プロローグ的なエピローグ
大地震が起きたその日、白露は不思議な夢を見た。
「あれ? なんだろここは?」
それは不思議な空間で、目の前に大きな城がそびえ立っていた。
「わぁー、とても綺麗な白いお城だな」
白露はそんな感想を言っていると、目の前の城の門がひとりでに開かれる。
「なんだろ? 入れば良いのかな?」
白露は何も疑問に思わずに城へと向かう、その城は白露が思う理想的な城だった。
「わぁ、ここにこの調度品、ここに絵画か、センスがいいね」
城を見学しながら奥へ奥へと入っていき、遂に城の中心部に
「ここは謁見の間ってやつかな?」
そんな事をぼんやり思ってると、目の前の玉座に白露が座っていた。
「あれ? 俺が座ってる」
不思議に思ったが、白露はこれが夢だと何故か、確信していたので変な夢ぐらいにしか思わなかった。
「久方ぶりだな、わが半身よ」
威厳ある声でそう語りかけてくるもう一人の白露
「久方ぶりだね、俺の半身くん」
白露は迷いなくそう答える、それは目の前の白露が何者か理解しているようだった。
「さて、ようやく繋がった」
「そうだね、ようやくだね」
白露はそう語りながらも、何のことか理解出来ない、何故か自分の思考がまとまらなかった。
「城を取り戻したのだな」
「ああ、だからここにいる」
「そうか、これで世界が繋がる、我らが我になる」
「そうだ、今までお疲れ様、そして歓迎しよう」
「ああ、ようやく現世へ、我が城を現世へ」
「そうだ、行こう我が国の元へ」
白露の夢はここで一旦途切れる。
そして次に見た夢は
「久しぶりだな、マールよ」
「ああ魔王様、お久しぶりでございます」
鎖で手足を封じられているマールがその場にいた。
「苦労をかけたな」
「そんな魔王様の為ならば、私はどのような事でも」
「そうか、それ!」
白露が手を振るとマールを縛っていた鎖が砂のように崩れていく
「ああ魔王様、魔王様」
マールは感激のあまりに涙を流しながらこうべを垂れていた。
「では行くぞマール、そして準備するのだ、我が城を現世へと」
「かしこまりました、全てを魔王様に」
「頼んだぞ」
そこで白露の夢はここで一旦途切れる。
次はとある家の前に立っていた。
「お帰りなさいませ」
美しい女性が優雅にお辞儀をする。
「ああ迎えに来たぞ、桜花よ」
「はい」
桜花と呼ばれる女性は光に包まれ美しい馬へと変化する。
白露は桜花を撫でながら
「行こうか」
「はい」
ここでまた一旦夢は途切れる。
「何だか夢が断片的になるな」
白露はその全ての夢を途切れるたびに忘れていく、彼は夢を見たと言う事しか覚えていない
そして目の前に光の鳥が
【帰ったか】
「ええ、貴方が私をあちらの世界に送ってくれたおかげで、どうにか」
【我が力ではここまでだ、ここからはお主の力ぞ】
「ええ、あちらの世界で私は知恵を得た、国の知恵をね」
【そうか、では行くがよい、この先に封印せし魔王の剣を】
「感謝しよう、そして約束しよう、全てを支配すると」
そう言って白露は光の鳥が示す場所へ
「久しぶりだな、魔剣よ」
「ええ、随分ほっとかれたわ」
「だが迎えに来たぞ」
「ええ、勝手な人だものね貴方は」
「拗ねるな、我が元へ」
「ええ、私は貴方の物だもの、行くわ」
ここで白露は夢から覚める。
「うぁ、なんか変な夢見たな、えっと、ああ昼過ぎか? ダメだなもっとちゃんとしないとな」
こうして物語は始まる。
「朝ごはん作るのめんどくさいな」
彼の物語が
「コンビニ行くか」
その扉を開いた瞬間に
これにて第一章、引っ越し挨拶の完結です。
今回は現代日本のだいたいの物を使える状態での異世界生活を書こうと思って、この作品を書きました。
第一章ではその設定を全く使えませんでした、反省です。
白露は二重人格とかでは無く、魔王白露とおとぼけ白露は同じ人格です。その辺は後の話で描いていきます。
第一章で人類に宣戦布告をした白露ですが、すぐに人類と戦争するわけでは無く、次の章はゆっくり異世界ライフと現代日本ライフを書いていこうと思います。
では次章 お向かいさんは…… をお楽しみくださいm(_ _)m




