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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第一章 引っ越し挨拶
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各地へ引っ越しの挨拶を

 闇の森のゴブリンは最弱の種族

 そんな彼らが闇の森の魔物を次々支配下に置けたのには理由がある、それは白露の存在である。

 白露は異世界に来る際にとある能力に目覚める。それは【支配】【征服】【強兵】【カリスマ】である、他にもあるがひとまずそれだけの説明を


 支配


 それは他者を配下にする能力であり、支配者として君臨する能力である。


 征服


 白露、もしくはその配下が非支配下の土地を奪う際に能力を強化する能力である


 強兵


 彼の支配下に存在するものは無条件で進化し、その後の進化条件も簡単になるのだ。


 カリスマ


 支配下に置かれる者達から讃えられる能力、無条件に凄いと思われるので、白露の判断には決して逆らわない


 と王になるための能力を全て持ち得た白露、しかし白露は自身にそんな能力がある事に気付かない、恐らくこれからも


 「なんか壮観だね!」


 いつの間にか出来てしまった白露の国、イーグレット、その住人達がそろって広間に集まっていた。


 「はっ、皆、白露様のお声をお待ちです」


 ミーコが頭を下げる、ミーコは最近家の中以外では魔人の姿になっている、ミーコ曰く家の中では何故か猫じゃ無いと魔力がもたないそうだ。


 「えっと、建国の挨拶で良いんだよね」


 「はい」


 白露が転移してから一月もたたない間に白露の国は出来上がる、総人口百万、それは闇の森全ての知恵ある魔物の総数であった。


 「なんか多いね?」


 「そうでしょうか? この程度の小国規模しか用意出来なくて恥ずかしい限りですが」


 「そ、そうなの」


 「私が魔族領にいた頃の領民程度ですから」


 「へぇー、ミーコはなかなかの魔人なんだね」


 「いえ、あの頃は悪魔でした」


 「そうなの?」


 「白露様に出会い、魔人へと進化出来ました。感謝しかありません」


 「へぇ、進化出来たんだ良かったね」


 「はい、ゴブリン達も多数進化出来ており白露様の偉大さが際立ちますな」


 「そうなの」


 白露はよく分からないが、自分の力と思っていないので曖昧な答えしか答えられない

 話は変わるがイーグレットの状況は劇的に変化してきた。

 まずは王都として白露の家の周りに作り出された街である。未だに名は無いがゴブリンの建築スピードが凄まじく村と言うレベルでは無く、まさに王都と呼べる規模になっていた。地面も石畳で覆われていて家も小屋ではなく、二階建て、三階建ては当たり前の建築物に、白露も起きる度に変わる街の姿に毎朝驚いていた。

 そして人口である、ゴブリンだけの時は百人規模、ゴブリンが異種族を侵略した頃に千人、そして魔国イーグレット建国を発布する時には白露の魔力に当てられた魔物全てが白露の支配下に置かれ、その数は知恵あるものだけでも百万を越え、ただの魔物を入れればその数は数え切れないほどである。

 最後は種族、これはゴブリンが侵略した者達だけでなく、白露の魔力を恐れた種族が下ってきた為に正確な種族数は不明に

 そして組織の基本的な陣容、白露を絶対の王とした絶対王政では無く超絶対王政、白露の命令こそ至高の考えである。

 そこから宰相を露美に、これは露美の現代知識チートを披露された種族の長達が納得しての就任、白露に近い存在なのも後を押した。

 次は軍のトップ、これはゴブ郎が文句無しの就任、ゴブリンジェネラルに進化したゴブ郎は人間基準だとブッチギリのS級の魔物、いやそれ以上の異常進化体である。

 次にヨシコ、ヨシコは魔法省の大臣に、ヨシコは凄腕の魔導師であった。

 次はミーコ、ミーコは近衛の総責任者、白露に近づく不届き者を殲滅する為に立候補する。

 ペスは白露のペット兼王都の守護竜に

 マールは王城のメイド統括、まあマール以外にはメイドはいないが

 王城とは白露の家の事だが、政治の中枢はその数キロ先にある城で行われる、白露に移住を進めるものもいたが、白露の「いやだよ」の一言に頓挫、現在は議会場と役所として使われる。

