第二の家
「……マジで俺の私物全部持ってくのな」
「当たり前だろ?だってお前もう家に帰ってこないんだから!」
実の息子に言う言葉じゃないよね?何なの、喧嘩売ってんの?言い値で買うよ?
仕事着である薄紫の着物姿の母さんの肩を抱き、満面の笑みを浮かべ白衣を纏った俺より頭一つ背の高い黒い短髪の男は、認めたくはないが俺の実の父親で、月見和人という。
なんでも、ウチの親父は赤ん坊の頃この町の孤児院の前に捨てられていたらしい。そこで、母さんと出会ったとか……。なので、うちには親戚というものが存在しない。しいて言うなら、同じ孤児院で育った人が婿入りした、葵の実家がそれに近いものだろう。
「これから寂しくなるわー」
「に、兄さん私頑張るから!」
料理の修業を本格的に始めた楓は、緑の着物を着こなして両の拳を握って力強く声を上げた。
マジで楓がいなかったらこいつらをぶん殴ってたかもしれない……。母親なんて、今棒読みだったからね!
これは、喧嘩を売られてると解釈しても問題はないだろう。マジで痛い目にあわせてやるから覚悟しろよ。とりあえず、実家の料亭の目の前に自分の店を構えてやろうか。楓を従業員として引き抜いたら、完膚なきまでにつぶしてやる!
「あっそうだ、一応入学祝いとしてウチからは、料理する時に使うと思って手拭い三十枚な!」
入学祝いが手拭い……、しかも三十枚とか。別のくれよ!
「なあ、せめて百均の袋から出して渡そうぜ……」
思わず握った拳に力が入り、奥歯を噛みしめる。
普通、百均で買うかな!?これでも一応息子のつもりだったんだけど!しかも入学する学校は、自分で言うのもなんだけどかなりレベルが高いんだけど!金額とレベルが反比例してるぞ。
「もう、意地悪しないの!兄さん、私からは新しい包丁のケースね!」
「ありがとな楓、お前からのは心の底から感謝するよ!」
思わず楓を抱き締めてしまった。なんで、俺の妹はこんなにも可愛いのだろうか……。もしも楓が彼氏を連れて来たら、思わず殴り飛ばすかも……、いや間違いなくぶん殴るね!まずは俺に勝てるような奴じゃないとお兄さん認めませんよ!
とりあえず向こうに着いたら、近くにジムがあるかどうかだけは確認する必要があるな。とりあえず、今から鍛えれば間に合うだろ。間に合うよね?
「く、苦しいよ~兄さん」
「ごめんごめん」
「まったく、有って結構シスコンだよね」
頭を撫でて離れると、見送りに来た葵から声がかかった。葵の服装は、春先らしくミニスカートにブラウスといったさわやかなイメージを与える恰好であった。本性を知らなければ可愛いんだけどな……。
さっき俺まで呼ばれて、家の連中総出見送りをされたときはマジで貫禄あったけど、今じゃいつもの葵で安心したわ。アイツらなんて滅茶苦茶興奮してたからな、騒音被害どころか、警察の出動を疑ったレベル。
「まあ知ってたけど。ウチからは免許取ったって言ったからバイクね!」
「マジかよ、葵!」
確かに、葵の親父さんに頼んで十六の誕生日の昨日に免許は取れたけどもプレゼントでバイクって!
そういって葵が指さした方を見ると、クラシックタイプの黒いバイクが鎮座していた。
「(やべぇ、かなり嬉しいかも)」
決して口には出さないが、頬が緩むのを感じずにはいられなかった。ウチは手拭いだぞ?どうしよう、これは本気で葵の家に養子として入ることも考えておかないといけないな。あれって何歳から手続き出来るんだ?
