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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第二章 お向かいさんは……
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スライムと

 今日のスライムはとてもご機嫌、何故なら


 「あれここは?」


 白露は辺りを見渡して、窓にへばりつくスライム達を見て


 「夢か」


 そうスヤスヤ眠りに……


 「って寝るな!」


 バシン! とヨシコは頭を叩かれる


 「痛い」


 白露は起き上がり、その痛みを感じて夢でないことを悟る。


 「ええ、夢ちゃうの」


 白露はどうしていいか分からない


 「もうもうなのじゃ、とりあえずどうにかして欲しいのじゃ」


 そんなヨシコの希望に


 「ヨシコちゃん」


 白露は真剣な顔で


 「俺には無理だ!」


 そう告げる。


 「カッコつけて言う言葉か!」


 「いてっ!」


 ヨシコのツッコミはかなり強烈だった。そして一連の流れを行ってから、彼らは窓を見て


 「どうしたもんかな」


 「そうなのじゃ、もう食べ物ないのじゃ」


 「えっ、お菓子のストックが一週間分は」


 そう言いながら部屋を見渡すと、お菓子の袋がその辺に散らばっていた、一週間分ほど


 「食べたのじゃ」


 「えっ?」


 「食べたのじゃ」


 「えっ?」


 「腹一杯なのじゃ」


 「どんだけ食っとんじゃーーー!」


 白露の絶叫が響き渡る、それを興味深そうに見つめる? スライム達、そして水槽にいるミドリガメ、カオスである。


 「はぁ、食べた物は仕方ない、でもお菓子ばかり食べるのはダメだよヨシコちゃん」


 白露は真面目な顔でヨシコを叱る


 「ごめんなのじゃ、でも晩御飯も朝も無かったのじゃ、白露が寝てるのが九割悪いのじゃ」


 「ぐっ、寝てた訳ではないんだけど」


 しかしヨシコを責めにくいのも事実、白露はそれ以上ヨシコを責めずにこの状況の解決に動く


 「とりあえずスライムをどうにかしないと」


 そう考えながらキャンピングカーを出ようとする白露、そうするとスライムがドアに集まる


 「無理みたいじゃの」


 「うーん、なんでこんなにスライムが集まるのかな?」


 それは一番初めに疑問に思うべきことである。


 「スライムは光に集まるらしいのじゃ、でも白露にばっか集まるのじゃ」


 そんなヨシコの言葉に白露は


 「はっはん、なるほどね」


 「何か分かったのか?」


 白露の謎が解けました的な顔に腹が立つが、白露は何か謎が解けたようだ。


 「恐らくスライムは、これに反応しているんだ」


 白露はスマホを取り出す、そして窓を少し開け(ここで普通なら水が入ってきそうだが、ここは水がない空間です)スマホを投げる。


 「よしこれでスライムがあっちに行ってる間に」


 逃げようと言いたかったが、スライム達は白露の方を見つめてる(目はどこか分からない)


 「あれ?」


 「もうダメなのじゃ、無理なのじゃ」


 そこに漂う諦めの空気、しかしここで白露はある事に気がつく


 「さっきからアソボアソボと、何をしたいんだスライムは!」


 その言葉にヨシコは


 「のお白露よ」


 「なんだいヨシコちゃん」


 「お主スライムの言葉が分かるのか?」


 「えっ? そんなの分かる訳……って分かってるやん」


 今気付く白露、彼は魔王に就任した際に魔の物と意思疎通出来るようになっていたのだ、本人は知らないが


 「じゃ、じゃあ語りかけるのじゃ、スライムに」


 「よ、よし、ハロー」


 白露は手を上げて話しかける、するとスライムは


 『アソブ?』


 嬉しそうにウネウネしていた。


 「よし意思を確認した、どうやら話が通じるみたいだ」


 白露は希望に満ちた表情でスライム達に


 「俺を帰してくれないか!」


 そう告げる、スライムの答えはもちろん


 『ヤー』


 明確な拒絶だった。


 「あかん、終わったわ」


 白露は肩を落としダメだとヨシコに告げる。


 「何を言っとるのじゃ、スライム供の要求を一切飲まずに交渉したらそうなるのじゃ」


 ヨシコ当たり前のアドバイス


 「あっ、それもそうか」


 白露はそれもそうだと、スライムと再度交渉する。


 「えっとスライム君」


 『ナーニ』


 「俺達は陸に帰りたいんだけど」


 『ダメ』


 「いや陸に上がらないと楽しい遊びが出来ないんだよ」


 白露、なんとか陸に上がろうとそう告げる、すると


 『アソブ?』


 「そうだよ」


 『タノシイ?』


 「ああ」


 『ワカッタ』


 スライムが承諾すると、一気にキャンピングカーに纏わり付いたスライム達が陸を目指して上昇する、その時ペスとすれ違う


 「があ!」


 グングン上昇し、ザバーンと水面からキャンピングカーが現れる。

 そして白露はキャンピングカーから降りて


 「ふ、ふうー、助かった」


 だがそこに集まるスライムの山に埋もれそうになる、だが白露には奥の手があった。


 「さあ遊びのルールを教えるよ」


 その言葉にピタっと止まるスライム達、どうやら遊びが楽しみで仕方ないらしい


 「じゃあまずはこれだ!」


 白露はサッカーボールを取り出し、サッカーの説明をする。


 「いいかいこっちからこっちにボールを運んでシュート、で点の多い方の勝ちだ、分かったかい」


 『ウン』


 スライム達は器用に合体、分裂を行ない二十二体に、そして白露チーム対ヨシコチームに分かれてキックオフ


 「うぉー、そんなトリッキーな」


 スライムは触手を伸ばしてボールを奪う、確かに手では無いが少し卑怯と思ったのは仕方ないだろう。

 こうして白露達とヨシコは楽しく一日中遊ぶ、いつの間にかペスも参加していた。そして


 「ご飯ですよ」


 マールのそんな言葉に一同が集まり焚き火を囲みながらカレーを食べる、スライムはずっとご機嫌にしていた。


 「ねぇマール」


 「はい白露様」


 「君留守番じゃ」


 「うふふ」


 「えっと」


 「うふふ」


 白露はこれ以上突っ込まない、それが一番と感じたのだ。こうして楽しいひと時は終わり白露達は家へと帰還する。

 帰りは特に事件もなく順調で平和だった。

 帰るとミーコが青ざめた顔で待っていた、白露がどうしたの? って聞くと


 「勇者を逃しましにゃ」


 白露はゲームかなんかの話かと思い


 「そうなの、まあ次頑張ればいいじゃない」


 そう軽く告げる


 「ありがたいにゃ、次は絶対に始末するにゃ」


 「頑張れ」


 そう励ましてリビングに向かう、そこには


 「ああお兄ちゃんなんでいないのさ!」


 ナギが家に帰っていた。


 「なんだハワイから帰ってたのか」


 「もう一週間後って言ったのに、なんでキャンプなんかにいくのかな、私の事迎えるのが普通でしょバカにい!」


 「ごめんよ」


 白露は素直に謝る、すると


 「あれー、これ何これ何!」


 ナギは白露の頭の上にある青い物体を掴む


 「スライム」


 「へぇー、プニプニしてるあははは」


 こうして白露家に新たな住人を迎えて、季節は春、新生活が始まる季節であった。

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