第18話 拒絶の正論
可愛い顔の下から剥き出しになった、ロジナスの恐るべきドス黒いエゴ。
店内にロジナスの荒い息遣いだけが響くなか、オレのニヤケ顔は、じわじわと別のベクトルの「邪悪なニヤケ顔」へと変貌を遂げていた。
(――コイツが、本当の黒幕だったのか……!)
オレの脳内コンピューターが、パチパチパチパチと狂ったような超高速音を立てて、新たな悪魔の捏造を開始する。本物のテロの首謀者が判明したのだ。
ならば話は簡単だ。あの最初のギルド酒場での大量殺人(物理)も、全部このロジナスがクワカブトを使ってやらせた事件ってことに、今ここでオレがデッチあげればいい。
「全部、お前が黒幕としてクワカブトに指示してやらせたんだな……!」
オレは背中のカクガリクンの筒(アヴァンギャルドな鞘)を愛おしそうになぞりながら、さらに大真面目なトーンで言い放った。
「オマエにやられたアーマー隊長も、ついに真犯人が判明して、今ごろ草葉の陰から喜んでるだろうよ……!」
オレの完璧ななすりつけ(※大嘘)に対し、ロジナスはジト目のまま、ボソッと低いテンションでツッコミを入れてきた。
「……いや、ロジナスそんなことしてないし。っていうか、その鎧のブタやったの、そこに立ってるライ麦パンみたいな肌のビキニの奴じゃん。何言動捏造してんの、引くわ」
嘘が、一瞬で冷徹な正論に阻まれた。




