四人の大喧嘩
荒木蘭の高校時代はモテモテだった、それは男性にだけではない
「よし、お前ら今日も盛り上がっていくぞ!」
「「「おー!」」」
白露の通っていた高校の軽音部に属しており、茶髪のショートカットで男子からはアイドル、女子からはカッコいいバンドのヴォーカルとして人気を集めていた。現在の蘭しか知らない者にとってはギャップに驚くものである。
「荒木さんはいつ見ても綺麗だな、高校の頃から変わってしまった随分大人の女性になったけど」
それでも白露にとってはあまり関係なく、高校の頃から憧れのマドンナであることは変わらなかった。
「そうか、ナギの先生なのか」
白露はご機嫌な感じで仕事場に向かう、そんなご機嫌な白露と違い
「なんなのだあの女は!」
ダン! と机を叩き怒りをあらわにするマール
「白露様にあの様なアバズレ相応しくありません」
蘭の悪口を言うエリス
「はぁ、相手は普通の人間だ。そんなに焦るな」
その場を落ち着かせようと千歳
「むぅ、先生に女が出来ると甘えにくくなります、却下です」
自分中心露美
「ヒヒーン」
久々会話の桜花
「そんな事より夏休みの予定はどうするのじゃ?」
遊びたい盛りのヨシコ
「白露様に群がる虫を排除するのが我々の使命、分かりますね皆さん?」
エリス以外が首を振る、それを無視してマールは続ける。
「あの女と白露様を近づけない様にしなければならない、ですが物理的にあの女に手を出せば白露様は我々を叱責するだろう?」
エリスは大きく首を縦に振りながら真剣に話を聞いている。他のメンバーは夏休みに向けての話し合いを考えている。
「そこで白露様は夏の間あちらの世界に避暑に行っていただくのはどうだろうか?」
そんなマールの提案に
「おー、それは良いぞマール、白露様のお仕事も夏の間は休ませよう、そうグラムに言い聞かせよう」
エリスがそう追従すると、千歳が
「何を言ってる、あいつを休ませるなんて余裕うちにはないぞ」
千歳がとんでもないと反論してくるが
「千歳さん、これは譲れません、否と答えるならば」
エリスが立ち上がり、その目は冷たく千歳を睨む
「エリス、まさか力でケリをつける気か?」
そんなエリスの姿に千歳が臨戦態勢でいると
「千歳、これは白露様の為なの分かってくれないかしら?」
「はぁ、マールお前までくるのか?」
エリスの隣にマールが立つ、二対一の構図
「そうですね、仕方ないですから私はこちらに付きますか」
ラスティがいつの間にか千歳の隣に
「ラスティ、あなたはそちらにつくのですか?」
そんなマールの質問に
「私はマスターを馬車馬の如く働かせなければならないのです。それが使命なので」
そんな使命は無いがラスティは働き苦しむ白露の姿が大好きな困ったさんだった。
「はぅ、これはマズイです」
露美は魔王軍に置いて最強の四人が一触触発の状態にビビる。
「ヒヒーン、ブル」
桜花もどうして良いのか分からない感じでオロオロしている。
「なんじゃ! 喧嘩なら外でせい、妾たちは夏休みの計画で忙しいのじゃ」
ヨシコは夏休みに向けてとても忙しかった。
「ふふ、それもそうですね、屋敷を傷つけては白露様に申し訳ないですし、丁度いい島があるのでそこでケリをつけますか?」
「チッ! ひかないようね、いいわ久々にぶっ飛ばしてあげるわよ」
そう言って四人が消える、どうやら丁度いい島とやらに向かった様だ。
「ああ、島が一つ間違いなく無くなるです、ど、どうしよう」
露美はどうして良いか分からず、とりあえず親に電話する。その電話を受け取ったグラムは
「マジか!」
そう言った後、数時間微動だにしなかったそうな
そんな配下が争いを始めた頃、その他の配下は
「砂漠から誰かが渡ってきただと?」
「はっ! 監視からの報せだと一人人間が砂漠から、我が領域に侵入したと」
その報告は意外なものだった。砂漠越えは人間にとって過酷で単身で渡るには厳しいものがあったからだ。
「そいつに監視は付けているのか?」
「いや、あの、その」
歯切れの悪い部下にゴブ郎は
「なんだ、何かあったのか?」
「は、はい、それが監視につけた者達全てが見失ったと」
「なに? では侵入者の居場所は!」
「申し訳ありません」
汗をかきながら報告する部下は、ゴブ郎の大声にビビってしまう、だがゴブ郎にとってはそんな事どうでも良く、そんなことより
「ならさっさと探してこい! その侵入者が白露様に害意を持って近づかれたらどうする気だ。総動員しても探せ、生死は問わぬ、早く見つけろ!」
「は、はい!」
こうして侵入者を探すためにゴブリン達が動き出す。
「おっと、探し方が見境なしになってきたね、もう少し本気で気配を消すかな」
天空は姿を隠す、ゴブリン達に見つからない様に




