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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第二章 お向かいさんは……
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勇者の事情

 白露がスライムと遊んでいる頃、闇の森は勇者の襲撃を受けていた。


 「ちっ、なんちゅう森だ! 最低でもAランクばかりだ」


 「圭介あそこ!」


 「ちっ!」


 圭介は急に襲ってくる魔物を切り裂く、それは猿型の見たことない魔物であった。


 「くそ、森の入り口付近でこれだと、無理だ撤退するぞ!」


 「そうね、装備から何から、いえレベル上げもしないと勝てない」


 「ぐっ、仕方ありませんね」


 勇者のパーティーは勇者の圭介、賢者のユキ、聖騎士(パラディン)のデルの三人だった。

 そして現在疲労困憊の圭介、魔力切れのユキ、そして片腕を失ったデル


 「ふむ、君達はこの森から出られると思っているのですか?」


 「誰だ!」


 勇者達の目の前に一人の魔人が現れる。


 「まさか君達が来ているとはね」


 「何故貴様が!」


 勇者は魔人を睨む、その昔戦った悪魔を


 「アイム、お前はあの時確かに」


 「くっくっく、殺せなかったな勇者よ」


 三人が身構える、彼らとてアイムに楽に勝てたわけではない、死を覚悟するほどの死闘だったのだ。


 「お前がこの森の支配者と言うわけか」


 圭介はそう思う、何故ならアイムは魔大陸と呼ばれる魔族の住処をほぼ統一していた支配者であった。


 「愚かな、この森の支配者は私なぞ遥かに及ばぬ偉大なお方、まあ今から死ぬお前達には関係ないか」


 「ふん、馬鹿にするなお前程度軽く倒してやるさ」


 圭介は一度倒した相手とアイムを舐めていた。しかしアイムはそんな圭介を気に留めず


 「そうそう、私は名を変えてね今はミーコと名乗ってるよ」


 「ぷっ、あはは、何よそんな猫みたいな変な名前は!」


 ユキが笑いながらそう言った瞬間に空気が変わる。


 「貴様、偉大なるお方に名付けられた我が名を笑うとは、万死に値するわ!」


 ミーコは魔力を解放する、それは前回戦ったアイムとは桁違いの魔力であった。


 「えっ!」


 デルは精神を病んではいたが聖騎士として幾多の功をもたらした偉大な騎士であった。

 とても強く単独でSランクの魔物を倒した事もある確かな英雄である。

 そんなデルが気付いたら生き絶えていた、ミーコの手刀により頭と胴を離されて。


 「うそ、デルが何も出来ずに」


 ユキが信じられないと呆然としていると


 「気をぬくなバカ!」


 ユキの背後に現れたミーコの手刀、その手刀はユキに届く前に圭介の左手を吹き飛ばす


 「ぐあー!」


 「ほぉ流石は勇者、一撃とはいかぬか」


 圭介達は混乱していた、目の前の悪魔が前回戦った時と桁違いに強く恐ろしくなっていたのだ。


 「くそ、神よ」


 圭介は神から与えられた究極の神具を使用する。


 「な、何!」


 ミーコの目の前に凄まじい光が溢れ視界が遮られる。


 「今だ、テレポート!」


 彼が放った神具は光を出すだけのものではない、どの様な魔に侵された地であっても聖域に変える魔道具なのだ。


 「くそが!」


 その聖域では魔に近いものは力を奪われる、ミーコは力が衰え圭介達にとどめを刺せず逃してしまう。


 「くそ、くそ、くそ、まさかこの様な失態を!」


 「アイム様」


 そこに悪魔達が集まる、彼らは勇者によって住処を追われたアイムの部下だった者達、彼らは逃げた先からこの森にやって来た、ミーコの招集に応じて


 ドカ!


 ミーコをアイムと呼んだ悪魔が殴られる。


 「私はミーコだ、偉大なる白露様よりいただいた名を間違えるな!」


 「も、申し訳ございません」


 悪魔達にとってミーコは王である、それも独裁者に近い、そして最強に強い

 そして現在魔人へと到達したミーコは悪魔達にとって英雄であり、恐怖でもあった。


 「くっ、この様な失態を白露様に」


 彼らは白露に会ったことがない、入れ違いで白露が遊びに行ったから、だからこそ思う。魔王白露とはどれほど恐ろしく、それでいて強いのだろうと


 「はぁはぁはぁ、くそ!」


 圭介とユキはテレポートにより神域と呼ばれる場所に来ていた。


 「負けたか勇者よ」


 「ぐっ、神か!」


 彼らの目の前に、彼らをこの地に呼び寄せた者がいた。


 「神様私達には無理よ、あんな化け物」


 ユキは既に心を折られていた。


 「お前達なら勝てる、信じるがよい」


 「ふざけるな、もう帰してくれよ、日本に!」


 圭介も限界だった、片腕を失い、性格破綻者でも仲間だった者を失い、そしてミーコに勝てるイメージは皆無、詰んでいた。


 「ならぬ、お前達が魔なる者を駆逐するまで」


 「ふざけやがって!」


 圭介の怒りの拳が神と呼ばれる者に向かうが


 「さあ戦え勇者よ、我が威を世界に示せ」


 「うわーー!」


 拳が届く前に光に包まれ圭介達は世界の中心と呼ばれる宗教国家【エリポス】の大神殿に転移していた。


 「くそ!」


 圭介は右手を手が出るほどに握りしめながら、戦いに身を置かねばならなかった。

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