ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 49
騒がしかった中庭が、少し落ち着いた。小さな女の子たちは、涙目になっていたり……。大きな女の子たちは、小さな女の子たちを慰めながら、少し涙目になっていたが……。
とりあえず……落ち着いたのには、変わりがない。
「あんたたち……」
リリスが女の子たちにダメ押しをしている。
「世の中には……触っちゃいけないモノがあるの」
「触らぬ神に……祟りなしって、言うでしょ?」
みな、真剣な表情でコクコク頷いていた。
女の子たちは、意気消沈した様子で部屋に戻っていった。
「なんとか死人が出るのは、防げたかしら?」
リリスは、大きなため息をついた。
「たぶん……な」
ドラナも疲れた様子だ。そのまま、リリスを抱き上げる。
「ただなあ……」
「戦神神殿の子供たちだもんねぇ……」
ドラナとリリスのボヤキに、周囲の女性神官戦士が同意の声を浮かべた。
「困難に挑戦する……馬鹿が……」
「いるのよね……」
「とりあえず、バルナスに注意だけはしとかない?」
「一人になるなってか?」
リリスとドラナのやり取りに、周りから、突っ込みが入った。
「でも、バルナスとジュールちゃんって……」
「いつでも一緒よね?」
「ジュールちゃん……けっこう威嚇してるよね?」
「うん。ワリと……沸点低い……」
「もしかして……取り越し苦労……か?」
「ぽい?」
どうやら、ドラナとリリスと女性神官戦士の心配は、取り越し苦労で終わったらしい。
「しっかし人騒がせなヒトたちだよねぇ……」
「ああ。そうだな……」
全員でため息。彼女らの幸せゲージは、そろって低下しているに違いない。