「てか、こんな高価なもの本当に貰ってもいいのか?」
「あぁ別にいいよ、だってそれ父さんが昔乗ってたやつで整備しただけだしね」
「いやそれでもな……」
確かに、『いかにも』な感じの黒色だけどな。ああこれエンジンまでしっかり弄ってあるよ……。まあ、あの親父さんらしいね。
「なんか、父さんが『ここで有坊に投資する事が今後に影響する』ってさ、だから気にせず貰ってよ」
葵が、苦笑しながら俺の手にバイクのキーを握らせてきた。これはあれかな、素直に貰っておいて後々、恩を返していくのがあっちの顔を立てることにもなるんかね。
「そういうことなら、ありがたく使わせてもらうわ」
「それで、私とお姉ちゃんからは、バイクの追加ケースです!」
そういって、厳つい顔の男を引きつれて水色のノースリーブのワンピース姿の茜が、黒いケースをバイクに乗っけてから、にこやかにほほ笑んでこちらに歩いてきた。
あのケースって地味に高いから、かなり嬉しいな。なんせ積まなきゃいけないものがたくさんあるからすぐにでも買おうと思ってたもんだしな。
「サンキューな!葵、茜!」
本当にウチの親とは大違いだぜ!思わず涙が出そうになるのを必死にこらえた。
葵の前で泣いたらどれだけいじられるか、わかったものじゃない。俺は思わず昔の事を思い出して背筋が震えた。
「それで、私はヘルメットです!有君に似合いそうな物を用意しました!」
「おお!かっけーじゃん!ありがと夏奈」
確かにそろそろ替え時とは思っていたけれどまさか貰えるとはな、古いのは置いてけば処分くらいしてくれるのかな~
やるか、自分で……
「最後に、私からはジャケットをどうぞ。ゴメンね、プレゼントが誕生日と一緒になって」
そういって、いつものレディースのスーツ姿ではなく、春らしい若草色のワンピースにデニムのジャケット姿の理事長は包みを渡してきた。というか、そんなこと改めて言わないでもいいのにな。相変わらず変なとこで律儀な人だよな。
そういや葵や、夏奈の私服はよく見るけど、理事長は部屋着の浴衣かスーツ姿しか見ないから新鮮だな。
「ありがと理事長。今日はスーツじゃねぇのな」
「あのねえ、私だってスーツ以外持ってるのよ?」
少し頬を膨らませる姿は年齢より幼く見える。本当にこの人、俺よりも四つも歳違うのか?
「ってか、理事長はいいのか?俺が一緒に住んでも?」
『依頼』で夜遅くになったときは、家に入れてくれないからなうちの親は、それに楓は九時には寝ちまうし。そうしたことから俺は、比較的夜遅くまで起きている理事長の家を宿に使わして貰ってんだけど……。むしろ家で寝る方が少ないきがするけど。
「そんなの今更じゃない?家にはあなたの部屋まであるんだから……」
理事長は、 呆れたようにそう言って親父達と何か話し始めた。
しかし、泊まるのと同じ屋根の下で生活を共にするってのは同じじゃねぇと思うんだけど、その辺はどうなんだろ?
俺は、顎に手を当ててそう考え込んでいると……
「すみませーん、もう行っていいですか?」
と、二台目の引っ越しトラックの運ちゃんの声が聞こえてきた。
いや~まさか、トラック二台分になるなんて思わなかったな。あんなに学校においていたなんて自分でもびっくりだよ。
「はい、お願いします!印の付いたものは先ほどの住所へお願いします」
「はい、わかりましたー」
引っ越しトラックは、俺の持っていけない私物を理事長の家に下ろし、その後、俺がこれから暮らす寮へと行く。
クソっ、ダイビングセットが持っていけないのは痛かったな。マジでどうするんだよ、トレジャーハントのバイトできないじゃないか!
「俺は、理事長をコイツに乗っけて、先に荷物を片付けてから向こうに行くけど?お前らはどーする?」
「私達は、葵のとこの車で一緒に行きます」
「ってわけだから、着いたら連絡ちょうだね、有の部屋の片付け手伝ってあげるから」
「りょーかい!んじゃ向こう着いたら連絡するわ~」
さて、コイツに乗ってみますか~。正直バイク自体はちょくちょく乗ってたんだよな~主に葵と茜の親父さん関係で……。
「というかあなた、タンデムって免許取り立てはダメなんじゃないの?」
俺が放ったヘルメットを胸の前でキャッチすると、不安げな表情をして問いかけをしてきた。
そんなこと聞くなんて、なあ?
「あ~大丈夫ですよ、有ってば父さんと一緒に深夜その辺を乗り回してましたから」
「無免っ」
「理事長、お口チャックしましょーね!」
まったく、誰に聞かれるかわかったもんじゃねぇーっての!
