」
ジグは自嘲気味に、だが確かな意志を込めて苦笑し、静かに本を閉じた。
独りで残され、二十年を孤高に生きた今の彼には、共に湯に浸かり、軽口を叩き合える「仲間」がいる。翠の魔術師の瞳に、迷いのない炎が灯り、窓の外の景色を射抜く。
かつての別れを、ただの悲劇で終わらせはしない。それが、今を生きる彼にできる唯一の報恩であるかのように。
「ジグ、ここにいたのですね」
物思いに耽っていたジグを、図書館の入口から涼やかな声が呼びかける。人の気配が絶えていた室内に、その声は清らかな水滴が落ちたかのように美しく響いた。
「おお、良く分かったな。アルも来たのか」
「ええ。落ち着いたらもう一度こちらへ行くと言っていましたから」
アルスは改めて、天を衝くほどに積み上げられた書架を見回す。
古今東西の知識を結晶化させたこの場所に身を置くと、自分もかつてこれらの書物が綴られた時代に生きているかのような錯覚に陥る。この一文字一文字を記した先人たちが、かつて確かにこの大地を踏みしめて生きていた――その事実に触れることは、何かに畏怖するような敬虔な心地を彼に抱かせた。
「読んでみたけどなあ。知ってる事くらいしか、書いてなかったぜ……」
ジグは凝った肩を回しながら、嘆息混じりに零す。
長い時間、同じ姿勢で古語と格闘していたせいで、体はまるで石像のように固まっていた。
「ここに書かれているのは……この本を書かれた方のお名前でしょうか?」
アルスが机の書物を覗き込みながら、ふと小指を指し示す。
年月の重みに焼けた表紙の右下、そこには塵に埋もれるようにして、慎ましやかな、しかし力強い文字の列が並んでいた。
「名前? よく気付くな……。俺が読んでた時は、そんなもん全然……」
不意に視界に飛び込んできたその配列に、ジグの言葉が凍りついた。
一瞬の空白。だが次の瞬間、その瞳にはかつての懐かしい温もりに再会したかのような、熱を帯びた輝きが宿る。ジグは震える指先で、その文字を慈しむようになぞった。
「ジグ? 知っている方ですか?」
「へへ……。俺の先生の名前だ。グレイデンって言うんだ。本なんて書いてたんだな。……柄じゃなさそうなのに」
アルスは、ジグの指先が追う名前を、静かな眼差しで見守った。
この「グレイデン」という人物が、かつてジグの隣を歩き、共に夜を明かし、彼に魔術の手解きをしたのだろう。文字の中に悠久の時の流れが収められているような不思議な感覚に、アルスは穏やかな祈りの念を覚える。
そして――。この美しい文字を遺した主が、もはやこの現世には存在しないという、揺るぎない孤独に対しても。
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「ここにいたんだな、二人とも」
二人が話し込んでいる書庫の奥へと、今度は聞き馴染んだ重低音が、静かな大気の波紋となって届いた。アルスの透明な響きとはまた異なる、ガウルの声は、どこか深い森林の奥に眠る厳かな樹々を思わせる静謐さを纏っている。
「ガウル、体はもういいのか?」
「まだ、動けば多少は痛むがな……。だが、いつまでも寝てるというのも、性に合わなくてな」
ジグが気遣わしげに視線を投げると、ガウルは痛む腹部を大きな掌で軽くさすりながら、ゆっくりと二人の方へ歩み寄ってきた。その足取りにはまだ慎重さが混じり、過酷な旅を再開するには今しばらくの刻を要することを物語っている。しかし、その双眸には、段々と、けれど確実に、彼本来の強靭な活力が戻りつつあった。
「それにしても、凄まじい蔵書量だな……。外観の堅牢さにも目を見張ったが、中身はそれ以上だ」
ガウルは圧倒されるように、天井まで届く書架の群れを見上げ、息を漏らした。
かつて王国の騎士として栄華のただ中にいた頃、これに似た大書庫を訪れた記憶はあった。だが、連合の一都市に過ぎぬこの街の図書館が、これほどまでの叡智を集積させているとは。不審者の侵入を拒むように、建物の周囲を私兵たちが厳重に警護していたのも頷けるな、と彼は深く得心するのだった。
「ガウルも、本を読まれることがあるのですか?」
「ああ、たまにな。戦いの中にばかり身を置いていると、どうしても心が荒むからな。精神を平穏に保つためにも、文字を追う時間もたまには必要だ」
