まずは家の中から
「ヤッホッホ! ヤッホッホ! 俺たちゃ陽気なヤッホッホ!」
最近白露は謎の声に悩まされていた。
「なんだよ、ヤッホッホ! って」
白露の家の地下から聞こえる謎の声、白露はその声のせいでろくに眠れなかった。
「ああ、なんだよ地下に何か住み着いてる」
「先生言い訳はいいですから早く原稿書いて下さい」
露美は白露に原稿を催促する
「なんだよ、半年分あるだろ」
「あれは編集長に奪われました」
「な、な、なに!」
白露がお世話になってる会社の編集長は白露と同い年の女性で白露の元編集担当である。
「千歳に見つかるなよ、千歳に見つかったら半年分の意味が無いじゃないか」
千歳は鬼の編集者、ストックなんて許さない、ストック出来たら即書籍にして金に変える、そして作家を働かせる。そんな鬼の編集者
「ああ、半年分が水の泡だ」
「御愁傷様です」
「お前のせいだろが!」
白露は怒ってるんだが
「はぁ、書くか」
露美がイーグレットの書類にバンバン判を押してるのを見て、怒る気が失せると言うより怒らなかった。
「露美様、なにとぞ酒場を」
「知らない、早く仕事なさい」
「露美様、なにとぞ色街を」
「知らない、早く仕事なさい」
「露美様、なにとぞホストクラブを」
「分かったわ、早く仕事なさい」
許可してるのは自分の趣味が優先みたいだが
「はぁとにかく変な声をどうにかしなきゃ」
そうは思うが地下の出来事なんてどうしようもない白露である。
「のお白露」
「なんだいヨシコちゃん」
白露の目の前にヨシコがやって来る、ヨシコは嬉しそうに
「見るのじゃ、ランドセルなのじゃ!」
「うん似合ってるよ」
「そうじゃろそうじゃろ」
白露は何故ヨシコが日本に行けるのか分からなかったが、行けるならと小学校に行かせることにした、戸籍とかどうするねんと思ったのだがマールが
「全てよしなに」
とか言いながら準備全てを終わらせていた、戸籍上彼女は俺の娘で、今年で7歳の新一年生らしい
「あはは、妾は新一年生なのじゃ」
白露は疑問が沢山あったがヨシコの笑顔に、まあいいかと深く考えない様にした。
「入学式は白露も来るのじゃ」
「そうだね」
そこまで言って
「あっダメだ、俺、ヨシコちゃんの入学式に行けないやん」
「な、なんでじゃ!」
ヨシコが泣きそうな顔で見つめて来るのだが
「ごめんよ、俺、日本に行けないだろう?」
「そうじゃ!」
こうして白露家に新たな問題が、入学式問題である。
「私が」
マールが立候補したのでスピード解決
「えっ、マールも日本に行けるの?」
「はい、買い物はいつも私が」
「そうなんだ……あれ? じゃあ露美ちゃんをここに住まわす理由無いんじゃ?」
それは気付いてはいけない事だった、露美にとって
「先生、まさか私を追い出す気では!」
「いやでも、買い物頼む代わりに部屋を貸してるんだから」
「本気ですか先生」
「いや光熱費も食費もタダなのはちょっと変かと」
「先生!」
「ひゃっ! わ、分かったよ居ていいから」
「ですよね」
そう言って露美はテレビを見ながら煎餅を食べる。こうして露美はただの居候にランクダウンしたが、やってる事は同じである。
「なんだよ、はぁなんか疲れたな、寝たいけど変な声するし」
白露はうんうん唸りながら、何をしようか悩む
「どうかなさいましたか白露様」
マールが心配そうに見つめてくる、マールは凄い美人なのでドキドキする白露、その時
ピンポーン
玄関のインターホンが鳴り、マールが玄関に向かい
「あれ、マールじゃない、いつからこっちに?」
「つい先日よ、あなたこそこっちに来てたのね」
白露は思った、なんだがマールの友達かと、しかし今日の訪問者は
「おいバカはいるか!」
「えっ千歳」
「ふんダクロか、おい露美の馬鹿はどこだ」
ダクロとは【ダメな小説家志望の無駄飯ぐらいの白露】の略である。
「えっ、そこで煎餅を」
そこには何もいなかった。
「あれ? 逃げたのかな」
白露がもぞもぞする足元を見ると、そこにソロリソロリと逃げようと匍匐前進している露美が
「先生シー、シーですからね」
露美は白露に口止めをして離脱しようとしたが
「あら露美、こ・こ・に」
千歳が笑顔で露美の首根っこを掴み、そのまま持ち上げる千歳は力持ち
「いたのか!」
「ぎゃー!」
こうして露美は千歳に連行される、ドナドナである。
「それじゃあ白露、原稿書いとけよ連続刊行するからな」
「いやだよ、僕は休みたいか……ぶっぺー」
そこで千歳にど突かれる、昔から白露は千歳に無茶をさせてきた、そしてこれからも
「じゃあ異世界でも頑張れよ」
「分かったよ」
こうして千歳と露美は会社に向かう
「あれ? 千歳に異世界の事言ったけ」
不思議な女性千歳、彼女が現れたところから三章始まります。