いくら、この町の警察署長と仲良いからって犯罪は見逃してもらえないんだぞ?まあ、いろいろと手伝ってもらうことはあったけどな……。
携帯電話に登録された、この町のお偉いさん達の顔を思い出しながらバイクに跨った。さーて、軽く流しますかね!
「ほら早く乗って!ちゃんと掴まって下さいよ?んじゃな楓、次に会うのはいつになるかわからんけど、なんかあったら呼んでくれよ。コイツでかっ飛ばして来るからさ!」
「わかった兄さん!困ったら呼ぶからちゃんと来てよね!」
そんな、目に涙を溜めてくれるなんて……。マジで彼氏ができたとか言ったら俺死ぬんじゃないかな?
あっ両親は、満面の笑みでしたよもちろん。
「あいよ~」
「ちょ!私スカートなんだけど!」
「じゃあ、ちゃんと座っててくださいね」
俺は理事長を後ろに乗せてバイクを走らせた。そうか、スカートだといろいろと不味いのか……。
女性なんて乗せて運転すんのは、これが初めてだからなこれからは気を付けよう。まあ、そんな機会があるかわかりませんけど!
車通りの少ない山道を、比較的安全運転で走ってる時にふと気になったことを、腰に手を回して乗っている理事長に聞いてみることにした。
「ってか、なんで俺が理事長ん家に住むことになったんだ?」
ヘルメットに付いたインカムを通じてそんなことを俺は問いかけた。このメットは、ハンズフリーで通話もできるらしい。何それ最先端!
けど、風切り音がうるさくてやっぱり会話するのはバイクには向いてないな、早く車の免許取りたいぜ。
「なんでも、おじいちゃんがあなたの家族に話したらしいよ?」
「なんであの爺さんが?」
「あれ知らないの?なんでも、あなたのご両親の先生だったらしいわよ?」
へ~あの爺さんがね。じゃあ今日は、あの二人にどんな教育を施したこと細かく聞きたいかな?どうすれば、あんなふざけた人格になるのかを!
「初めて知ったよそんなこと。俺は爺さんとは将棋仲間なだけだからな」
「ウソ言いなさい!そんな薄っぺらな関係じゃないでしょうに」
いきなり大声出すなよ、耳がキーンってしたぞオイ!というか暴れるな!こんなヘアピンカーブで暴れるとか自殺志願者かよ!
「ちょっと、理事長!危ないからちゃんと掴まってて!」
バイクに乗ってるときには、落ち着いた会話をして感情を高ぶらせないようにしましょう。
というか、あの爺さんとはそんなに濃い付き合いじゃねえと思うんだがな~
まぁ、ある意味『師匠』の一人ではあるけどさ。
「キャ!今落ちそうになったわよ!」
「だから掴まってろって言ってんの!」
まったく、この人は本当に年上なんか?子どもっぽ過ぎるだろ。というか、例の件からこの人のことを妙に意識しちまってるな。こんなんで一緒に住んで大丈夫か俺?
「いま、失礼なこと考えてなかった?」
「……なんにも」
妙に鋭い時はあるけどな……。
「本当に~」
「ほら!着きますよ!」
後ろからの疑いの眼差しを背中で感じながら目の前に見えてきたお屋敷を顎で指した。
「久しぶりだな有よ」
「そうだな爺さん、というか悪かったな俺のとこ住ませる事になって。まぁ基本は寮で生活するからたまにしか帰ってこねぇーから気にすんなよ?」
「バカもの!ちょくちょく帰ってこい!自分の家だと思ってな!」
「……サンキュー爺さん」
嬉しいこと言ってくれんじゃないの!
実の親から、こっちの家に戸籍移してやろうかと真剣に考え始めたところ。
「……あの?おじいちゃん私も一緒に住んでるだけど?」
「なんじゃ嫌なのか?お主ら付き合ってるんじゃろ?」
「んな、何言ってんのよ!そんなわけないでしょ?」
「そうだ、ジジイなんでそんなこと言い出したんだよ!」
この爺さんの考えることは本当に理解に苦しむぜ。一体何をどう見れば付き合ってるように見えるか教えてもらいたいね!