「けど、そういう本に限って、旅をしてるとあっという間にボロボロになっちまうんだよな……」
ジグが肩をすくめながら、旅人ならではの苦い実感を口にする。
荒野や街道を往く道すがら、本の一冊でも開かなければ、傭兵や賞金稼ぎの心はただ擦り切れてゆくばかりだ。しかし、旅人の道具袋に詰め込まれた書物は、雨風や日々の衝撃によって、いとも容易く破れ、崩れていってしまう。
それゆえ、放浪者に商人が売る読み物といえば、初めから使い捨てることを前提として作られた、紙質の劣る安価なものばかりであった。いま眼の前にある、羊皮紙を贅沢に使った重厚な造本の美しさは、旅の身空にはそれだけで一種の奇跡のように思える。
「その本は……何を調べていたんだ?」
「俺の……まあ、家族が書いた本、ってところかな」
「ジグの?」
ガウルが机の上に残された一冊に視線を落とすと、ジグは少年のように少し気恥ずかしそうな面持ちで、頭をかきながら答えた。
ジグは腕を組み、小さく息を吐いて思案の海に沈む。
――これまで、己の過去を誰かに分かち合うことなど、考えたこともなかった。語ったところで死んだ者は戻らず、流浪の血が洗われるわけでもない。だが、目の前にいる二人にならば、そろそろ己の出目を、一族に伝わる伝承を明かしてもいいのではないか。ジグはそう思い始めていた。
そしてそれは、言葉にせずともガウルやアルスの胸中にも、等しく芽生えつつある予感であった。
窓外から射し込む光の中に、細かな塵が白く煌めきながら、雪のように静かに、静かに降り積もってゆく。この図書館に満ちるあまりにも贅沢な静謐が、彼らの心を厳かな諦念へと導き、長い沈黙の最初の一歩を踏み出させるのだった。
「んん……、まあ、なんだ。せっかく三人揃って、こんな静かな場所にいるんだ。……そろそろ、か?」
「ええ、そうですね。話しましょう。私たちがどこから来て、何を背負っているのか。それぞれのことを」
「……俺は正直、お前たちに聞かせるほどの昔話は、持ち合わせてはいないと思うんだがな」
三人は、ぽつり、ぽつりと、互いの意志を確かめ合うように言葉を交わすと、引き寄せ合うように椅子へと腰掛け、静かに向き合った。
室内をほのかに照らし出す魔石灯の、穏やかで柔らかな光が、三人の三様の横顔を立体的に浮かび上がらせる。
数多の歴史と無数の死生観をその内に刻み込んできた、古き書庫の沈黙。それは、これから紡がれる、新たな放浪者たちの小さき「歴史」をも記録に留めるかのように、慈悲深く、ただ彼らを見守り始めるのだった。
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三人が紡ぎ出した昔話は、それぞれが胸の内で予想していたよりも、遥かに多くの驚きに満ちていた。
アルスが本当に人里離れた霊峰で女神と共に過ごし、かつて魔王を封じたという高潔なる一族の系譜を引いているという事実。そして、ガウルがかつては神聖王国の栄えある騎士でありながら、陰湿な謀略の渦に巻き込まれて流れの傭兵へと身を落としたという過去。そして、ジグの一族が命を賭して守り抜いてきた魔王降臨の伝承と、因果をねじ曲げる翠の秘術の真実――。
あまりに重く、あまりに数奇な三つの運命は、互いの胸を激しく揺さぶるに十分であった。
「うーん……。やっぱ、いっぺんに話したり聞いたりすると、頭の中でこんがらがってくるな……」
「ガウルは神聖王国で騎士をされていたのですね。とても素敵だと思います」
「ああ……まあ……。む、昔の話だ、今はただのしがない流れ者さ……」
アルスのあまりに純粋で濁りのない眼差しを正面から受け、ガウルは柄にもなく気恥ずかしそうに手で顎のあたりをさすり、視線を所在なげに彷徨わせた。
「ジグも結構、これまで逞しく生活してきたみたいだが」
「俺? 俺はまあ……その日暮らしっつーか、ただ生き延びるのに必死だっただけだな」
ジグが独り残されてからの二十年間といえば、最初の数年は山に籠もって薬草から薬を調合しては街で売り、体が大人びて力をつけてきた頃に、賞金稼ぎとして看板を掲げたくらいのものであった。ただ、彼の一族から受け継いだ魔術は、特にこの貿易連合国においては並ぶものを見つけるのが困難なほどに苛烈で、かつ洗練されていた。それゆえ、彼が賞金稼ぎとして頭角を現すまでに、さして長い時間はかからなかったのだ。
