ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 09
「あとは、全弾を当時に発射!」
「すごいです! さすがバルナス様!」
ジュールの手放しの絶賛を受け、バルナスは照れた。
「あ、ありがとう」
しばし照れていたバルナスだが、急に冷静になった。
「でもなあ……。レイブンだったら、ダメージ無視して、突っ込んで来そう……」
「あ……」
戦士は、魔法使いにとっては……理不尽の固まりである。
「詠唱が間に合わないから、2発目は……ムリだしね」
「詠唱時間……」
ジュールは考えこんでいた。
“私の場合は…大地母神様へのお祈りの時間ですね”
“私も含めて……魔法使いは、不便です……”
「今の僕のカードだと、足止めはムリだね」
「それなら!」
ジュールはあくまでも前向きだった。
「なにか、新しいカードを……探しに行きましょう!!」
「新しい……カード、かぁ」
「どこかの遺跡で、ちょうど良い魔導具が……出てきたら、いいね」
「どんな魔導具なら、レイブン様に勝てますかね?!」
悪巧みは、続いていく。
「光の矢を、連射できる……クロスボウ、なんて良いかもね」
「光の矢……ですか?」
ジュールは不満そうだった。
「威力が……弱くありませんか?」
続く言葉は、かなりマニアックだった。
「電撃の呪文の方が、よろしいのでは? 威力もありますし、弾速も速いですよ?」
「ジュール」
バルナスは、ジュールの身体を自分の方に向けた。
「戦士を牽制するなら、出来るだけ小さい魔法にしなさい!」
「???」
「大きい魔法だと、見てから対処されるからねっ?! 抵抗されて、魔法の威力が減衰されたり……。レイブンなら、魔法そのものを避けるかもしれないんだよ!」
バルナスは、大きく息をついた。
「もう、本当に……理不尽!!」
どうやら、最近なにかあったらしい。




