魔王の魔の手は(日本の場合)
現在白露の家のリビングに関係者たちが正座させられていた。
「余がどれほど起こっているか理解してるかグラム?」
そう呼ばれた瞬間、この場にあるもの達は自らがすべき事を理解していた。そう魔王の怒りを取り除く事である。
「は、はい白露様の偉大なる作品を、あの様な駄作に」
「そうだ、何故許した」
「そ、その露美が白露様が許可したと」
ビクッとなる露美
「し、知らないもん、私ちゃんと言ったもん」
露美は子供の言い訳程度の弁明しかしない
「ちゃんと言ったのなら何故こうなったのだ」
「え、えっと」
口ごもる露美
「そして千手よ、お前まで何故だ」
「私は露美の言葉に」
魔王モードの白露には千手こと千歳ですら平伏する、魔王の配下達は覚醒した白露に一切逆らえないのだ。
「お前は責任者であろう、何故確認を取らなかった」
「そ、それは」
千歳は顔真っ青で言葉に詰まる。
「そこの者が監督か?」
「は、はい白露様」
実を言うと映画会社は悪魔が主流の会社で上層部は白露の配下であり、監督などの外部の者も魔王の配下をよく使っていた。
「この様な駄作で良いと本気で思ったのか?」
「えっと、スポンサーの意向が」
「はぁ?」
「いえ、私は駄目だと思いましたがプロデューサーが」
プロデューサーも顔を青くして、ひたすら頭を下げて許しを乞うていた。
「申し訳ありません、申し訳ありません」
額から血を流しながら、そしてその光景を呆然と見つめる出演者と脚本家
「これなんだよ、なんで一作家が大企業の社長二人も土下座させてるんだ」
映画会社も日本有数の大手、出版社も大手である。その二人の社長が土下座しながら冷や汗をかいている、何故だと。
「スゲー、流石大城先生だ」
ヒロトは羨望の眼差しで見ていた。最初マネジャーが謝りに行けと上層部から言われたと愚痴ってたときは不思議に思っていたらしいが、この状況を見て顔を青ざめてる。
「で何故ボンクラ脚本家を選んだプロデューサーよ」
「えっとその、テレビ局側が」
案にテレビ局からの圧力と言いたいらしいが
「余の作品を扱うのにつまらん圧力に屈したと?」
「いや、あの、その」
プロデューサーはガクガク震えながら言い訳も思い浮かばない
「この作品で下手はできないのか」
主役の俳優が足を震わせながら思う、白露に嫌われたら映画界から追放されると思ったらしい
「脚本家よ」
「はい」
「お前は余の作品を扱うほどの技量はない」
「そんな、何が不満なんですか!」
脚本家は白露の配下では無いので普通に不満があれば反論するが。
「全てだ」
「なっ!」
この脚本家は業界の偉い人に気に入られていて実力以上の扱いを受けていた。まあ枕みたいな
「わ、私をクビにして良いんですかプロデューサー!」
ここでプロデューサーは白露と彼女を気に入ってる業界の偉い人との間に挟まれるかと思ったが
「おい呼び出せ!」
「はっ!」
マールが頭を下げてしばらくすると、各局のテレビ局社長が
「は、白露様、私どもが何か粗相を」
震えながら質問してくる社長達、これにはこの場にいる者も驚く、白露の配下は日本のほとんどの大企業、政界にいたのだ。もうほぼ日本支配を達成したんじゃねぐらいに配下は日本の権力構造にいたのだ。
「説明してやれ」
「これは」
マールが社長に説明をすると、一人の社長が土下座する。
「も、申し訳ありません、どうかどうか我が社をお許し下さい、彼の者はすぐにでも処分いたしますゆえ」
「えっ?」
脚本家は何が起きてるのか理解できてなかった、それはこの場にいるものも、である。テレビ局の社長は業界の中での力は凄まじい物だ、そんな社長が涙を流しながら一作家に頭を下げてるんだ、異常としか言えない
「我はあまりお前達に干渉してこなかったが」
白露の低く威厳ある声が室内に響く
「余を馬鹿にするのなら、分かってるな?」
「「「「はは!」」」」
悪魔では無いもの達は、ただただ唖然とその光景を眺めていた。そしてある結論に達する。
『この人が日本のフィクサーなんだ』
まあ仕方ない
「露美よ」
「むぅ、なんですか!」
露美はいじけていた、白露に叱られているからである。
「余に仕えるのなら報告は忘れるな、少しぐらいの我儘なら聞いてやろう」
「はーい、分かりました」
今回一番の失態者なのだが白露は露美にとことん甘く、魔王モードの時でもそれは変わらなかった。
「はぁ、白露様が露美を叱らないからこうなるのだが」
グラムはそう呟き
「大戦で最も頼りにした相棒なのだから仕方ないのでしょう」
「そういうもんなのかな」
「そういうもんですよ」
こうして脚本家をクビにして白露が脚本を書く事になる、もちろん普通の白露はこの事を覚えておらず
「えっ、なんで仕事増えてるの?」
と部屋に缶詰にされたとさ!




