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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第五章 白露の海水浴
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遭難ですか?遭難ですよ

 白露は見渡す限りの水平線を見ながら思う


 「遭難したかな?」


 「遭難ですよ」


 亀次郎の返事、よくあるやりとりをした後


 「そうなんか」


 白露は海の男らしく上半身裸で釣りをしながら


 「はは、どうしよう?」


 完全にパニクってた。


 「いやー、ほんと、本当にトラブルって急にやって来るよね」


 「すいやせん旦那」


 現在亀次郎は遭難していた、時間は少し巻き戻り


 「うおーー! 嵐なのじゃ! 嵐なのじゃ!」


 「きゃー、きゃー、すごい風だ!」


 「わー、わー、風風!」


 ヨシコと子供達がはしゃぎまくり、白露が必死に


 「危ないから、みんな危ないから中に入って、ほらいい子だから」


 子供達をダンジョンである小城に連れようとするが、子供は元気なのでアラサーの白露では太刀打ちできない


 「むぅ、仕方ありません、二号」


 「はい一号」


 ラスティ一号二号が子供達を掴み、城の中へと放り投げる。子供達はきゃっきゃっ笑いながら投げられていた、投げられた先に白露のスマホ(スライム)が置いてあったのでクッションとして子供達を受け止める。


 「はぁ、なんで子供って嵐とか好きなんだろ」


 そう思いながら白露は城の中で嵐が去るのを待っていた。そして亀次郎が一言


 「旦那、ここってどこか分かりやすか?」


 「分かんないよ」


 「ですよねー」


 「亀次郎君」


 「なんですかい旦那」


 「もしかしてだけど」


 白露は嫌な予感を感じながら、いや確信に近い気持ちで質問する。


 「遭難したかな?」


 「遭難ですよ」


 こうして彼らは遭難した。

 白露は遭難してから釣りに興じていた。


 「食料を確保せねば」


 彼的には必至だが


 「あははは、めっちゃ釣れる!」


 「釣りって簡単だな」


 隣で爆釣り中の子供達、白露はこの日ぼうず、子供達は大漁だった。


 「魔王様情け無い!」


 「本当なのじゃ、白露は下手くそなのじゃ」


 「ぐぬぬ」


 白露は耐えた、今は耐える時だと子供達の釣り上げた魚を食べながら

 ラスティは白露の家から調味料を持ってきて料理を行う、ダンジョンはマスターが同一だと空間が繋がっているので行き来可能なのだけど。ラスティ一号は白露の家で露美達と談笑しており、二号が白露達の世話をしていた。


 「このままではダメだ、早く陸地を見つけなければ」


 白露の焦りを横に


 「おお、もうゴールデンウィークが終わったのじゃ、そろそろ帰るかの」


 ヨシコはそう言って白露の家に戻る。白露は最後までヨシコが定期的に家に帰ってたことに気づかなかったそうな。


 「白露様、鉄道計画の事で」


 「ん? ここはね」


 白露はゴブ蔵の質問に答える、来てないはずなのにそこにゴブ蔵がいることを不思議に思わず、そうダンジョンマスターが同一のダンジョンは繋がっているのだ、白露は気付かない、今も遭難したと絶望にひんしていた。


 「子供達を不安にさせちゃダメだからな、明るく、ここはスマイルだよ俺!」


 白露は後ろで子供達が孤児院の自分の部屋に帰って寝ていることに気付かない


 「亀次郎遭難の事はみんなには言うなよ」


 「へい旦那」


 こうして本気で遭難したと思ってるのは白露と亀次郎だけである。亀次郎は背中にダンジョンがあるので繋がっていようが闇の森に帰れないのだ。

 そして遭難してから一週間、白露は


 「先生早く原稿下さい!」


 「分かってるよ、はぁ遭難してるのに、仕事に追われるなんて」


 仕事に追われる毎日と、釣りの日々だった。

 白露の周りの子供達が毎日入れ替わってる事に気付かず、ヨシコと露美が交互にやって来る事に気付かず、マールとエリスが交互に世話しに来る事に気付かず、ラスティ一号二号が交互に世話していた事に気付かず、遭難ライフを満喫していた。

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