孤児院から海へ
「魔王さまだ!」
「魔王さま」
白露が孤児院に近付くと子供達が寄ってくる、白露は子供達にフレンドリーに接している為子供達を懐いていた。その横で面倒を見ているもの達が複雑な表情で見ているが
「みんな元気にしてたかな?」
「うん、あっヨシコちゃんもいる」
「今日は何して遊ぶのヨシコちゃん!」
子供達とヨシコは仲良しなので子供達はヨシコに集まって行く
「今日は海に行くのじゃ、妾達は遠足に行くのじゃ!」
「「「遠足!」」」
子供達は遠出する事が嬉しいらしく、大喜びだ。
「あの白露様よろしいのですか?」
孤児院の院長が白露に確認してくる。白露は
「良いよ、子供は元気よく楽しくさせなきゃ!」
「白露様はなんてお優しい」
実を言うと、この孤児院はイーグレット国民から評判は良くない、何故なら人間の子供の面倒を見ているからである。
もちろん白露が決めた事に表立って反意を持つものなんて存在しないが、院長はじめ職員の者達は毎日のように嫌味を言われている。そんな苦労も白露の言葉を励みに頑張っていた。
「そういや孤児院で問題とか無いかな?」
「いえ特には」
「そう、ゴブリンに頼んでるから孤児を見つけたら保護するようにって、これからも増えると思うけど問題が発生したら遠慮なく言ってね、孤児院は大切にしないと」
「あ、ありがとうございます白露様」
白露は基本善人なので孤児院とかの活動を後押ししてる、この世界で弱者に手を差し伸べるものは少なく白露の孤児への姿勢は理解されにくいが女性には受けが良く、特に子を持つ女性からは支持されていた。
白露はこれ以外に教育の充実に力を入れさせていて、イーグレット建国から日は浅いが日本語の普及は進んでいた、これはイーグレット支配国も順次日本語圏に染まって行く。
「それじゃあ、みんな行くよ車に乗ってね」
白露のキャンピングカーは大きいが流石に孤児院の子供を乗せるとぎゅうぎゅうである。
「バスでも買おうかな?」
白露はそんな事を考えながら発進する。闇の森はすっかり開発されて道路も整備されていた、そして現在は鉄道の整備のためにそこかしこで工事が行われていた。
「森林破壊が目立つな、良いのかな?」
白露は昨今の自然破壊などを考えて今から対処しないとダメかと考えて
「まあまだ良いか」
と楽観的に考える。白露は難しい事を後回しにする悪い子だった。
こうして後ろから聞こえる子供達のはしゃぐ声をBGMにキャンピングカーは海へと進む、ちなみに後ろから護衛のマール運転の車(選抜された高位の魔物)が付いてきてる。
「海まで5時間か、結構近いんだな」
白露は順調に海に向かう、この世界での旅は困難である、何故なら魔物が出てきて殺される事があるからだ。しかし白露は全ての魔物を統べるものなので
「なんも起こんねえな、異世界って暇だな」
彼は胸踊る剣と魔法の世界を全然満喫できてなかった。
こうしてなんの事件も起こらないまま海に到着する。ここは魚人が支配するリゾート地である。
「なんだ? あの横断幕」
【歓迎 魔王白露様】
魚人が出迎えてくれていた。