「そうか、じゃあこれを見てもそんなこと言えるのかのう?」
「「ジジイ!」」
俺たち二人は、差し出されたスマホに表示された写真を見て顔を赤くしそう叫んだ。な、なんでこんな写真があんだよ!
そこには、疲れた体で水と間違えて日本酒を飲んでぶっ倒れた時の俺と、介抱していた理事長が疲れて一緒に抱き合って寝ている画像が表示されていた。
朝、目が覚めたときはあまりの状況で、とんでもない醜態をさらした苦い思い出がある。
あの後三日くらいはまともに顔を見て話せなかったからな。……お互いに。
「これは誰がどう見ても恋人同士にしか見えないと思うが?」
「おじいちゃん!」
「おお怖いの~そうだ有よ、お前の荷物はもう運びこんでおいたからな。ただ、トラック丸々一台分は多かったから必要な物以外は蔵に入れておいた、だから後で整理しときなさい」
勝手知ったる他人の家ということで、この純和風の豪邸のどこに蔵があるかは何度も来ているうちに知っているので、自身の荷物の量を思い出し肩を落とした。
なんで、あんなに私物が増えちまったんだか……
「そうか……すまないな爺さん、蔵を使わせて貰っちゃって。そういえば昼飯は食ったか?」
「いや、まだじゃよ?」
「じゃあ、台所かしてくれよ、昼飯作ってやるからさ~」
「おお!それは楽しみじゃ!おい香苗準備しなさい!」
「むぅ~」
「おいおい、理事長子どもじゃないんだから……」
まったくこの人は……済んだことは忘れようぜ?いつまでも引きずってると爺さんにからかわれるぞ。
そういう俺も、まだ顔が少し熱いが……
「なんじゃ有?その他人行儀な呼び方は?これから一緒に住むのだから名前で呼ぶべきではないかのぉ?」
「いや、俺はいいけど……」
「……いいわよ、香苗で」
いいのかよ!なら。
「そっか、そんじゃよろしくな、香苗!」
「さんを付けなさいよ!あなたは!」
うぇーだって香苗でいいって言ったのに~。
そもそも、年上に見えないんだから呼び捨てでもいい気がするんだけど……
「まったく、仲が良くていい事じゃな」
そんな、俺らを見て爺さんはそう呟いた。
なんだかまた、からかわれる気がしてしょうがねえんだがな。
「お~い、皿はどれ使っていいんだ?」
「ここにあるのならどれでもいいわよ」
「はいよ。んじゃこれ運んでもらっていいか?」
「わぁ!美味しそう!わかったわ、取り皿もいるわよね?」
「あぁ、頼むよ」
いや~手伝いがいるとこれほど楽とは……
家じゃ、基本一人でなんでもやってたから一緒に料理をするってのは新鮮だよ。というか香苗さん、案外料理するんだな手つきが手馴れてるよ。
「……お前達ほんとに付き合ってないのか?」
「だから、そう言ってるじゃない……ただの教師と生徒の関係よ」
「……傍から見るとまるで夫婦の会話だぞ?」
「何言ってのよ!」
ほら、また言ってるよ……
なんであの爺さんは俺と香苗さんをくっつけたがるかね?こんな俺みたいなガキじゃなくてもっと他に良い奴がいるだろうに……
「ほら、これで最後だ。飯食おうぜ?」
「そうじゃな。ほれ、お前達席につきなさい」
先に席についていた爺さんが、手で席を指し俺と香苗さんを呼び寄せた。
「どうぞ?」
そういって、テーブルの椅子の脇に立ちバイト時代の癖で椅子を引いた。
これができないと、フロアチーフにめちゃくちゃ怒鳴られたんだよな……
というか、あの店VIPがめっちゃ来てたんだけどそんなに有名だったのかね~
「あら、ありがと」
「どーいたしまして」
「……有よ、本当に付き合ってないのか?」
「なんど言わせんだよ、耄碌したかジジイ!」
「いや、椅子を引く動作が手馴れていてあまりにも自然にやるものだからな」
あぁ、そうかこういうのは普通はしないのか。これからは気を付けないとまずいな。最近ますます普通からかけ離れていくようでヤバい。
「ん?これはバイトで叩き込まれた癖みたいなもんだよ。いろいろやってきたからな~」
「どうしたの?遠い目してるわよ?」
あのフロアチーフは生きてるかね?ヤクザ抗争に巻き込まれたからなあのレストラン……
俺は、銃撃戦の現場となった今は亡きレストランを思い出していた。
まだあの店長若いのに頭真っ白だったからな~
「……ふむ、後で聞くことが増えたのぉ」
「あん?なんか言ったか爺さん?」
「なんでもないわい、さぁ頂こうかのぅ!」
「うん?まぁいいか、それじゃあ」
「「「いただきます!」」」
とりあえず飯だな、食い終わったら蔵の私物を片付けなきゃならないんだよな……
憂鬱だ、香苗さんを手伝わせるかな?
