女性ばかりの家での男の価値は犬以下
「ヤッホッホ、ヤッホッホ、俺たちゃ陽気なヤッホッホ」
白露の家の下、そう地下には彼らの帝国が存在していた、その名も【地下帝国】 そのまんまである。
「ヤッホッホ、兄弟今日の成果は」
「ヤッホッホ、そこそこだな」
そして地下帝国の住人はモグラみたいな人間、モグニンである。
モグニンは土を掘る為に鋭い爪を持ち、陽の光が苦手な為常にサングラスを掛けていた(彼らは気合でサングラスを開発したのだ)
「ヤッホッホ、最近力がついたな」
「ヤッホッホ、不思議だな」
彼らは元々弱い生き物だが稀に進化する個体がおり、モグニンニンへと進化した個体はモグニンより声が大きくなり穴掘りも得意になるのだ
「ヤッホッホ、ヤッホッホ、住処もだいぶ大きくなったな」
「そうじゃの」
地下帝国のトップは古くからモグニンをまとめる、モグ仙人
「これからもヤッホッホじゃ」
「ヤッホッホ」
ヤッホッホに意味は無い、つまり彼らは何も考えてない、何も考えてないが為に闇の森地下に、世界最悪のダンジョンを作り出してしまう。
「なかなかいい感じだな」
「これはゴブ郎殿」
「これなら闇の森とそれ以外から集まる者共の住処として充分だな」
「もちろんですよ、はっはっは」
ゴブ郎発案では無いが責任者はゴブ郎の、地下ダンジョン計画である。この後白露のヤッホッホがうるさいと聞いた時は、腹を切って詫びようと大騒ぎだったのは言うまでもなかった。
「そろそろ白露様を招待出来そうだな」
「おお我らの魔王様にお会い出来ますか」
「分からん、こればかりは白露様の意思次第だからな」
「しかし来てくれる可能性は高いのだろう」
「そうだな、白露様は頑張る者には寛大だからな」
そんなモグ仙人とゴブ郎の話は
「ぐっ、うるさいな、何だよ地下に何があんだよーーーー!」
白露の安眠を常に妨害していた。
「はぁ、今日も寝れんかった」
白露は寝不足の顔でリビングに向かう、そこにはいつも通り露美がワイドショーを見ながら煎餅を食べており、ヨシコが亀を頭に乗せながらゲームをして(新作を買って来たらしい)ナギが高校のパンフレットを見ながら部活を何にしようか考えていて、マールがニコニコしながら白露にお茶を淹れ、桜花がニンジンジュースを飲みながらヨガをして、千歳が露美の横で煎餅を食べながら
「はぁこの家いいね」
そんな事を言いながらテレビを見ている、既に一階の和室を乗っ取っていた。
「えっ、あれ、なんで千歳がいるんだよ」
そこまで白露が言うと露美が嬉しそうに
「聞いてください先生、編集長との交渉の末私は昼まで先生の監視と決まりました」
「えっ、いやそんな事より千歳がなんで?」
「あん気にするな、今日から私もここに住むのだ同居人だからな仲良くしてやる」
「えっ、な、何言ってんだよ、ここは俺の……」
そこまで言って
「文句あんのか?」
どこから出るのか千歳はドスのきいた声で白露に質問する。
「いえ問題ないです」
白露はビビってそう答えるのが精一杯だった。
「だろ、これからよろしくな白露、いやー家賃、食費、光熱費まで見てもらえるなんて太っ腹だね白露大先生」
「えっ、ちょっとそれは」
「なんだ露美は良くて私は違うのか?」
優しく言ってるが千歳の目は鋭く白露を睨む
「いやそんな事はないけど」
「だろ」
千歳は白露の肩に手をやり、すれ違いながら玄関に向かい
「じゃあ露美、白露に新企画の説明したら会社に来いよ」
「はい編集長!」
露美はビシッと敬礼しながら千歳を見送る。
「えっ新企画?」
「はい、良かったですね先生、お仕事いっぱいですよ」
「のおー」
白露は広い家に住んで優雅に一人暮らしをしようと郊外に買った豪邸なのに、次々同居人が増えて白露の居場所が無くなっている。
たくさん部屋があったのに白露の部屋はもう仕事部屋と寝室だけで何故かペット五匹(ミーコ、ペス、桜花、亀、スラン)同居人五人(ナギ、ヨシコ、マール、露美、千歳)だけど全員家賃を払わないので(ナギは金を強奪していく、ヨシコは月五千円のお小遣い、マールには生活費をある程度)金は溜まらない
「はぁ、いくら売れっ子だからって金も持たないよ」
「白露様」
マールが通帳を渡してくる。
「えっ、何これ?」
白露が通帳を開くと、そこには丸がいっぱいである。
「えっ、何これ?」
白露同じ質問を繰り返す
「資産運用は得意なので」
「マール!」
マールの献身に思わずマールを抱きしめる白露、その時白露は『いい匂い』と思ったが
「きゃー、お兄ちゃんがマールさんを襲ってる、止めろバカニイ!」
「うぎゃー!」
ナギにしばかれて、デカイタンコブを作る白露だった。
「はぅ」
ちなみにマールは顔を真っ赤にしながら『ふふふ投資して良かった』と終始ご機嫌だった。




