フォーリンフォース日本へ
ゲダ=ホーレットは奴隷として地下に繋がれる生活でもホーレットという国を守る為に命懸けで戦った。その献身はますます兄である王の不信感を買い、その立場を悪くしていった。
「俺が死ねば間違いなくホーレットは滅びる」
ゲダのその気持ちは嘘偽りなく、だからこそどんな戦場でも勝ち抜いてこれた、だが今回の相手は気持ちをどれだけ高めても勝てないと思わせた。
「えい!」
軽く振るう剣の一撃が信じられないほど重たく
「てい!」
自分の必殺の剣をあっさり受け止め
「とりゃ!」
簡単に致命傷となる攻撃を受けてしまう。
「ぐっ」
ゲダは膝をつき、血だらけの瞳で相手を見ていた。
『まだ少年だ、だがこの禍々しい雰囲気はなんだ、人間か?』
ゲダはそう考える、そして死を覚悟する。
『すまない父上、私の不甲斐なさがホーレットを』
諦めて動かないゲダをヒロトは
「あれ? もう終わり? 手応え無いな」
そう言って剣を振り下ろす。
「無念」
ゲダはそれを無抵抗で受けるのだった。しかしその剣がゲダに届くことは無かった。
「あれ? えっ? 先生どうして?」
ヒロトの剣を白露、いや
「よい、この者の命余が預ろう」
魔王がヒロトの剣を受け止めていた。
「なんのつもりだ魔王よ」
ゲダは白露を睨み付ける。そんな目を気にせずに白露は
「この者を解放せよ」
そう唱えると、ゲダの奴隷紋が破壊される。
「お主にチャンスをやろう」
「チャンス?」
ゲダは疑わしい目を白露に向けるが白露はそんな事を気にしない
「ここにいる四人はお前達の兵を一人も殺しておらぬ、何故だか分かるか?」
「なに! しかし」
ゲダは信じられなかった、だが倒れてる自軍の兵は微かだが確かに息をしていた。
「なんのつもりだ魔王よ」
ゲダは叫ぶ、何が起きてるか理解出来ずに
「分からぬのか、人とは愚かだな。
我は人間と違い意味なく命を奪わぬよ、それが一点、そして次だが我とて無意味に命を助けはせんな、お前達が世の役に立つ可能性があるうちはな」
「魔王軍に降れと?」
「チャンスだよ、貴様がホーレットの王になり我が配下になるか、ホーレットの全てを滅ぼすかな」
「ぐっ、それは」
それはチャンスという名の脅しであり、命令であったゲダは白露の言葉を完全に理解している。ここで忠誠を誓わなければホーレットの民全てを殺すと言われては
「どうする?」
「しかし私はただの奴隷、ホーレット全ての権限は」
「関係なかろう、貴様は既に奴隷では無く、兵どもも貴様の命令の方を聞くだろう、ホーレットの権限を奪うには十分だろうが」
それは王位の簒奪を行なえとの命令である。
「私に兄を討てと?」
「余に従う為に一番良い方法を使え、民の命が大切ならばな」
「ぐぐぐ」
白露は桜花を呼び出し跨ぐ、そして
「手向けだ!」
白露が何か魔法を使うと、死にかけていたホーレット軍全ての兵士が回復し立ち上がる。ほとんどの兵が何が起きてるか理解出来てないが
「さぁ、我のために奪ってこいゲダよ、それが出来れば世の兵に取り立ててやろう」
「分かりました」
ゲダは頭を下げて白露を見送る、白露はそれに満足して四人を呼び出し彼らの前から去っていく。
「私がやらねばならぬか、兄を討てと」
ゲダの葛藤は短く、すぐにホーレット全軍に指示を出す、敵はホーレット王、その全ての権限を我にと叫び、ホーレットの兵はそれに付き従う、みんな現王が大っ嫌いだった。
「先生いいんですかトドメ刺さなくて」
フォーリンフォースの面々が白露に聞くが
「よい、それに今回の事で目的は達した」
「目的?」
白露は今回の戦争の目的を説明していなかった、ホーレット制圧も彼からすればついででしかない
「召喚の儀にエルサチアの天靴を使っていたからな、余の力だけでお前達を返すのは少々骨が折れるので、ルールに則った方法をとな」
「ルールですか」
「そうだ、お前達はレチュピアを侵略者から守る為に呼ばれた、そう願われたのだエルサチアの天靴はな」
「はい」
「だからその願いを叶えるとお前達をこの世界に引き止める力が無くなるのだ」
「はぁ、あっだから僕達をホーレットと」
「そうだ、そしてお前達をこの世界に縛る力が無くなったのなら余の力を使えば日本に返してやれるからな」
「なるほど」
「お前達が帰らねば、余の映画が出来ぬらしいし久々に本気を出さねばならぬ」
「なんかすいません」
四人が申し訳なさそうにする。
「よい、今回は貴様らは何も悪くないしの、余のワガママも少しはあるからな、さてそろそろ返すぞ」
「えっ! いきなりっすね」
「準備はいいか」
「いや俺達の部屋に荷物とか」
「あそこなら後で取りに来い、住所はジャーズにでも聞け」
「えっ先生ジャーズさんと知り合いなんすか?」
「余の部下だ、余の命令と言えば逆らわぬ」
「マジっすか、先生パネー」
「では、久々に来なさい露美」
「はーい魔王様」
露美ご白露の元に
「目覚めよダーインスレイブよ」
露美の周りに凄まじいまでの稲妻が放たれ、露美の姿が黒く禍々しいまでの剣に変わる。これは魔王が天界との大戦を戦った時に最も信頼を寄せた魔剣である、そう露美は魔王に最も信頼された相棒なのだ。
「えっ、すげー」
「さて次元を切り裂き、エルサチアの天靴で道を作る、ラスティよ、四人を送り届けよ」
「かしこまりました」
ラスティは頭を下げる。
「ではいくぞ、さあ全てを切り裂け、この世の理すらも」
【次元斬】
白露がダーインスレイブを振り抜くと、目の前の空間に横に一本の線が現れ、その線がどんどん広がり次元の通り道が
「では行け、ヒロトよ映画を頼むぞ」
「はい先生」
「そしてケンジ、セイヤ、ミツル、ヒロトを助けてやってくれ」
「はい先生」
「それでは行ってまいりますマスター」
「うむ」
こうしてフォーリンフォースは日本へと帰還する、数日行方不明になっていた彼らは芸能ニュースで少し騒がれたが、特に大きな問題も無く受け入れられる、これは裏で大きな力が働いたのは言うまでもなかった。




