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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第一章 引っ越し挨拶
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魔王白露

 「いやー、白露様見事な馬ですな、まさに名馬です」


 「ヒヒーン」


 馬は褒められて喜んでいる。白露は馬に乗り森を進んでいた。


 「そうだね、褒められて良かったな桜花」


 白露は馬に桜花と名付けた、いつの間にか居た馬だが、もうどうでもいいかと受け入れていた。


 「ヒン」


 桜花は白露に撫でられ喜んでいる。


 『しかし乗馬って簡単なんだな、ケツが痛くなるって言ってたのに全然だし』


 そんな感想を持ってしまう白露だがもちろん普通は素人の白露が簡単に乗れないし、ケツと痛くなる。これは桜花がただの馬では無いからだが、今の白露には関係ない。


 「なんか森の開発進んだね、ゴブ郎」


 「はい頑張りました」


 最近親が来たり、住人が増えたりゴタゴタしていた白露だったがゴブ郎率いるゴブリンはその間も街の拡大をどんどん続け、総人口は千を超えていた、もちろんゴブリン以外にも住人がいる。


 「やあこんにちは」


 「はは!」


 白露が馬で歩いていると住人達が土下座の形で道を開けていた、白露は「大名行列か!」と思ったが、ゴブ郎が凄い形相で見ていたのでビビって何も言えなかった。


 「なんかゴブリン以外にも増えたね」


 「はい傘下の者共はかなり増えました」


 白露が見たところ、トカゲみたいな顔をした人型の魔物恐らくリザードマン、耳がとんがった透き通るほどに白い肌をした人間、容姿が整っているので多分エルフ、人間ぽい容姿だが獣の特徴を持った者、多分獣人と様々


 「どうやってここまで?」


 「はい森林を開発している際に邪魔をして来たので、白露様の威光を示したらこうべを垂れて来たので奴隷にと」


 「ん? 奴隷だと」


 白露の少し怒気を含んだ声に身を硬ばらせるゴブ郎


 「えっ、えっとその」


 「ゴブ郎よ」


 「はい白露様」


 「俺はお前達を奴隷にしたか?」


 「いえ」


 「それは何故だ?」


 「それは白露様の寛大な心で」


 「ほぉ、そうだ私はお前達に慈悲を与えた」


 「はい」


 「ならば何故我の支配地でその慈悲を与えんのだ」


 「そ、それは」


 急に雰囲気が変わる白露にゴブ郎は体を震わせながら話を聞く


 「我はすべての民を導く者だ、我の望むは民の平穏のみ」


 「はっ! 素晴らしいことです」


 「ゴブ郎よ」


 「はっ!」


 「我の支配下にいる者全てが我の庇護する者だ、違うか?」


 「はい」


 「お前が奴隷と呼ぶ者全てを呼べ!」


 「は、はっ!」


 ゴブ郎は慌てて、新たに庇護下に置かれた種族を白露の目の前に連れてくる。


 ガヤガヤ未だ落ちつかない、それをゴブ郎が静まれと一喝すると、静かになる。


 「さて初めましてかな皆さん」


 白露は馬に乗りながら偉大なる王と言った感じでその場に存在する。


 「頭を下げぬか、白露様の御膳だぞ!」


 ゴブ郎の声が響き、慌てて頭を下げる新たな住人達


 「よいゴブ郎よ、今は我が挨拶をしている」


 「はっ! よし頭を上げよ、白露様の言葉を一字一句聞きもらすな」


 住人達は震えながら白露を見つめる。


 「さて私の言葉に肯定の時は手を上げよ、否ならば何もせんでよい」


 「どうした理解したのなら手を上げぬか!」


 ゴブ郎の言葉に怯えながらも全員が手を上げる。


 「うむ、では皆は我の支配下になるもので間違いないな?」


 新たな住人達は震えながらも手を上げる、よく見ると全ての住人がボロボロの姿をしていた、ゴブリンの奴隷として働かされていたのだろう。


 「ならば貴様達は奴隷では無い、今日からこの街の住人だ歓迎しよう」


 その言葉に住人達は混乱して、どうしていいか分からないようだが


 「お前達、白露様の言葉を理解したのなら手を上げよ」


 ゴブ郎の言葉に驚き全員が手を上げ、それを見た白露は


 「ではゴブ郎よ」


 「はっ!」


 「これよりこやつらは我の配下だ、奴隷扱いは許さぬぞ」


 「承知いたしました」


 「それと仕事の分配のために後で各種族の代表者を家に呼べ」


 「かしこまりました」


 頭を下げるゴブ郎、正直ゴブリン達にとって何のメリットも無い話なのだが、白露の威厳ある姿に涙を流しながら感激していたのだった。


 「では森の散策を続けよう、案内はミーコにさせる、ゴブ郎は先ほどの方針を皆に伝え徹底させろ」


 「はい」


 こうしてゴブ郎は各種族の代表者を選出し、各ゴブリン達に通達、ゴネるゴブリンがいないわけでもなかったが白露の名を出すと皆が納得した。


 「ではミーコよ行くぞ」


 「はい白露様」


 その時のミーコは猫の姿でも無く、猫語も一切喋らず完璧な執事で行動していた。


 『ん? なんで俺はあんな喋り方したんだろう?』


 白露は急に何かに乗っ取られるように喋り方を変え、住人に指示を出す姿はまさに王と言った感じになっていた。


 『うーん、まあ異世界だしこんなこともあるのかな?』


 少しは疑問に持てよ、と思わなくないが白露は気にしない性格だった。


 『さてゴブ郎が言ってた湖まで行ってみよう』


 白露の目的地は森の中にある湖、ゴブ郎の予定では半年後には支配下に置くそうだ。

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