↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/51

第33話 交渉

「しかし、あのギルド酒場にいた連中って、全員がホワイト隊長クラスの強さなんですよ? それをたった1人で倒したなんて、その大便という男、相当の実力者ですね……」


ボイス副隊長はベッドの上で腕を組み、冷や汗を流しながら驚愕の表情を浮かべた。


だが、それを聞いたアーマーは、ふんと鼻を鳴らして鼻で笑った。


「いや、ホワイトクラスの強さなら、そこまで大したことはないというか、普通に微妙じゃないか?」


「何だと貴様ァッ!! オレの強さを微妙と言うなッ!!」


ビキニ一丁のホワイトが、顔を真っ赤にさせて怒鳴り散らす。


「……まあ、確かにホワイトさんクラスなら微妙なところですが。それより、その大便さんは一体どこへ消えてしまったんでしょうね?」


レンズが眼鏡のブリッジをクイッと押し上げ、冷静に疑問を口にした。


「「「あーーーーーッ!!!」」」


ボイス以外の全員が、ここでようやく声を揃えて叫んだ。火事のドタバタとカクガリクンのゾンビ突破作戦のせいで、肝心の大便まさるたよりの存在を完全に忘れていたのだ。


「あいつ、厨房で唐揚げ用のニワトリを捕まえるとか言ってたよな?」


アーマーが顎に手を当てて、無駄に鋭い推理を始めた。


「ってことは、ニワトリを捕まえるときにうっかり火の不始末をやらかして、大火事を起こしちまったからビビってそのまま逃亡したんじゃねえか?」


「なるほど、彼が火事を起こしてしまい、怖くなってそのまま逃げたのですか」


ボイスは納得したように頷くと、燃え尽きたカフェの方角を見つめて呟いた。


「まあ、あの『プリティ・ボム』は裏で美人局と保険金殺人を繰り返していた犯罪組織ですからね。結果論ですが、店は丸ごと燃やしてしまって全然良かったんですよ。」


「良くないし!! ロジナスは可愛い後輩男の娘たちを大量に仕入れて、この店を乗っ取って新しくやりたかったわけ! ホント最悪なんだけど!」


ロジナスはプクッと頬を膨らませ、怒ってみせた。


すると、ボイスは少し真面目な顔になり、全員を見渡した。


「……実は皆さん。その美人局やギルド酒場の連中なんかよりも、遥かに凶悪で、さらに強い連中がいるんです。そいつらは東の都『ヒガーシ』の街全体を完全に拠点にして、やりたい放題に暴れ回っているんですよ。ヒガーシのガーディアンズは、そいつらに全員殺されました…。」


「……何だと?」


ホワイトの目が、ライ麦パンのような黒さを鋭く光らせる。


「ヒガーシのガーディアンズは完全に壊滅状態です。ですが……もし、そのギルドを1人で全滅させたという大便さんの規格外の力があれば、そいつらを倒すことも……可能かもしれません」


ボイスが熱弁を振るう。


「そこにいるロジナスだってホワイトより1000倍は強いぞ」


アーマーがロジナスを指差して太鼓判を押した。


「せいぜい1.5倍くらいだろォォォッ!! 増量キャンペーンのコンビニくらい盛りすぎるなッ!!」


すかさずホワイトが顔を真っ赤にして上書きで怒鳴る。


「なるほど。ロジナスさんも、その……イチモツが強いだけでなく、戦闘もデタラメに強いんですね。」


ボイスが感心したようにロジナスを見つめた。


「ちょっと、何そのイヤな褒め方!? 完全にアレのサイズ基準で話してんじゃん、引くわ!」


ロジナスはジト目でボソッとツッコミを入れた。


「もしロジナスさんも僕達に力を貸して、ヒガーシの悪党退治に協力してくれるなら……」


ボイスは不敵に微笑むと、ロジナスに交渉を持ちかけた。


「男の娘カフェを新しく経営する件、僕がガーディアンズ上層部に上手いこと書類を通して、合法的に出来るように手配してあげますよ?」


「え、マジ!?」


ロジナスは一瞬でジト目を輝かせると、ノリノリでボイスに詰め寄った。


「ロジナスの匂いに勝手に興奮して、股間をガチガチに硬くして背中にナニを押し付けてくるだけの無能なホワイトと違って、ボイスくんはメチャしごできじゃん! やるやる、ロジナスもヒガーシ行く!」


「……ホワイト隊長」


ボイスは一瞬でスン……と冷めきった呆れ顔になり、ホワイトを見つめた。


「……男の娘であるロジナスさんの匂いに興奮して、ナニをロジナスさんの背中に押し当てていたんですか?」


「…………」


ホワイトは、完全に聞こえないフリを決め込んだ。


そして、気まずそうに窓の外の景色を見つめながら、ズズズ……と静かに朝の紅茶をすするのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。