大陸亀
海を見ながら白露はふと
「亀、海を越えないか?」
「無理ですぜ、おらの力じゃ」
「ううん、そうだ!」
白露は亀に名前を付けようとする。
「名前ですか?」
「そうなんだか分からないが俺が名前を付けると魔物は進化する……はず?」
「はずって、曖昧ですやん」
「いやー、なんかよく分からないけど俺の配下になる魔物、魔物みんな進化するんだよね、もしかしたらこれが俺に与えられたチートなのかと」
「おー、知っておるのじゃ、異世界、チート、ハーレムなのじゃ!」
ヨシコが話に入ってくる。
「なんですかチートって?」
亀の質問にヨシコは
「凄い力なのじゃ」
白露はそれで分かるのか? と思ったが
「なるほど、流石姉さんですね」
亀は一発で理解する、なんでか
「ふむふむ、白露のチートは名付けなのじゃな、なら亀に名前を付けるのじゃ、亀も進化したら面白いのじゃ」
「わかりやした姉さん、さあ旦那おらに名前を」
亀もすぐに決心し白露に名付けを迫る。
「分かったよ、本当に亀はヨシコちゃんにべったりだね」
そう言いながら名前を考える。するとヨシコは
「亀吉か亀次郎じゃな」
「決めてたのヨシコちゃん」
「そうじゃ、オススメは亀次郎じゃな」
「うーん、でも次郎は二匹目からにしなよ、一匹目から次郎はね」
「分かったのじゃ、次は亀次郎を諦めるのじゃ」
「そうだね、じゃあ今回は亀次郎で」
白露はヨシコの巧みな誘導に亀に亀次郎と名付ける。
「ってあれ? 次じゃダメじゃん」
白露が気付くと亀は亀次郎になり、そして進化する。
「進化したようですぜ姉さん」
「おお、見た目全く変わらないのに、進化したのかの」
「ええ、おらはアーストータスから大陸亀に進化したのです」
「大陸亀?」
白露はどんな亀か分からない、ヨシコも分からない
「なんなのじゃ亀次郎、その大陸亀とは」
「姉さん、大陸亀とは」
「大陸亀とは」
「アーストータスよりでかい亀です」
「なんと!」
大陸亀はでかい亀で、その昔新大陸と思って乗り込んだら亀だったとの逸話を持つ亀である。
そして大陸亀はアーストータスと違い大きさを自在に変えられ、そして背中にはダンジョン機能が実装される、早い話動く要塞になるのだ。
「となりますマスター」
「なるほど、でなんでラスティが増えてる?」
「「?」」
大陸亀の説明をするのは色違いのラスティだった、て言うかラスティが増えていた。
「な、なんでラスティ増えてるの?」
「何を言ってるのかな、このマスターは」
「本当ですね、ラスティ二号」
「はい一号」
「「ダンジョンコアなのですからダンジョンが増えれば増えますけど」」
ラスティ二号は大陸亀に存在するダンジョンコアの外部コアなのだ。
「いやいや、ラスティってなんか訳ありな神殿に安置されてたじゃん、ダンジョン増えただけで増えるものなの」
「はぁ? 私はマスター専用のコアですので、まあマスターコアは私一号ですが」
「そうですね、ちなみに二号である私はサブコアです」
「説明になってないんだけど」
こうしてラスティ一号、二号は白露を無視して亀次郎を海に放り投げる。
「あーれー!」
ぼしゃん! と水飛沫を上げて亀次郎は海に、そこからぐんぐん大きくなり、ちょっとした軍艦並みの大きさに、そしてその背中に小さなお城があった。
「ふおー、でかいのじゃ、亀次郎がデカ次郎なのじゃ」
ヨシコが興奮しながら亀次郎に乗り込む為に駆け出す、それを見て子供達も駆け出す。
「あっ! みんな勝手に言ったらダメだよ」
白露は何が何だか分からないが、子供達を追い掛ける、そして亀次郎は出航する。
未知の領域を目指して