しかし、不運にも出会う人間が悪すぎた。ジグの、人間とは異なる異形の外見に驚き、あるいはあからさまに忌避する者が多かったために、いつしか彼は、ギルドに用事がある時や、長引く野営に飽きて宿をとる時くらいしか人里へ近づかぬようになっていた。
「それにしても、アルが魔王を封じた奴らの末裔、ねえ……」
「私も、伝え聞いただけなのですが……」
「んん……。魔王を封印か。つまり、精霊石とかの『引き金』を壊すだけじゃ、根本的な解決にゃならねえってことか……? 二十年前は、完全に復活しきっていなかったから、先生たちの力だけでなんとかなったのかもな……」
ジグは腕を組み、深く目を閉じて思案の海へと沈んでいく。
あの日、おそらくまだ赤子であったアルス以外に、この大陸に神祖の力を受け継ぐ者は存在しなかっただろう。ならば、世界が取り返しのつかない破滅を迎える前に、先生は自らの命を楔として、魔が完全に降臨するのを水際で防いだということなのだろうか。
ジグの胸中には、命を賭して世界を救った師への誇らしさと、愛する家族を奪われたことへの切ない哀惜とが、複雑な色を帯びて沸き起こってくるのだった。
「その……精霊石とか、賢者の石とかいうものは、普段我々が使っている魔石とは何が違うんだ?」
不意に、ガウルが少し決まり悪そうな、気恥ずかしそうな声を響かせた。
剣一本で生きてきた彼にとって、魔術の術理というものは、今なお未知の領域にある。街を白々と照らす魔石灯や、術を封じ込めた便利な魔石も、ガウルにとっては「そういう便利な道具」としてしか認識していなかったのだ。もっとも、大半の人間は彼と同じであり、その深淵にある構造まで知る者などごく一握りなのだが。
「魔石ってのはまあ、なんつーか、普通の鉱石に外から魔力を注ぎ込んで、照明にしたり特定の魔術を固定化したりしてるやつだな」
「エーテルは魔力の源、世界を構成する形なき息吹ですね。それは限られた人にしか見えませんし、それが物質として結晶化するなんて、本来なら有り得ないはずなのですが……」
「……なるほどな。何となく輪郭は掴めた」
ガウルは、いつも嫌な顔一つせずに未知の知識を授けてくれる二人に向かい、深い感謝を込めて、微かに口角を上げながら頷いた。
「まあ……、複雑なことはこれからの旅の道すがら、ゆっくり考えていけばいいだろう。……それと、ジグ」
「……ん? なんだ?」
「その秘術ってやつは、滅多なことで使うなよ」
「そうですよ、ジグ。自らの身を危険に晒すような真似は、無闇にしてはいけません」
一族に伝わる翠の秘術――その恐るべき代償を聞いた二人は、いつかジグが仲間を救うため、あるいは大義のために、その術を使って消えてしまうのではないかと、心から危惧していた。それほどまでに、この翠色の魔術師は、時として自らを顧みない、思い切りの良すぎる危うさを孕んでいた。
「……わ、わかってるよ。それに、どう扱うかも完全には理解してねえしな……」
腕を組んだまま、ジグは二人の真剣な声に気圧されるようにして、視線を逸らしながら答えた。
その後も、三人は時間を忘れて互いのことを話し続けた。
これまでいかなる依頼をこなしてきたか、過酷な野営の夜にどのような奇妙な経験をしたか、あるいは独りよがりに試してみた魔術の失敗談――。交わされる言葉の端々には、まるで幼き頃からの旧知の友が久しぶりに集ったかのような、他愛なくも温かな色彩が満ち満ちていた。
(先生……。俺にも、魂を預けられる友が、ようやく見つかったかもしれませんよ……)
ふと、暮れなずむ窓の外へ視線をやりながら、ジグは胸の内でそっと師へ語りかけた。
この先の旅路に何が待ち受けているのか、まだ誰にも分からない。けれども、奇妙な因果の糸で結ばれた彼らと共に往くならば、いかなる過酷な運命であっても乗り越えられるのではないか――そんな根拠のない確信が、かつての少年の心を優しく満たしていく。
図書館の外、茜色に染まる街の往還では、無数の人々がそれぞれの営みを持ち、様々な関係を紡ぎながら、今日もせわしなく行き交っていた。その小さき日常の営みこそが、かつてこの大地に生きた者達が守って来た世界の姿そのものであった。




