ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 45
神官戦士ドラナの腕の中に、性悪猫リリスが抱き上げられている。この姿は、中庭に新たに到着した孤児院の小さな女の子たちには、衝撃をもって迎えられた。
「あれ?! ドラナとリリスが、仲良しさんしてる?!」
「リリス、赤ちゃんみたい!」
「リリス。どうしたの? お熱でもあるの?」
「癒しの間に、連れて行かないと!!」
ドラナとリリスを囲んで、わちゃわちゃしている。そんな子供たちの姿に触発されて、二人の様子を横目で見ていた年かさの女の子たちも、周りを囲んだ。(給水班の女の子たちである。リリスと一緒にワインの樽をはこんできて、給水を行っていたのだ)
「リリス。頭でも打った?」
「強いお酒……こっそり飲んだの?!」
そろいもそろって、リリスの扱いが酷い。
リリスはため息をついた。
「ドラナ。下ろして」
「おう」
ドラナが頷いた。
「場所あけろー。リリスを下ろすぞ」
子供たちが場所をあけ、リリスが下ろされる。
「ドラナ。隣に座って。遠いから」
リリスがドラナの腕を引いた。ドラナは、リリスの隣りにどっかりと座り込んだ。
リリスが周囲を睥睨した。
「色々と、好き放題いってくれちゃって……」
そのまま、ギラリと睨みつける。
「あとで、覚悟しとけよ……」
「!!!」
小さな子供たちは、両手を口元にあてていた。日光の三猿の……言わざるのポーズである。
「覚悟……ねぇ……」
大きい子供たちは、獰猛な笑みを浮かべた。口ではリリスに勝てないが、肉弾戦では負けない自信があるのだ。




