会議 1
釣りを楽しんだ次の日、白露の家のリビングにリザードマン、エルフ、獣人族、ドワーフ、オーガ、オーク、ウェアウルフ、忍者? がそろっていた。
「白露様、各種族の長を連れてまいりました」
「あっ、うんご苦労」
白露はドン引きである、ていうか忍者って何だよ、と思っていた。
「何ですか先生、このファンタジーな人々は」
露美は驚きすぎて、どうしていいかわからない
「えっと、まず君達はあの街に暮らす者達で間違いないな?」
全員が手を挙げる、どうやらこのやり方が定着したようである。
「そうか、じゃあこれから俺たちは仲間になるね」
その言葉に長達はどうしていいか混乱するが
「白露様の言葉だ、手を挙げよ」
ゴブ郎の言葉に震えながら手を挙げる長達
「あー、ゴブ郎」
「はっ、白露様」
「手を挙げる事を強制してはいけないよ、この場は意見を聞く場でもあるのだから」
「はっ申し訳ありません」
ゴブ郎はすぐに謝り白露の背後に備える、もちろん白露から見たら分からないが、凄い形相で長達を睨んでいた、その目は白露の言葉に逆らえば殺すと言っていた。
「じゃあ始まるね、今日は君達の処遇を話し合う会議だからね、遠慮はせずに意見をお願いするよ」
そう白露がいい終わり、ゴブ郎が睨み付けると、長達は一同に手を挙げる。
「それじゃあ、まずは町での役割を話し合おうか、まずは順に得意分野を言って行こうか」
手を挙げる一同
「うん、じゃあエルフから」
「は、はい!」
指定され立ち上がるエルフの長、髪は全て白髪の老人である。
「わ、我らは森で狩りをして来たので狩りが得意です」
「そうか、それは素晴らしいね」
白露は少し長達と距離を感じていたので、彼らを褒めることにより距離を縮めようとしていた。
「ありがとうございます」
エルフの長が震えながら頭を下げる。
「まだまだ森は広いし狩りは大切だね、エルフのみんなには主に狩りをお願いしようかな」
「はっはは、ありがたき幸せ」
凄く頭を下げるエルフの長に
「あー、そんなにかしこまらないでいいよ、会議なんだから、ね」
「はい白露様」
なんかエルフの長が涙流しながら白露に感激していた、と言うより心酔している感じにすらある
「えっと、うん、じゃあ次はリザードマンかな」
「へい、ワイらは川での活動が得意です、川や湖での作業ならお任せ下さい」
そう背筋を伸ばして語るリザードマンの長、彼もガチガチに緊張していた。
「そうだよね、よし別荘地の開発かな」
白露は先ほど別荘地にしようとした湖の開発をリザードマンに任せる。
「は、はい全力で頑張らしてもらいやす」
「よろしくね」
「へい」
白露はみんな緊張しているのかなぐらいにしか思っていないが、彼らからすれば白露は魔王そのものである、先頃の馬に乗りゴブリンの親玉(ゴブ郎)を一喝する姿はまさに王そのもの、そして現在、家、いや森全てを覆うほどの魔力を放ちながら涼しい顔をしていて、白露が魔王であると確信していた。
『流石にこの魔力は厳しいな、みな当てられて疲労のピークではないか』
ミーコはそんな事を考えながら、白露に
「ご主人、少し休憩を挟んだ方が良いにゃ」
そう進言する、それを白露は
「そうだね、よく見たらお茶も出してないや、マールお願い出来るかな?」
「はい白露様」
マールがキッチンに向かいお茶の用意をする、そして白露は立ち上がり
「少しトイレに行ってくるよ、みんなも少し休憩しといてお茶でも飲んでさ」
そう言って白露はトイレに向かう、それを確認した後、露美、ヨシコ、ペス、マール、以外の全てのものが
「あっぁー」
と息を吐き
「な、なんと言うお方だ」
「恐ろしいお方だ、あれほどの魔力を惜しげもなく」
「まさに魔王にふさわしきお方」
皆、緊張が解けて少しリラックスしてマールが持って来たお茶を飲む
「これは絶品、流石白露様の城だ」
「正に常世の楽園と呼べる」
「我らはなんと偉大なお方の配下になれたのだ」
急に喋り出す長達、内容が白露を褒め称える内容なのでゴブ郎も特に咎めたりはしない
「これから我らは人間どもを滅ぼせるのだろうか」
「おい!」
「白露様は」
「いや、白露様は別だろう」
長達の話は少しきな臭くなる、それをゴブ郎が止めることはない、彼もその考えを否定する気が無いからだ。
「ふんふんふん、なんか異世界感タップリだなみんな、この世界の人間と一人もあってないけど、森から出ればいるのかな? 忍者は……違うかな?」
白露は物騒な事を話し始めている長達の考えを知らぬまま、呑気な考えをしながら会議の続きの為にリビングに向かうのだった。