 こうして瞬く間に出来たイーグレットは、今日の白露の建国宣言により正式に誕生する。


 「よし、いくよミーコ」


 「はい白露様」


 闇の森は現在大規模な開発により、白露の家の周り何万ヘクタールが王都と農地に、そして大規模な集会場が、そこに何万の魔物が埋め尽くされていた。


 「魔王、白露様! ご登壇!」


 拡声器でゴブ郎がそう言うと、騒がしい集会場に静寂が訪れる。

 そしてタン、タン、とゆっくり白露が壇上に登る。

 この時白露の上空に光の鳥が現れ、白露の目の前に降り立つ。

 その光景に魔国の住人は奇跡を見ているような気分になる。


 『へっ、なにこれ? えっ? えっ?』


 白露がパニックになってると


 【真なる王に祝福を】


 光の鳥から闇の森、いや世界中に広がる声が

 そして白露はその声を聞いた瞬間に


 【そうか、感謝で返そう!】


 同じく響き渡る声で返す。


 【偉大なる王よ、我が力を雄弁に】


 【ふん、神よ、我が名を轟かせて見せよう】


 その会話にイーグレットの住人は膝をつき、拝むように見つめていた。


 【では世界を手に入れて見せなさい】


 そんな言葉に白露は


 【ああ見ておけ、我が国の名を響かせよう、この世の唯一の国として】


 それは世界に向けた宣戦布告だった。


 【魔王よ、この世を蹂躙すべき魔王よ、お前の国に我が祝福を】


 【ああ、お前の名を世界に広めよう】


 【そうか我が名を】


 【そうお前の名を、イーグレットの名を、神の名を】


 その宣告を涙を流しながら聞き入る聴衆達


 【宣言しよう、魔王 大城 白露の国の名を】


 【その名は?】


 【我ら魔の国の名はイーグレット! これを持って建国を宣言する】


 そこで爆発するような歓声が起きる。


 【イーグレット、その国に永遠なる祝福を】


 そう言って光の鳥が飛んでいく、こうして鎮まらない歓声を受けて白露は国民に語る。


 【我が声が聞こえるか国民諸君】


 歓声で答える。


 【そして我に反する者共よ】


 そして世界中の者達にとある映像が映る、それは血だらけのバッジオ、そして屈強なゴブリン達


 「なんだこれは、あれはS級冒険者のバッジオじゃないか、王国最強のバッジオが何故!」


 それがほとんどの人間の感想であった。


 【我がこの地へ、降り立った挨拶として】


 それは魔王の引っ越しの挨拶であった。


 【我に逆らう者の結末をお届けしよう】


 バッジオの映像に動きがある、それはゴブリン達がバッジオの前に槍を持って


 「や、やめてくれ、やだ、死にたくない!」


 王国最強の冒険者が


 「やめ…」


 あまりにあっけなく


 「ぐふ!」


 その命が無くなる。


 「な、なんて事だ」


 それはあまりにも無残で、そして恐怖の光景であった。


 【そうゴブリンですら、我が国の兵は屈強であり】


 そして映像は集会場に集まる国民に変わる、これには国民も理解できなかった。


 【そして建国が宣言された、この瞬間を持ってお前達は我が真なる配下になる】


 白露の言葉に国民は大歓声を上げ、喜びで受け入れる、すると辺り一面が光り輝く


 【さあ怯えろ全ての我に逆らう者よ、さあ喜べ我に従う全ての者よ】


 人間達はその映像の光景に言葉を発する事が出来なかった、その光景は


 【さあ、これがイーグレットの民だ!】


 そこには進化に進化を重ねた、S級と呼べる魔物の集団だった。

 そう白露の強化により、イーグレットの国民全てが進化を遂げたのだ。


 【さあ選べ、服従か】


 人間達は息を飲む


 【蹂躙か】


 そこで映像が無くなり、声も聞こえなくなる。


 「ああ、これが真の魔王か」


 ミーコは感激で涙が溢れる、そして鳴り止まない歓声、ここにイーグレットが誕生し白露は王城へと消える。

 そこから始まる終わりの見えない宴は続く


 「あれ? 俺何してたんだろう?」


 家の仕事場で白露は夢から覚めるように意識を取り戻す、その時魔王としての記憶は一切なかった。

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