陸だぞ!
白露は肩にスライム、頭に妖精が居座り釣りをする、これが最近の白露の遭難スタイルである。
「はぁ、遭難して十日か、みんな心配してるだろな」
白露はみんなと会えない寂しさを紛らわせる様に釣りに没頭していた。没頭しすぎて白露に会いに来ていたみんなへの対応は雑だった。
「旦那! 旦那!」
「なんだい亀次郎?」
「見てくだせぇ、あれは陸地じゃねえですか?」
「何!」
白露は亀次郎の報告にテンションを上げる、ずっと海の上だったので陸に飢えていた。まあ亀次郎の背中は普通の船みたいに揺れないし、広さもちょっとした島ぐらいは既にあったので、他のメンバーは遭難していても気にしなかった。帰ろうと思えばすぐに変えれるしね。
「うぉーー、本当だ、島だ、島だ、島だ、ヤッホーー!」
白露はやっと終わる遭難生活を感慨深く思っていた。
「マスターうるさいです」
ラスティ三号がやって来た、白露は気付いてないが何故か増えていた3体目のラスティ
「なんだよラスティ、見てよ、陸だよ、あそこに陸が、やっと遭難生活が終わるんだよ」
ラスティはため息を吐きながら
「何を言ってるんですかマスター、最初からあの大陸を目指してましたし、航路を外れたこともありません、遭難なんてしてませんが」
「えっ?」
白露はラスティの言葉に声が出ない。
「愚かなマスターに申し上げますが、この亀の操縦は私が行っています、海図もありますし魔導羅針盤も正常に動いていて遭難する方が難しいのですが」
「そうなの?」
「そもそも食事も予定通りの量を持ち込んでいたのでちゃんとお出ししてたでしょ」
白露は少し考えて、確かに遭難してるわりには豪勢な食事を思い出す。
「私が遭難と言う緊急事態が起これば、それに対応した行動を取るに決まってます」
「そうですね」
「全く、マスターはダメです、仕方ないので私が面倒を見続けましょう」
「あっはい、よろしくお願いします」
ラスティはニンマリとした顔をして
「ふふふ、お願いされました、ちゃんと録音もしました、ふふふ」
ラスティ三号は嬉しそうにクルクル回りながら城に戻っていった。
「あれ? なんであんな嬉しそうに」
白露はラスティが嬉しそうに帰っていったのに少し疑問に思ったが
「まあいいか、とりあえずあの島が目的地……あれ? 俺、そもそも目的地なんて設定したっけ?」
白露は海遊目的で亀次郎に乗ったのに、確かに海を越えようと亀次郎に言ったが
「なんであの大陸を目的地に?」
白露はよく分からないが、考えてもしょうがないと思い
「まぁいいか、よし亀次郎全速前進だ」
「あいあいキャプテン!」
亀次郎は白露と仲良し、彼の望む答えを知っていた。
こうして白露は海を越え、新大陸に到達する。白露が着いた大陸の名は……まだ無い
その大陸に文明は存在するかも分からない、何があるのかすら分からない、白露の冒険は
「さて千歳、白露様の大陸として制圧を完了させましたか?」
「はぁ、したわよ、流石にあのバカを安全では無いところに送るのは危険だからね」
「しかし四人で制圧なんて戦力過剰ではないかしら?」
「時間がなさ過ぎましたから、マスターの安全を優先するのは当たり前です」
安全第一だった。