「うん!スッゴイ美味しい!」
「さすがじゃのぅ、おそらく和食だけなら世界一じゃろう!」
「それは、言い過ぎだよ爺さんまだまだだって……」
褒め過ぎだってのまったく……
もう少し時間があったら得意の煮物も作ったんだけどな。
そういえば、タケノコの旬って今頃じゃね?裏山に入ればあった気がするな。ちょっくら採って夕飯に作っておくかな。
「けど!これ凄く美味しいよ!こんなに美味しいのは初めて食べたよ!」
「香苗さん……そんなに褒めないでくれよ、俺なんてまだ全然なんだからさ」
「なによ~照れてんの~まったくまだまだ子どもね~」
「あんだよ!あんただって子どもみたいなもんじゃねぇかよ!」
頬を突くな頬を!飯を食ってるんだからさ!
「……二人とも、飯の時くらいおとなしく食べなさい、イチャつかずにな」
「「イチャついてない!」」
……おとなしく飯食うか。
「「「ご馳走様でした!」」」
俺らは、声をそろえて食後の挨拶をすました。
さて、じゃあこの後は……
「皿持って来てくれよ洗うからさー」
「え?片付けまでしてくれるの?」
「当たり前だろ、俺が料理したんだから」
なにを言ってんだ?自分で使ったんだから片付けるのは当たり前だろうに。俺んちなんて、ほとんど俺が片付けさせられてたんだぞ?
楓が手伝ってくれたのはほんとに助かったけどな。……思い出したらあの親に対して腹が立ってきたな!
「そうか、じゃあワシはバイクにガソリンを入れといてやるかわい」
「本当か?ありがとな爺さん!」
まさか、ガソリンまでくれるとはいい人だ……ってかガソリンって持ってていいんだっけ?
俺は、危険物の資格はまだ取っていないので詳しいことは知らないが指定数量というものがあった気がするぞ?
やっぱり、資格って大事だよな……高校に入ったら資格はたくさん取っておこう。最後に自分を助けるのは資格と人脈だからな。
「じゃあ、私は洗いものを手伝うよ」
「え?いいのか手荒れるぞ?折角綺麗な手してるんだからいいって」
「……本当に、タラシよねあなたは。気にしないで、いつもやってる事だから」
「タラシって……まぁいいけどそれじゃ俺が洗うから拭いて片付けてもらえるか?」
「やっぱり……,わかったわよ!じゃあ、やりましょうか」
「はい、ラストっと!」
「ん、ありがとね洗ってくれて」
「どーいたしまして。じゃあお茶でも入れようか、良い玉露持って来たから飲もうぜ!」
「いいわね!じゃあお茶菓子用意するわ」
「あぁ頼むよ」
そうして、報酬でぶんどってきた良質の玉露の味に心を弾ませているといいタイミングで爺さんの声が聞こえた。
「有よ、お茶の用意をしてくれんか?」
「ちょうどそうしょうと思ったとこだよ爺さんって、えぇ!なんで親父に竜司さんがいるんだよ⁉」
「有、なんて恐れ知らずな……」
「さすが、和人の息子だな、先生を爺さん呼ばわりするとは……」
「「有(君)……」」
「え、なんで葵と夏奈もいるんだ?」
「ねぇお茶菓子これでいいかな?ってえぇ!」
香苗さん落ち着いてくれ……
俺以上に香苗さんが驚き、そのおかげもあってかまだ冷静さを保つことができた。
しかし、なんでここに来るんだよ!俺の休息はどんだけ短いんだ!
ここまで読んでいただきありがとうございました。




