ゴールデンウィークの予定は
「ゴールデンウィークなのじゃ!」
ヨシコが白露にそう告げる。
「なんだいヨシコちゃん?」
「ゴールデンウィークなのじゃ!」
「えっ、ともしかしてどこかに行きたいの?」
白露はゴールデンウィークを主張する幼女の考えを読む
「そうなのじゃ!」
ヨシコは目を輝かせて正解と喜ぶ
「なんですか、旅行なら私も行きたいです」
「私もだよお兄ちゃん」
露美とナギもやって来るが
「ヨシコちゃんは連れてけるけど、二人はどこにも連れてけないよ、俺日本に行けないもの」
「「そうだった!」」
二人は落ち込む、どうやらどこかに連れて行ってもらう予定らしかった。
「二人は仕方ないのじゃ、妾は連れてくのじゃ!」
「うーん、どうしようかな?」
白露は考える、確かにゴールデンウィークなんだから遊びに連れて行ってあげるのも保護者としての役目だ、とそこまで考えて
「おいナギ?」
「なにお兄ちゃん?」
「実家に帰らないのか?」
「帰らないよ」
「何でだよ、親父も母ちゃんも帰ってきて欲しいだろ?」
そこまで質問して、不意にチャイムが鳴る
ピンポーン
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないだろ、いくらこっちに来たと言っても親元離れてるだから長期休みぐらいな」
ナギは白露の説教を聞き流し、白露の後ろを指差す、そして
「白露様、ご両親がお越しです」
「へっ?」
白露が振り返るとそこには白露達の親が
「母さん達こっちで過ごすってさ、だから帰る必要ないんだよ」
「おう白露、ゴールデンウィーク中頼むな」
「ごめんね、都会で遊びまわるって聞かなくて」
「なんだい母さんだって買い物したいって言ってたじゃないか」
「もうお父さんたら」
あっはっはと笑う二人、白露はあっけにとられながら
「な、なんだよ来るなら来るって言っといてよ、もう」
白露は何の連絡も伝えていなかった。
「なんだ、ナギに言っといてくれと言ったぞ」
白露はナギの方を向く
「今伝えたでしょ」
「えっ、お前な早く言っとけよ」
「しょうがないもん、お兄ちゃんが家から出れないから帰れないって言ったらお父さんもお母さんもこっち来るって言うもん、お兄ちゃんが帰れないのが悪いんでしょ」
そう言って不機嫌になる。
「いやあのな、来るのが悪いんじゃなくて伝えてくれなかったのがな」
「むううう」
ナギの不機嫌な唸り声に白露は参ったしてしまう。
「はぁ、悪かったよ、ナギはにいちゃんの状況考えて親を呼んでくれたんだよな、ありがと」
そう言うとナギは満面の笑みで
「でしょ!」
と機嫌が良くなり白露に抱きつく、なんだかんだでブラコンのナギである。
「なんだ白露聞いてなかったのか、まあいいだろ、予定なんて無いだろうし」
「いや親父、あるから俺の小説映画になって超忙しいんだよ」
「そうなのか、まあいいリフォームしたんだろ父さんたちの部屋はどこだ?」
「いやそんなの作って」
そう白露が言いかけた時に
「こちらですお父様、お母様」
マールが両親の部屋へと案内する。
「おっとすいませんねマールさん」
「あらマールちゃん髪留め変えたの?」
「はい少しだけ」
「可愛いわね似合ってるわよ」
「ありがとうございます」
と和やかな会話をしながら三人は地下へと消えていく
「あんの?」
白露はそう呟くのが精一杯だった。
そしてゴールデンウィークの予定を立てるための会議が始まる。
「妾は海に行きたいのじゃ、亀に海を見せたいのじゃ!」
ヨシコの要求は海、それを聞いて白露は
「海か良いんだけどね、船が無いしな」
「船が無いと海に行っても砂浜で遊ぶ程度ですね」
「妾はそれで良いのじゃ?」
ヨシコはそれで良いと言う、白露は釣りをして新鮮な海鮮を食べたかった。
「私は異世界行けないから、こっちで遊ぶしか無いんだよね」
「ナギはお父さんと遊びに行かないのか?」
「うーん、この前ハワイ行ったしな、お父さんとはしばらくいいかな?」
「がーん、娘が反抗期だよ母さん」
「しょうがないですよ、ナギも彼氏とかとデートに行きたいんじゃ無いですか」
「なに! ナギ、か、彼氏がいるのか!」
ナギは慌てて否定する。
「な、何言ってんのよ、お母さん適当なこと言わないでよ彼氏なんていないよ」
「なんだいないのか、そうだよなまだナギには早いな、はっはっは」
父親は機嫌よく受け入れる。
こうして何も決まらない中会議はみんなでの食事会に移り、そして寝る事に
「なんか全く決まらなかったな、はぁ仕事しよ」
白露は今日もちょっと疲れながらも仕事をする、今日はドラマ化した作品の脚本である。最近白露の作品は脚本を誰にもさせられないと業界で噂になり、自分でする事になったのだ。白露はぶつくさ文句を言いながらも脚本を書き上げ、それがその他の脚本家より優れているのが運の尽き、仕事が途切れることが無くなったのだ。
「最近休みが無くなったような、はぁ休み欲しい」
白露の明日はどっちだ!




