エピローグ
「で、これがお兄ちゃんが旅から持ち帰って来た戦利品なの?」
ナギが白露に尋ねる。
「そうみたいだな」
「なによ人ごとみたいに」
白露は戦利品と言われても何故これを持って帰ったのか覚えていない。
「でも黄金都市を見つけたんでしょ? なんでこんな古ぼけた腕輪だけしか持って帰って来ないのよ」
「しょうがないだろ、なんかラスティがダメだって」
「もう私も金の山見たかったな」
白露は気がつくと見た事ない古ぼけた腕輪を付けて家のソファーに座っていた。
『なんか記憶が曖昧だな、疲れてるのかな。しかし黄金都市から持ち帰るのがこれなんてな』
白露は古ぼけた腕輪を見ながら溜息を吐く、せっかく宝の山を見つけたのに何故かラスティから持ち帰り厳禁と言われ、そこにいたヒヨコが早く鶏小屋を作れと催促するし、わけがわからなかった。
「先生、早く原稿お願いしますよ」
白露がぶつくさ言ってると露美がやって来て仕事の催促をしてくる。
「ええ、もう締め切りなの? 前上げたばかりじゃん」
「あれは先月のです、今月のは既に締め切り直前です」
「だってまだ5月になったばかりだろ」
「なに言ってるんですか、既に六月も終わりなんですが」
「えっ、うそ」
「本当です、先生遊びに行ってるから気づかなかったんですか、もう二ヶ月近く旅行して来たじゃないですか」
「そ、そんなに経ってたのか」
実を言うと白露は魔王モードでかなりの日、支配した大陸の内政に力を入れた為に白露に気付かれずにかなりの日数が過ぎたのだ。
「だから早くして下さい、最近先生の作品が坂田川賞を取ったから次回作のオファーまであるんですよ」
坂田川賞とはこのお話の中の日本で最高に権威のある賞であり、作家として絶対に取りたい賞なのだ。
「そうなんだ、それなら仕方ないかな……なんだって? 今なんてった露美ちゃん」
「だから先生が坂田川賞を取ったので次回作のオファーが」
「えっ、俺、坂田川賞取ったの、でもあれ授賞式六月の頭じゃ」
「はい、先生が旅に行ってたので授賞式は私が代わりに受け取っといておきましたよ」
「えーーー!」
白露は作家界の重鎮が集まる賞を出ないというファンキーな事をする。まだまだ若手の白露にとってそんな生意気な事をするのは自殺行為だが
「大丈夫よお兄ちゃん」
ナギがそう慰める。
「この世界売れたもん勝ちよ、だから気にしないで」
ナギの慰めは若い子の考えだったが
「アホか、そういう問題じゃ無いんだよ、どうすんだよお世話になってる先生だっているんだぞ」
白露の悩みは解決しない、ちなみに授賞式に来なかった事に怒る先生達がいなかったわけでは無いが、理由を聞いて納得する。
「大丈夫ですよ先生」
「なんでだよ露美ちゃん」
「現在先生は不治の病で入院中の設定ですから」
そう聞いた白露は
「そんなすぐバレるうそつくなー」
こうして白露の不治の病の話はすぐに刊行される本の数々に嘘であることがバレて白露の立場は悪くなる一方だったという
白露は夢を見る
「はぁ、また夢か」
「そうだ夢だよ白露よ」
「今度はなんだ?」
白露の夢にアテルが現れる。
「なに、順調なようで何よりだと思ってな」
「ああ、比較的楽な場所にあったからな」
「そうか、それでは少し忠告を」
「なんだ?」
「新たな勇者が召喚された、今度は本物のな」
「なるほど、勇者と呼ぶ使い捨ての戦士か」
「ああ、おぬしんとこのゴブリンが勇者を倒したからな次を呼んだようだ、その際にかなり介入していたようだ」
「全く昔から自分の手を汚さんやつだな」
「気を付けろと一応の言っておくかの」
「ふん、俺があいつならともかく使い捨ての戦士程度に負けると思うか?」
「愚問じゃったかの、まあどれほどの勇者を召喚してもおぬしのとこの四人にすら勝てんじゃろからな」
「それもそうだな、まあ新勇者とやらも我が覇道の前には、な」
「ふむ、それでは勇者よりも大事な事を」
「ほお」
「ガクシャの塔じゃな」
「ああ、あんな所にか、考えたもんだなあいつも」
「いやこれはあやつではなく別の、お前の部下だった奴があやつの目をかいくぐって守っておるようじゃ」
「そうか、あいつの目をかいくぐってと言うならあいつしかいないかな」
「うむ、それではわしは、おさらばといくかの」
「ああ、今回もありがとアテル」
「気にするな」
こうして白露の夢は
今回で白露の海水浴は終了となります、海水浴と言いながらあまり海水浴をしていませんでした(笑)
今章で勇者さんが退場、そして次章で新たな勇者さんがとなりますが圭介君とユキちゃんは現状では生死不明です、死んだかどうかは分かりません、まあこんな事書いたら死んでるわけないですが(笑)
さて次章はヨシコやナギの日本の生活を書けるといいかと思いますし、ゴブリン達の大陸制覇も進行して行きたいと思います。
それでは第六章 もうすぐ夏休み をお楽しみ下さい。




