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ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 52

「絶対に……ダメだぞ」

 ピンク色になりかけた周囲の温度を、レイブンが強制冷却した。


「生きてりゃ勝ちだが……怪我なんてのは、負わないにこしたことは無い。だから、自ら怪我しようと……するなよ?」


「う、うん……」

「痛いのは……」

「ごめんこうむる……」



「お前ら……なにをやってるんだ?」

 ドラナは呆れていた。


“ピンク色の空気にしたのは、あんたでしょーがっ!!”

 彼女たちの心の声は、ドラナに届くことは無かった。



「まずは、普通の回復魔法(ヒール)だ。リリス、怪我の大きさと、治るまでの時間を、よく見ておけよ?」

 周囲のあれこれに気づかず、ドラナが回復魔法(ヒール)の実践に入った。たいした面の皮である。


 レイブンの傷に手の平をあて、戦神(ノドレイ)に祈る。レイブンの傷が、両端からゆっくりと塞がっていく。

「ひさしぶりに……普通の回復魔法(ヒール)受けたが……けっこう……痛いな(いてえな)……」

 レイブンは苦痛に顔をしかめていた。


「レイブン。痛いの?」

「それなりにな……」

 リリスは心配そうな表情で、レイブンの手を握った。


「もう少しだけ、待っててくれ。痛いのはわかるが……」

 回復魔法(ヒール)をかけているドラナも、辛そうだ。



 しばらくして、レイブンの傷が完全に塞がった。


「ありがとよ」

 レイブンは、ニッコリ笑って見せた。


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